ゲルニカと「希望」の話
たまたま見ていたテレビにピカソの「ゲルニカ」が出てきて、ボーッと眺めていた。
右上から灯りを持ってニュ~っと入ってくる女性の顔が、「ゼフュロスの吹く息」に思える。いちどそう思い始めると、もうそうとしか思えない。
つまり「ゲルニカ」全体がボッティチェッリ「春(プリマヴェーラ)」の参照であると……。
その女性が持つ灯りが希望の象徴とか、
倒れる人の手もとの花が希望の象徴とか聞いたけれど、
ゲルニカそのものにすでに、春、つまり「希望」が内包されていて、
この悲劇の絵を見つめれば見つめるほど、私たちは同時に希望を見つめていることになる。
ズームアップで目を凝らして、ランプや一輪の花に希望を賭ける私たちだけど、
希望はすでに訪れている。
私たちが気づきさえすれば。
なんてことを、考えておりました。
………誤読上等、なんですけれどね。