気の玉をマスターするコツ
この記事では「気の感じ方」、「気の玉」、「結界」のしくみについて知ることができます。
謎が多いと思われがちな気功も、ていねいに紐解くことで地に足をつけて実践することができます。
初めて学ぶとき、または知識の穴が無いかなど、ときおり確認のためにお読みいただくと新たな発見があるでしょう。
ご自身の気功学習に活用していただけたら幸いです。
1.気を流す、送る、入れる、そして感じる
こんにちは。気功師の佐伯です。
気功では、気を使って心と身体をより良い状態への変化を試みます。
例えば次のような内容です。
落ち込んでいた気持ちを上向かせる
身体の倦怠感や不調感をとりのぞく
そして気を使うことを「気の操作」と呼ぶことがありますが、おもに下記の3つの表現で行うことがあります。
気を流す
気を送る
気を入れる
これらは「不可逆的な操作(後戻りできない操作)」として行うことで、起きた変化が定着するようになります。
2.気=記憶? 気=情報?
「気の玉に良い情報を載せて、身体に入れると変化が起きます」
と、いきなりこんなことを言われても、なんのことやらさっぱりだと思いますので、まずは気の存在について確認していきましょう。
・物質や身体に存在する気
気とは何か。
この問いに、現在の科学ではっきりとした答えは出ていませんが、ごく自然な感覚で気を扱う分野が気功以外にも存在します。
空手や柔道などの武術の世界では、気は心身に存在するものとしてあつかっています。
心身の気を高める目的は、より強い打撃を繰り出すことや、緊張感のある空間でも力を発揮することなどが挙げられます。
身体の強さに加えて、精神的な強さも求め、生き抜く力を高めるために気の強さを必要としていると言えそうです。
ほかにも「病は気から」といったことわざも聞いたことはないでしょうか。
気の使い方を知らなくても、身体の内側に気が存在している感覚は意外と馴染みがあるでしょう。
・自室に飾ってあるものから気を感じてみよう
気が強く宿ると、人の意識や集中は自然と引き付けられます。
この作用は、人体でも、物質でも、場所でも同じように起きます。
それでは次の手順で、モノに宿った気を確かめてみましょう。
目をつぶる
部屋に置いてある「お気に入りのモノ」を思い出す
思い出せた理由を考える
思い出したのは、お気に入りのアクセサリーでしたか?
それとも、お気に入りの置物でしょうか?
頻繁に使う道具など、いろいろありそうですね。
ではなぜ、それを一番初めに思い出すことができたのでしょうか?
何か印象に残る、記憶に残る理由がありませんか?
つい最近購入したから
昔からずっと気に入って持っているから
誰かから贈ってもらったから
直接手で触れなくても、目で見なくても、強く印象に残るものには相応の気が宿っています。
「気=記憶」として扱うこともできますし、「気=印象」と置き換えることもできそうです。
とはいえ、気の正体はいろんな概念を当てはめることができてしまいます。
武術なら心身の活力、生命エネルギーとなるでしょう。
こういった、人間の意識が向くことがらを、ひとまず「気」として扱っていると捉えてください。
3.「空間にピンを刺す」というアイデア
さて、自分の周囲にあるものや、場所などに気が存在することが掴めてきたでしょうか。
ではさらに進んで、気を球状、つまりボール状にして扱うことに話をうつしていきましょう。
僕が知っている限りの話ですが、気の玉の作り方は2種類あります。
手から出した気をボール状にまとめる
丸いものを触ったときの記憶を使う
もちろん、手のひらでは何も持っていないように見えます。
両手のあいだの「何もない空間」に意識を向け、その感覚を維持しつつボール状の感覚を味わいます。
…と、ここで躓く人も出てくるのが気の玉です。
物理的に手に何も持っていない
目で見てなにかが見えるわけでもない
ゆえに存在感が希薄であつかいにくい
何もない空間に意識を向けることに、初めのうちは戸惑うのでしょう。
実はそんなにむずかしい話ではなく、「空間に意識を向けること」に着目すると気功を理解するアイデアが手に入ります。
それでは、下記の例題を試してみましょう。
・例題 家の近くのお店はどこにあるか
今、ご自宅でくつろいでいますか?
では目をつぶって、記憶をたどって家の近くのお店を思い出してみましょう。
よく行くコンビニ、ドラッグストア、飲食店…
お店が少ない場合は、駅やバス停、郵便ポストでもかまいません。
だいたいの方角と、だいたいの距離も合わせて思い出してみてください。
通勤経路にあるお店などは、比較的かんたんに感じるでしょう。
これらの場所を最低でも3か所は思い出すようにしてください。
いったん、やることをまとめましょう。
自室で目をつむって「家の周辺」を想像する
記憶をたどって「家の周りにあるお店の場所」を思い出す
だいたいで良いので「お店の方角と距離」も思い出す
最低でも「3か所」思い出す
「そういえば、あそこに○○屋があったよな」と考えると、自宅から離れた場所に自分の意識を飛ばすことができます。
「今、視界に収まる範囲から外」はすべて「想像と記憶の世界」となります。
自室から出て、玄関から外に出ないかぎり、目の届かない範囲は「想像と記憶」を頼りに探るような感覚になるでしょう。
そして、目をつぶったら、目の前の机の上に置いてあるものも「思い出せなければ存在していないのと同じ」となります。
もちろん目を開ければ、「あ、これがあったのか」と存在を感知できるわけですが…
それはともかく、自宅周辺のお店の位置を思い出すだけで、僕らの意識は自由に飛び回ることができます。
そして自分が今向いている方向から見て、「方角と距離」を思い出すと、見えない空間にピンを刺すことができます。
ヒントは「空間にピンを刺す」です。
「あの曲がり角にコンビニがあったよな」と離れた空間を意識する
「目の前に気の玉を置いた」と近い空間を意識する
目の前の空間に意識を向け、「この空間を気の玉の置き場とする」と考えれば良いのです。
離れた空間に意識を巡らせることができたのですから、「目の前」という近い距離にも意識を浮かべてみるのです。
何度か試しているうちに感覚が掴めると思いますよ。
4.結界にも転用できる「空間にピンを刺す」
先ほどの例題で、自宅周辺のお店を3つ思い出してもらいました。
なぜ3つだったかというと、結界に話を続けたかったからですね。
では、結界の作り方も見ていきましょう。
3つの場所のだいたいの方角と距離が思い出せたら、グーグルマップを上から見下ろすつもりになってみましょう。
そして、3つのランドマークを線でつないで三角形をイメージします。
これで家の周囲に大きめの三角形の結界を張ることができました。
自分を囲う形で3か所にピンを刺すことができれば、結界はかんたんに生成することができます。
この考え方のもと、先ほどと同じように自分の身体の周囲の空間にピンを刺すと「自分の身体を包む結界」が生成できます。
感覚が掴めるまでは、自分の身体から離れたところに意識を飛ばし、その意識を徐々に自分の身体の近くに戻す練習を何度か繰り返してみてください。
離れた空間を意識して、近い空間を意識する。
まずはこんな練習から始めてみてはいかがでしょうか。
気の玉や結界に情報を載せる方法はまた別の記事で解説するつもりです。
といっても、達成したい目的を持って気功をすれば勝手に情報がのっかってくれます。
「私はこんな目的を持っている」と考えながら気の玉を作るだけで、その目的に関する内容が気の玉としてまとまっていきます。
まずは「空間にピンを刺す」感覚をしっかりと身に着けてくださいね。