【infini∞手帳術-017】ファイリングと時間軸。
手帳術講座のワークショップをやっていると、このルールは世間一般にこびりついてるなと思うことがある。
それは「手帳は最初から使っていくものである」という点である。
日本の書籍では縦書きなら右側が綴じられていて右から左に進むし、横書きなら左側が綴じられていて左から右に進むものだ。
手帳も同じで、大概横書きのレイアウトなので左側が綴じられ、手前から奥へ時間が進んでいく。
事務仕事などにつきものの「書類のファイリング」も、その資料にもよるが必ず手前から奥へ読む順番に綴じられていく。
中には毎月の書類を溜めていく関係上、後ろから手前へ1月、2月…と積まれることもあるが、月内の書類は手前から並んでいるものである。
がしかし、このinfini∞手帳術は、手帳内の時間の進み方が全く違う。
毎回、ワークショップ内の説明で時間をとるし、そこに慣れてもらうと手帳内の管理がとても楽になると思っている。なのでワークショップ内でお伝えしている時間軸の考え方を書いていこうと思う。
「今」が大事。今は「真ん中」
手帳の使い始めにお伝えするのはノートの金具(リング)の開閉についてなのだが、私が使っているLIHIT LAB. のツイストノートのリングは開くためのレバーやボタンがあるわけではなく、綴られている表紙やリフィルを、開いた状態で左ページを上に右ページを下にひっぱる事によって、金具の繋ぎ目が開くのである。
だから、中のリフィルを出し入れするのは真ん中が一番楽なので、よく開き、よく使う「今現在」をほぼ真ん中にする。本当によく開くので当月のカレンダーページにはクリップ式のブックマークに好きなチャームを付けて、いつでもガバッ!と開けるようにしているくらいなのだ。
未来が左、過去が右。
カードリーディングをやっていると大体のスプレッドは過去が左で未来が右である。世間にある横書き綴じ手帳も手前から奥へ未来が広がっている。
しかし、この手帳術では真ん中が「今」で、ほぼ見るだけのカレンダーは左ページ、右利きの人が書き込むのは右ページだけ、が基本。
左ページのカレンダーも、真ん中が今だから、未来をめくっていく動作をするためには、表紙側へ月を進めなければならない。
さらに「今」の見開きページを使っていくと、右ページがどんどん埋まっていく。そして右ページを書ききったら、新しいページを上に重ねていき、常にカレンダーの右側に現在記入しているページがある状態にし、古いページはどんどん右側に押しやられて行くのだ。
過ぎた日々はクラゲの赤ちゃん。
使っている月の末日がきたら、今まで見てたカレンダーは右側へめくり、新しい月のカレンダーが左ページに来るようにし、新しいリフィルを右ページにセットする。
こうして使っていくと、過去が右側へどんどん押しやられるように溜まっていく。差し込む新しいリフィルは、手帳の前後どこに溜めてあってもかまわない。さっと抜いて当月のカレンダーの横に差し込めば良い。
自分はあまり過去を振り返ることがないので、次の月の頭には前月使ったページを丸ごと外して、そのまま保存用金具へ移して、後ろから順に現在まで溜まった状態の手帳を自宅に保管している。
前月のカレンダーとリフィルを外す時は、さながらクラゲの赤ちゃんのようである。(画像検索などで見てみてね)
未来は続くよどこまでも。
こうして、真ん中の「今」を維持していくとカレンダーはだんだん右(過去)へ移動していく。未来のカレンダーは、当月になり、過去になっていくのだ。
そうすると未来のカレンダーが少なくなるので、足さなくてはならない。この手帳は年の区切りなど全く関係ない、まさに「∞」なので、その人の予定の埋まり具合で何ヶ月先の分を用意してあってもいい。
自分の場合は年の境目など関係なく半年~1年分は常時入れてある。
日本では天文暦の関係で翌々年の春分の日と秋分の日が決まったら、カレンダーを作り始められるので、販売している手帳より早くカレンダーを用意することも可能なのだ。
こうして、いつでも始められて、ずっと続けられる手帳は真ん中の「今」を基準にして未来を足し、過去を蓄積することができるのである。