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ストレスチェック、50人未満事業所でも義務化に(厚生労働省 審議会)

厚生労働省の労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)安全衛生分科会は、ストレスチェックを全事業所で義務化する、但し集団分析・職場環境改善の義務化は見送るといった報告書(案)了承(2025年1月17日)。


ストレスチェックを全事業所で義務化

テレ朝news(『“こころの不調”未然防止の「ストレスチェック」全事業所で義務化へ 厚労省』2025年1月17日配信)は「職場での“こころの不調”を未然に防ぐ『ストレスチェック』について、すべての事業所での実施を義務化するなどとした取りまとめ案が厚生労働省の審議会で了承されました」と報じています。

また、記事には「ストレスチェックは従業員自身のストレスがどのような状況であるのかを把握して不調を未然に防止することが目的で、現在は従業員が50人未満の事業所ではチェックの実施が努力義務とされています」「今回の取りまとめでは、事業所の規模にかかわらず実施を義務とするとしました」「厚労省は次の通常国会での法案提出も視野に、さらに議論を進めるとしています」と書かれています。

集団分析・職場環境改善の義務化は見送り

記事には「厚生労働省の審議会」とありますが、正確には「労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)安全衛生分科会」。

その安全衛生分科会資料には現行法で50人未満の事業場においてはストレスチェックの実施が努力義務となっているが「事業場規模にかかわらずストレスチェックの実施を義務とすることが適当」と。

また(記事には書かれていませんが)ストレスチェック実施後の集団分析・職場環境改善は努力義務とされているが「義務とすることは時期尚早」と書かれています。つまり今回も集団分析・職場環境改善の義務化は見送られたわけです。

ストレスチェックは無駄という意見も多いけど、当然だと思います。集団分析・職場環境改善を前提としないストレスチェックにはほぼ意味はないでしょう。ストレスチェックをやらないよりはマシですが、今回も集団分析・職場環境改善の義務化を「時期尚早」と見送った安全衛生分科会の委員にはただただ落胆しました。

今後の労働安全衛生対策について(報告)(案)(PDF形式)

労働政策審議会(労政審)安全衛生分科会(厚生労働省サイト)

*読んでいただき、ありがとうございます。