無料で使える変革型リーダーシップの尺度の妥当性はいかに?!(論文レビュー)
おはようございます。
修士論文提出まで,残すところ94日となりました。
(ちょうど3ヶ月くらい・・・?)
毎日、「はぁぁぁやばぁぁぁぁい」となっている湯浅です。
ようやっと理論固めは落ち着いてきた気がするので(遅い),Noteにもアウトプットするぞ・・・と小さく意気込んでいます。
年内には書き上げたいと思いつつ,
博士後期課程に在学している知人から
「修論は最後の最後まで書いてこそ醍醐味w w w」
というエールをもらったので粘り強く行こうと思います(笑)
今日は、変革型リーダーシップの尺度について述べられている論文をレビューします。
ちなみに・・・メジャーな尺度では「MLQ(Multifactor Leadership Questionnaire:多因子リーダーシップ質問票)があります。
(Mind Gardenという海外のサイトで絶賛販売中☆)
今回の修士論文は変革型リーダーシップ理論を用いているので使いたかったけど、課金できなかった私です。
そんな課金が厳しい方にも、こちら使えるかもしれないよーという論文です。
サラッと全体を知る1分
この論文は、変革型リーダーシップを評価するための短縮版尺度「Global Transformational Leadership scale (GTL)」の開発を報告しています。
GTLは、リーダーシップ行動を測定するための信頼性が高く、実用的なツールとして、既存の長い尺度よりも短時間で評価が可能です。
オーストラリアの金融機関で、695名のマネージャーとその部下1,440名を対象に調査を行い、GTLの信頼性と妥当性を確認しました。
GTLは、リーダーシップの選定や研究において有用であると結論づけられています。
この論文のリサーチクエスチョン
短縮版の変革型リーダーシップ尺度(GTL)は、リーダーシップ行動を有効かつ信頼性高く測定できるか?
▶︎リサーチクエスチョンの背景
既存のリーダーシップ尺度は項目数が多く、評価に時間がかかるため、簡便かつ信頼性の高い短縮版尺度が求められていたとのこと・・・
研究デザイン
デザイン: オーストラリアの金融機関での実証研究
評価方法: GTL、MLQ、LPIの3種類のリーダーシップ尺度を使用し、部下と上司の評価を収集
分析手法: 因子分析と回帰分析を使用し、GTLの妥当性を検証
対象者: 695名のマネージャーとその1,440名の部下、66名の地区マネージャー
方法: 質問紙調査を通じて、GTLによるリーダーシップ行動の評価を実施
用いられている変数
独立変数: GTLによるリーダーシップ行動の評価
従属変数: リーダーシップの有効性、部下の追加努力、マネージャーのパフォーマンス
この研究から得られた示唆
GTLは、変革型リーダーシップの評価において信頼性と妥当性を持つ簡便なツールであり、実務や研究において有用であるということが分かりました。また、GTLはリーダーシップ開発やマネージャーの評価、選定ツールとしても活用できる可能性を示唆されています。
この論文の強みと弱み
強み: 短縮版尺度としての実用性、迅速な評価が可能な点、信頼性と妥当性が実証された点。
弱み: 特定の業界に限定されたサンプルであるため、他の業界への一般化には追加の研究が必要。
余談・・・
自信満々に尺度を使っていたら,
「この尺度,変革型リーダーシップの構成要素(4I )とマッチしてないんじゃない?」とツッコミが入ったことはここだけの話。