本を早く理解する:五感情報の理解
どうすれば本を早く読めるのか…
速読法や多読法などの書籍でテクニックを学んだ方もいると思います。
これから僕がお伝えする方法には”即効性”はありませんが、1年通して実践してもらえるなら確実に読める本のレベルを上げることができます。
僕も学生時代には専門書を読み解くのに苦労した人間の一人でした。
20代の中盤頃から、ようやく社会学系統の本ならスムーズに読めるようになりました。
この時期に心がけていたことは、読んでいる本の中でわからない単語は書きだしておくことです。
「この単語ってどういう意味だっけ?」と考える頻度が多いと、それだけで読書習慣のない人間は読む気を失いがちです(笑)
メモ帳に書きとめておき、すぐに参照できるカンペを用意しておいたことで集中力が途切れにくくなったという具合です。
ここに読書にのめり込んでいくコツがあるのではないでしょうか。
馴染みのない単語、初めて出会う単語に対してフリーズする時間を減らす。
それが集中力を持続するためにできることです。
誰でもできる初歩的な話です。
とはいえ、これだけでは物足りないでしょうから、気功の考え方で使えそうなものを読書に流用する方法をお伝えします。
”五感を使って本を読む”というやり方を解説していきましょう。
例えば、手から気を出してヒーリングをしかけるときは”嬉しい””楽しい””気持ち良い””清々しい””誇らしい”といった”良い感覚”を使います。
”嬉しい”という感情も、機械的にウレシイと考えることはしません。
”嬉しい”感覚について、関連付けられそうな色や匂い、形や手触りなどを用意しておくと、嬉しい感覚がリアルに膨らんでいきます。
”手から出した気に嬉しい感覚を載せる”といきなり言われても、頭に「?」が浮かぶ人もいるでしょう。
”良い感覚”をリアルに感じつつ、手から気を出すという手法を取っているのだと思ってもらえればそれで構いません。
とはいえ、自分も含めて人の手から何かしらの情報を受け取ることは、日常生活の中でかなりの頻度でお目にかかります。
親しい友人や、愛しい恋人と待ち合わせしたときに、「お待たせ―」と手で合図を送ったりしませんか?
指で行きたい方向を示したりもします。
緊迫した場面で人から人差し指を向けられると嫌な感じを覚えるでしょう。
”手から気を出す”と表現すると不思議な印象を持つと思いますが、手や指から感覚的に情報を出したり、受け取ることは誰もがやっていることです。
と、ちょっと横道にそれてしまいましたね。
話を本の読み方に戻しましょう。
”本を理解する”を分解していくと、”文章を理解する”になります。
”文章を理解する”は、”単語や接続詞を理解する”に分解できそうです。
難しい専門書を読んでも内容が入ってこないと感じるとき、単語や用語の内容を五感で想像できていないのでしょう。
簡単な単語を例に考えてみます。
”食べる”という単語はすでに知っていますし、毎日くりかえしていますね。
つまり”食べる”に含まれる五感情報も十分な情報を持っているはずです。
食べたときに聞こえる音
食べたときの味、におい
食べたあとのお腹の状態
”食べる”という特別さを感じない単語でも、含まれる五感情報は豊かです。
僕らはすでに”食べる”という単語に対して、関連する五感情報を十分に保有していると言えるでしょう。
すると、すこし単語が変化しても想像力を働かせることができるようになります。
食事、食事会、晩餐会、宴会、栄養補給…などなど。
漢字だけでなく、モーニング、ランチ、ディナー、などの横文字でも”食べる”というカテゴリーに入ることがわかるでしょう。
初見だと「モーニング?なんじゃそりゃ?」と思うかもしれませんが、そのうち「ある時間帯に注文できるメニューのこと」だと理解します。
(注文した人を見たか、お店の人に聞くなどの行動を経て、ですね)
”食べる”についての五感情報が瞬間的に頭に浮かんでくれるから、初めて出会った単語の意味の類推を苦しく感じないわけです。
本を読んでいて、「意味を取りづらい」「内容を把握しづらい」と感じた時点で”五感情報の不足”か”類推、展開の不足”を認めていくと良いですね。
類語を調べてみれば、すでに知っている単語が関連していることもあるかもしれません。
すると、脳内で”知らなかった単語”と”すでに知っている単語”のあいだで橋渡しが起きて内容に迫れるようになっていきます。
実際にニュース記事を引用して考えてみましょう。
とりあえず上の2行から目立つ単語を拾ってみましょう。
環境対応
技術戦略説明会
四輪車
安全性
上記4つの単語を、五感で想像してみてください。
環境対応だったら、海や山、または地球全体を俯瞰した五感イメージが浮かんだって良いはずです。
技術戦略説明会だったら、大勢の人たちが集まっている様子でしょうか。
四輪車は見たことがある車を想像すればいいでしょう。
安全性を五感で想像してみると、丈夫で、頑丈で、硬くて…といった感覚が浮かんでこないでしょうか。
現在ではテレビのニュースだけでなく、専門分野の解説動画もYou Tubeでたくさん閲覧できる環境が整っています。
動画の制作者の脳内では、自分が理解したことを”文章”と”映像”に変換する作業が行われているわけです。
文字情報から映像を作るには、単語の内容を五感で想像するクセをつけておく必要があります。
その練習に小説は適しています。
できればまだ映像化されていない小説で、自分なりに舞台や登場人物を想像してみると良いですね。
五感でリアルに想像できると、小説の内容に深く入り込んでいくはずです。
感覚を掴んだのちに、ニュース記事や専門分野の読書にも応用していきましょう。
本の内容を隅々まで理解するために五感の力も磨いてみてください!