来年のことを言うと笑う鬼
来年の事を言えば鬼が笑う、と言うけれど、
もう流石に笑わないだろう、もういくつ寝るとお正月て時に。
来年の事というより、もう来週のことだから、
そこは鬼も笑わずに大人しくしてくれるだろう
『今、目の前のことを場当たりでこなす年の瀬は、去年と今年と来年がぶつかり合って濁流になり、泡立った中、まっさらな心持ちと志が、来年こそはと前を向けたらいい。』
そう思っていたんだが、視線を感じるなぁとビクビクと周りを見回すと、濁流の中、愚痴や恨みつらみ、やれなかったこと、言えなかった言葉がブクブクと、無かったことになんかさせないよと僕を見つめているからハッとした。
それは放置してきた僕だった。
来年のことをいう時にこそ、忘れてはいけない。これまでのあれこれ、日々の憂さも、口に出せなかった傷や汚れまとめて僕を抱きしめる。
そもそも、鬼はそこにはいないのだ。
来年のことを言えば笑うのも
心の洗濯を阻むのも
それは放置してきた僕だった。
来年の事を言えば鬼が笑う、と言うけれど、
大丈夫。
放置してきた僕も再統合して、
鬼の居ぬ間に選択を。
今、目の前のことを場当たりでこなす年の瀬は、去年と今年と来年がぶつかり合って濁流になり、泡立った中、まっさらな心持ちと志が、来年こそはと前を向きながら、これまでのあれこれ、日々の憂さも、口に出せなかった傷や汚れまとめて僕を抱きしめよう。
来年の事を言えば鬼が笑う、と言うけれど、
自分自身を笑うのも、
自分自身を労わないのも、
放置していた僕だった。