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親切にされた思い出をたくさん持ち帰ってきた。香川・讃岐広島①
2024年最後の飛行機旅は、三度目の香川へ
2024年11月に戻る。
この年最後の飛行機旅は、3回目の香川。最初は女木島経由で男木島に宿泊。その次は高松から入って佐柳島に宿泊、岡山の真鍋島に渡り岡山空港から帰京というルートで旅をした。
今回は、高松空港→バスで丸亀へ→船で塩飽諸島の広島(広島県と区別するのに讃岐広島と呼ばれているらしい)へ、という旅程だ。
10月の時点でANAのプレミアムポイントは30,000を超えていたので、修行としては飛行機に乗る必要はなかったのだが、月いちで旅行をするのに慣れてしまって、予定を入れずにいられなかった…。
香川にまだまだ行ったことのない島がたくさんあるのももちろんなのだが、大学時代からの友人が現在香川在住なので、彼女に会いに行くのも今回の旅の目的のひとつだ。
人が元気な島で、私も元気になりました
香川のどの島に行こうか、いろいろ調べていると、讃岐広島に旅作家の小林希さんが関わった空き家再生プロジェクトによるゲストハウスがあるとわかった。もともと非営利活動を仕事にしていた時期もあり、いろんなところを旅するにつれ、地域が元気に持続していくためには何が必要なのだろうか…と、私ひとりでは答えのでない問いが常に頭の片隅にあったので、どんな場所なのだろうか、ととても興味がわいた。丸亀駅からすぐの港から船が出ており、高松港ほどではないがアクセスもよい。泊る場所もある。よし、一泊で行ける。2日目は高松に戻って友人と待ち合わせ、飛行機の時間までお茶を飲みながら話すことにした。楽しみすぎる。
ゲストハウスやカフェを作ることは、町おこしのプロジェクトとして割とよく見られる手法と思うが、それがあることで島にどのような影響が起こるのか、興味がある。移住者が事業を始めるケース、もともとの住民によって運営されるケース、行政主導のケースなどいろいろあるだろうが、そのすべてがうまく行っているわけではないはずだ。成功のためには何が必要なんだろう。がっつり取材しようと思っていたわけではないが、もしかしたら運営の内側や波及効果なども目にしたり、お話をうかがえたら面白そうだ、とうっすら考えていた。
結果から言うと運営の方とそうしたお話をする機会には恵まれなかったが、たった1泊しただけのよそものの感想を一言でいうと、「あれ、この島、めっちゃ大丈夫じゃね???」であった。もちろん、高齢化、人口減少など地方につきものの課題は多いのだろうし、イノシシの獣害など頭を悩ませる問題は山積しているようだった。が、何せ、会う人会う人が、めっちゃ元気。なんか楽しそう。正直なところ、これまで訪れた島の中には、行く末を案じて気持ちが沈んでしまうようなところもあった。でも讃岐広島は、これからが楽しみだな、と明るい気持ちになる、素敵なところだったのである。
高松空港→丸亀、そしてスーパーで買い出し
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飛行機は早朝便だったため、今回も羽田へは車で。もう余裕である。鼻歌まじりである。朝5時に出発し、安全運転で6時頃到着。搭乗口はサテライト。予想通り今回もバスラウンジに向かうことになった。でも過去の教訓を活かして売店やトイレには寄らず、一目散にサテライト行きのバスに乗り込んだので、混雑に巻き込まれずに済んだ。サテライトは人も少なく静か。ANA FESTAの開店を待って、宿へのお土産などを買った。
高松に着いたら、すぐに丸亀行きのバスに乗り込む。また空港の写真を撮り忘れた。1時間ちょいで丸亀に到着。今回宿泊するゲストハウスひるねこさんは、素泊まりのみで3,000円。駅となりのスーパーで、お昼ごはん、夜ごはん、朝ごはん、あと予備の食料を買い込む。お酒とペットボトルの飲料、朝用のコーヒーなども忘れずに。船の時間まで余裕があったので、慌てる必要はない。
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島の宿に泊まる際の心得をいくつか
島にはいくつか食事ができるところがあるようだったが、島の情報の過信は禁物なのである。営業日が限られていたり、店じまいが早かったり、貸し切りや臨時休業もある。すでに廃業していたりもする。食料は確保したうえで、お店が開いていたらラッキーぐらいの構えで行かないと、うまくいかなかったときに詰む。スーパーをうろうろしながら頭の中で島での過ごし方をシミュレーションし、買い忘れがないようにする。日持ちするものが少し余るくらいでいいと思っている。
そんな風に食べ物に関しては過剰なほど備えていたはずの自分が、今回はやらかしてしまった。ゲストハウスひるねこさんのサイトには、「家庭菜園があるので(滞在中の食事分だけ)野菜は自由に使っていい」とあった。そうなんだ、この時期なら白菜とかあるのかな、野菜があるならあまりたくさん買い込まないほうがいいかな、などとなぜかこの時だけ深く考えずに、夕食用にはなべの素と油揚げ(形が真四角。香川のはこうなのかな?)だけを用意。念のため韓国の袋めん(カムジャ麺)を押さえに買い、島に向かったのだが、宿についてみると、なんと畑には何もなかった。
あとで聞いてみるとこれにはわけがあったのだが(後述)、不確かな情報を確認せずに「なんかあるだろう」と楽観的に考えた自分を呪いながら、その夜は予備のカムジャ麺を具なしでわびしく啜ったのであった。あれはまったく物悲しかった。
島の民宿やゲストハウスには、特にサイトなどで触れられていなくても、インスタントコーヒーやお茶が用意されていて、自由に飲めるところも少なくない。だからなんとなくあるだろう、と考えて用意せずに向かうと、なかったときに「なんで⁉」と裏切られたような気持ちになってしまう。それらのサービスは宿が厚意でしてくれているのだから、勝手に期待してはならぬ。絶対に欲しいものは自分で用意して行き、もし宿にあったら感謝していただくくらいの気持ちでなければいけない、と思う。今回に関しても「野菜があると書いてあるがどんなものがあるのか」ときちんと確認すれば、いらぬ落胆を防げたのである。反省である。
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さて、買い物が済んだら余裕をもって港へ向かう。待合所の建物は思っていたより大きく、私の行く広島方面のほかにもうひとつ航路があるようだった。券売機でチケットを買い、桟橋へ。スタッフのおじさんが話しかけてくれて、乗客のおじさんも加わり、広島にはつい先日丸亀製麺の研修施設ができたことや、うどんのだしはいりこに限る、などなど、いろいろ教えてくれて楽しかった。いりこは伊吹島産が有名で、丸亀駅のスーパーでも買えると教えてもらったので、帰りに忘れずに購入しようと心のメモに記入。
(つづく)