クリスマスから年末年始のカミーノ・デ・サンティアゴ 『ポルトガル海岸の道』を歩いてみて
¡Feliz año nuevo!
いや、めでたくもない、、、
まずは、能登地震において、被害に遭われた方々に哀悼の意を捧げます。
今回は、クリスマス〜年末年始にかけて、JICA任国外旅行休暇を利用して、ポルトガルからスペインのカミーノ・デ・サンティアゴ、ポルトガル海岸の道、約317キロを10日間歩いた記録を備忘録として、記しておく。
ずっと、いつか、歩いてみたい、と思っていた、カミーノ。
まさか、JICA派遣期間中に、歩くとは、己でもビックリ。
ま、JICA派遣期間中にカミーノ歩いたという話は今まで聞いたこともないし、コレからもあまり出てこないとは思うが、参考程度に。
なぜなら、隊員の任国外旅行は年間20日と限られ、その貴重な期間に、わざわざお金を払ってまで歩きに行くモノ好きは、いないだろう、、、
更には、クリスマスから年末年始という、いわゆるシーズンオフで天候も優れず、アルベルゲ(ドミトリー)やレストランなども閉まっているところが多い。
だから、歩く人も少ない。
とにかく、1日30キロくらい歩くので、荷物は最低限に、、、
とは言え、寒いので、自ずと荷物はかさばる、、、
それでも、せいぜい6-7キロ程度だろうか。
12/24日・朝。
まずは、エルサルバドルから、いざ出陣!
と、前日23日から24日・早朝のUberを予約して、空港へ、、、
チェックイン手続きを進めていると、何やら様子がおかしい、、、
職員「ESTÁ(アメリカのVISA)持ってる?」
A「(5年前に取得したから)持ってるよ〜」
職員「見当たらないだけど?」
A「いやいや、待て待て!(調整員さんに電話)ESTÁ申請されてないって、チェックイン出来ないんですけど?有効期限5年じゃないんですか?」
調整員さん「2年ですね、、、ちょっと出発までダメもとで、申請してみますね」
A「(ガーン)」
と、早朝から調整員さんを叩き起こし、申請までして頂いたが、許可が降りたのは、出発5分前、、、(時、既に遅し)
(しかも、後に冷静になって考えてみると、、、仮に有効期限5年だとしても、コロンビアへ行ったのは2018年の9月だから、いずれにしても5年以上経過している、、、)
さて、どうしよう?
と、隣を見たら、イベリア航空が!
すぐに調べると、今夜の便が!!!
それで行けば、最低限のロスで済む。
『時間は金には変えられない』
で、一旦自宅へ戻り、新たに航空券を手配。
24日・夜。
仕切り直して、いざ出陣!
25日・朝。
ポルトガルのポルトに到着予定が、25日・夜に。
したがって、ポルト観光する予定のみ、ロス。
初日、26日・朝、9時。
ポルト大聖堂でクレデンシャル(スタンプラリーやアルベルゲに宿泊するのに必要)を€2で購入して、スタート!
と、いきなり、矢印⇨とは逆方向へ。
そう、そんな従来通りのレールを生きてきてはいない。
(オーイ!)
と、突っ込まれそうだが、海岸線を歩きたかったので、、、
ココで、いきなり苦労したのが、Wi-Fi、、、
(事前に、登録してもらった、esimが使えず、現地simカードも購入断念)
おそらく、矢印通り歩けば、間違いない、、、楽(ラク)。
ま、それでも、北にさえ向かって歩けば、進む、、、
そう、歩き、「続けさえすれば、目的地にたどり着く」のである。
しかし、まさかの、初日から①43,12kmと、フルマラソン以上完歩するとは、、、
2日目は、のんびり?②28,77km。
3日目は、初めて雨の中、③28,7km。
やはり、雨が降るとちょっぴり寒い、、、
が、初アルベルゲ宿泊。
ちなみに、JICA任国外旅行では、航空便や宿泊先を事前に申請しなければならないので、今回は全て予約済み。
しかも、年末年始で閉まっているアルベルゲが多いので、全て事前予約。
宿を中心に、日程を組んだと言っても過言ではない。
だから、11泊のうち、アルベルゲ4日、ホステル4日、ホテル3日。
4日目、国境越え。
前々日に、タクシーボート会社へ連絡、確認。(返信あり)
前日にも、コンタクト。(返信なし)
当日、到着して連絡すると、、、
会社「ごめん、おばぁちゃんが、急病で!」
A「で?」
会社「(返答なし)」
A「いーよ、もう、歩いてくから!」
会社「本当、ごめん!」
A「いいって、仕事より、生命、家族の方が大切だから!おばぁちゃん、お大事に」
会社「(返答なし)」
ということで、対岸に渡れず、15キロ先の橋を渡るため、往復30キロ歩いて国境を越えることに、、、
ま、ボートでショートカットして楽(ラク)せずに、ちゃんと歩け!
