【カナダのニュース】トロントのライアソン大学、トロントメトロポリタン大学と改名
4月26日のCBCによる記事※
学長はこう語った。『新しい名前にはこの大学そのものの全て、そして志す姿が含まれており、この上なくふさわしい。』
昨年2021年8月、大学の取締役会にて、校名のせいで重圧を受けている大学で勤務する職員や学生のためにライアソンという名前をやめて改名すると決定された。”ライアソン”は先住民の子どもの寄宿学校制度の創始者の1人、エガートン・ライアソンの名前からきている。
1870年から1990年代の間にカナダ連邦政府は15万人以上の先住民の子どもたちを、同化政策の一環として親から引き離しキリスト教当局が運営する寄宿学校での生活を強制した。何千人もの子どもたちの命がこの寄宿学校制度によって失われた。
カナダの一番の問題、先住民問題。
2008年に歴史の真実解明とその問題解決のために「Truth and Reconciliation Comission カナダ真実・調停委員会」が発足されたが、解決には程遠い。2015年には同化政策のための寄宿学校の運営の中でジェノサイドがあったとする報告書が公表されているが、カナダ政府の動きは迅速とは言えない。CBCの記事では数千人の子どもがなくなったとあるが実際には何万人単位だったと推測されている。
自分が親なのでこの寄宿学校制度一連の出来事を想像すると、我が子の顔が頭をよぎって心が引き裂かれる思いになる。親でなくても辛く悲しく感じるだろう。
そしてこのニュース。私の感想は、何故今なんだということ。カナダでは昨年2021年5月に数ある寄宿学校跡地から215人分の子どもの遺骨が発見された。それ以来、被害者の先住民の子どもの記念日ができたりしたが、今回のこの大学名の改名も含めて後手後手感が否めない気がするのは私だけだろうか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?