パラレル介護ヘルパー歳時記《夏至》【夏枯草枯る西宮】
『目にみえる物理
形をかえる天体
日が長くなり、到達
だんだんと大きくなる鼓動
焦燥や不安は消失点の向こうにある、
日差しに目を細める
目にみえる物理
到達から始まる変化
日が短くなる始まり
だんだんと焦りも穏やかになり
積み上げた成果と自信をとりもどしにいく、
またここから半年先へ』
クレセントは三日月で、
クレッシェンドは次第に大きく、ということ
太陽の通り道、時に月が横切り
月の通り道、時に太陽は遮る
人の過ごす闇に挿す光
それは月刺す光
和らぎの言葉の端には
日、当たってばかりの場所に
陰もたらす優しさがある。
光も闇も所々、
交互に揺れる風情があるこの世において。
とある物語は終わりと共にはじまり
重なり、崩れ落ち、
また重なり、
端折り、葛折り、畳み掛ける。
ナラティブなるさっくさくのミルフィーユ
または
しっとりバター仕込んだクロワッサンみたいなだんだん大きく小さくなる想いや念やら執着やら愛憎を練り込み織り上げた地層がみえる。
その地層や皺とそのガリガリの背中に映り込むイメージを一気に脳内に流し込み、
ゴリゴリっと咀嚼し、
ガタピシいいながらも
あーでもないか、こーでもないかと
独言ながら行うのが、
ケアというものなのでしょう。
そしてそう、あの子が呟いてたように、
「ストーリーは進んでいく」
夏が至る頃、繰ったページは、
冬が至る頃、また、ちゃんと繰られて、
再び
そう。ストーリーは進んでいくのだ