ってことだったのだろう、と己に言い聞かせる、、、
で、まさかの、④45,38km。
1週間で、2回もフルマラソン以上完歩するとは、、、
5日目、⑤37,02km。
さすがに、この日が、体力的に1番キツかった、かなぁ、、、
そして、大晦日、6日目。
もともと楽な日程にしていたので、⑥19,1km。
前日から、大晦日は昼過ぎにはスーパー閉まって、元旦はやっていないと、聞いていたので、、、
昼過ぎには、スーパーで買い込んで、宿泊先のホテルへ。
日本とスペインは、時差-8時間。
現地で16時、日本で年が明けてすぐ、母親からメール着信。
同様に、母親へ返信『誕生日、おめでとう』と。
もう、何年も、何十年も、毎年恒例である。
こちらは、年明けまで起きてられず、就寝、、、
しかし、海外恒例、カウントダウン花火で、叩き起こされる。
それでも、1時間くらいで、静寂に。
エルサルとスペインは、+7時間なので、起きた頃に、年明け。
そう、知らず知らずのうちに、時間軸として2国の真ん中にいたのである。
そして、2024年・元旦、7日目。
朝食を食べていると、能登で地震、津波警報の速報が、、、
再び、すぐに、母親に連絡、、、
とりあえず、家族で避難しているところ、と、、、
で、出発、、、
もう、ここからは、一歩一歩、祈る気持ちでいっぱい、、、
⑦36,11km。
とりあえず、家族、親族の無事を確認して、安堵。
8日目、2度目の雨、⑧24,7km。
9日目は、ゆるーく、⑨21,54km。
このくらいになると、20キロ前後に、身体が慣れてくる、、、
最終日。
予報通り3度目の雨、⑩32,28km。
前日に身体を休めているのと、もう最後は勢い、、、
到着時には、雨もあがり、予定通り青空に。
浴槽に浸かりたかったので、前日に宿泊先を、サンティアゴ大聖堂横のホテルに変更。
2023/12/26〜2024/1/4、10日間、316,72キロ(完歩)
正直なところ、前半ガツガツ、後半しんみり、といった感じ、、、
歩きながら、祈ることしかできなかった、、、
ずっと歩きたかった、カミーノは、もちろん、楽(ラク)ではないけど、楽しかった。
他のシーズンは、知らないので対比出来ないけど、あくまで今回のクリスマスから年末年始にかけてに関しては、、、
閉まっているアルベルゲやホステル、レストランやお店なども多いけど、、、
涼しいし、人も少ないから、歩きやすい、と言える。
特に、宿泊先においては、ほぼ貸し切り状態。
それでも、個人的には、もうドミトリーはキツいと感じた、、、
だから、総じて、このタイミングで良かった。
でも、また次、歩く機会があれば、やはり時間には縛られたくない、、、
そして、心残りは、帰りに、あの豚生ハム足の塊を買えなかったこと、、、
やはり、ポルトガルもスペインも、街は綺麗だし、交通マナーも素晴らしかった。
それでも、エルサルに戻ってきて、、、
己には、洒落たヨーロッパの風よりも、中南米の途上国の風の方が合っているかも、と思った、、、
さて、来週から活動も再開する、、、
そして、未だ大変な状況下の地元に対して、中南米から何が出来るのか?
2024年は、帰国する10月まで、還元と準備の時間となりそうである、、、
それでは、本年も、気が向いたら、戯言に付き合ってやってくだあさい。
合掌。
2024.1.6