「2024.01.07」週刊書評まとめ:古い羅針盤134章
先週の評点:
「根っからの悪人っているの?: 被害と加害のあいだ (シリーズ「あいだで考える」)」(◎):坂上香、「差別する人の研究――変容する部落差別と現代のレイシズム」(◎):阿久澤麻理子、「髪をもたない女性たちの生活世界 髪をもたない女性たちの生活世界――その「生きづらさ」と「対処戦略」」(〇):吉村さやか、「社会的養護の社会学 社会的養護の社会学: 家庭と施設の間にたたずむ子どもたち」(〇):土屋 敦、 藤間公太。
「根っから・・」は、加害、被害という相反する立場、詰まり、二項対決では片付かない問題を丁寧にフォローし、円滑な社会の人間関係を造ろうとしている試みの一つだ。「差別・・」は兎角、差別されている側の不幸だけが報道され易い現状を憂い、問題の本質は差別している側であることに気が付かせてくれる良書。「髪・・」や「社会的養護」も格差や差別に関係する問題提起書である。こうした書籍を読み下すと、世の中とは全く生き難い場所であることを痛感する。
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