木と市長と文化会館/または七つの偶然
初の恋愛要素ゼロメール笑
ロメール流政治映画。
終始保守派、左派、環境派の政治談義。その対立さえも微笑ましくユーモア交えて描いているのが良かった。
市長は自分では左派と自負して絶対正しい事をしていると思っているけどある人から見ればその行いこそ経済発展重視の保守派のなす所業だしある人から見れば町おこしや文化を大事にすることに奮闘するヒーロー。
環境派が言っていることも市長が言っていることも間違ってない、どちらの言い分もわかるけどロメールが言いたいことは全てあの教師の娘に託されている気がする。
偶然が重なり天運に委ねられる政治もあるから誰がすごい、誰が偉いじゃなく皆んなで話し合ってより良い世界をつくろうよ。的な。人それぞれ考え方は違うし全員が同じ方向向くことなんてありえないしロメール自体も自分の意見を押し付けたりするつもりはないんだろうな。
でも次の世代に何かしてあげたいと思うこと自体がすごく大事でその上で政治について考えてみない?という提案と争いでは何も生み出せないというロメールのメッセージが込められた社会派の優しい映画だった。