新社会人の「おもひでぽろぽろ」
かれこれもう8年前になりますでしょうか。
入社1年目の冬、私は左手首を骨折しました。人生初めての骨折。
きっかけは本当にしょーもなくて、お正月休み、友人と行ったアイススケートリンクで、思いっきりバランスを崩し、左手で全身を支える形でがっつり転倒してしまったのです。本当は、きちんとした「転び方」があるそうなのですが、そんなことも知らず、調子にのってスイスイと滑っていたら、そんな惨事に。
転倒した瞬間、あまりの痛みで動けない私。「あれ、これ、どこが痛いんだ・・・?・・・・あぁ、手首だ・・・」と思いながら、立つことも出来ず、うずくまりました。不思議なことに、骨折って、経験していなくても「あ、これ、折れたな」ってわかるものなんですね。完全に、折れてました。2%くらい、「折れていませんように・・・」と祈ったけど、祈り届かず。
すぐにリンクを見張っている救護隊みたいな男性二人が駆けつけてくれて、抱えてもらい救護室へ。救護室のおばさんからは、「なんで『転び方教室』受講しなかったんね!!」と怒られる始末。すんません。。。そんな教室の存在、知りませんでした。。。(言い返す気力はない)
「うん、折れてるね、たぶん」とあっさり言われた私は、添え木を付けられそのまま救急病院へ。お正月の救急病院は激混み。何時間か待ち、診てもらいました。たまたま当直のお医者さんが整形外科の方で(これぞ不幸中の幸い)スムーズに診てもらえ、そして骨の位置を戻してもらって(怖)、簡易ギブス的なものを巻き、帰宅。結局、しっかり折れていて、その後は1か月ほど近所の整形外科に通い、それからまた1か月くらいリハビリに通うはめになりました。
入社してから、そして初めての一人暮らしをしてから半年程度しか経っていなかった私。骨折中の生活は、そりゃあもう大変中の大変でした。これまで自由に使えた「左手」がまったく使えないわけですからね。手首の骨って、手のひらからひじまで、全ての動きに影響があるので、すごく広範囲で固定されてしまうのです。まだ利き手の右じゃなくてよかった、と思いましたが、徐々に「どっちでもあまり変わらないのでは・・・?」と思うくらい、利き手じゃない方の手の重要性に気付きだしました。すっごいリアルなところでいくと、ポンプを押せないのです。シャンプー類、ハンドウォッシュなど。普通、右手でポンプを押して、左手のひらでキャッチするじゃないですか。それを、右手だけでやらないといけないんです。無理ゲーです。ちなみに、2週間ほど経ったときには「右手だけでポンプを押し、内容物をキャッチする技」を習得しました。あと、髪の毛を洗うときや、乾かすとき。右手にドライヤーを持ったら、あとは何もできない。ただドライヤーの風に身を、いや髪を、任せるのみ。もう、どんな形に乾いてもいい、、、乾いてさえくれれば、、、、と、涙を流していました。(マジで)
生活ももちろん不自由でしたが、仕事はもうさらに哀しみの連続。まず、PCのキーボードは右手で打つしかありません。右手だけでメールを打ち、右手だけでエクセルで数式を組む私。あぁ、ただでさえ入社1年目の下っ端なのに、遅すぎてすみません。。。会議室のセッティングや、資料組み、配布など、いちいち遅いうえに、優しい先輩からは「●●さんはやらなくていいよ~」と言われ、さらに凹む私。一つだけ救われたのは、骨折して初めて出社した日、ギブスが太いせいでスーツに腕が通らなかった私は、ポンチョ型のニットを急きょ購入しそれを羽織って出社したわけですが、それを見た上司の「なんだなんだ、シャーロックホームズみたいだなぁ!!」の一言。今思い出すとそんなに面白くないのですが(おい)、あぁ冗談みたいにして笑ってくださってありがとうございました、、、と今では感謝しております。
骨折を経験して学んだこと。
①身体が自由に動くということは素晴らしいことである
②物理的に困っている人がいたら、自ら積極的に関わりにいくべきである(実際自分が骨折して「何か困ったことあったら何でも言ってね!」とたくさんの人に声をかけていただけましたが、全てに困りすぎていて、結局なかなか頼れませんでした。実際求めていることでなかったとしても、何かをしてくれた優しさは、心に染み入るものです)
③人間、適応能力があるものだ(右手だけでもそれなりにタイピング早くなりました)
そして何より、
④私、ショートヘア、似合うんじゃない????
です。
当時背中まであるロングヘアだった私は、あまりの洗髪とドライヤーの面倒さに挫折し、髪の毛をばっさりと切る決意をしました。初めてのショートヘアです。骨折というきっかけがなかったら、ショートヘアにするなんて勇気はなかったことでしょう。いざ切ってみたら、めちゃ気持ちいい。それから8年間、私はずーっとショートです。いろんなショートを試し、ショートの魅力にとりつかれました。もう、ショート以外、愛せない。
いったい何を書いているんでしょうか。あなたは何を読まされているんでしょうか。わからなくなってきましたが、こんな話を今日、わざわざ書いているのは紛れもなく、今日が、入社式だから!!!!です。
人生、いつ、何があるか、わかりません。
どんなに意気込んでいても、半年後に私みたいに骨折して周囲に大迷惑をかけるかもしないし、笑われるかもしれないし。
慣れない環境や、慣れない一人暮らしに孤独さを覚え、ひとり枕を濡らす夜もあることでしょう。
ただ、どれも、なんとかなります。ぜったい、なんとかなる。
私も今、休職してまた周囲に大迷惑をかけていますが、「なんとかなる」ことがだいたいわかっています。(いや、迷惑かけていることには変わりないんだけどね、そういうことじゃなくて、ね)
本当に、まじで、たいていのことは、なんとかなる。
現在進行形で迷惑をかけている私が言うことではないですが(笑)、迷惑くらい、かけてよいのですよ。人に迷惑をかけないで生きてきた人間なんて1人もいないんだから!
なのでどうか、恐れずに萎縮せずに、人に頼りながら、毎日の社会人生活をエンジョイしてくださいなぁ!!!!!
たった8年先輩の私には、こんなことくらいしか言えません!
(てゆか、このnoteを読んでいる人の中に新社会人がいなかったらどうしよう、という不安が今頭の中をよぎりました( ;∀;))
「令和」、美しい元号ですね~。
穏やかで優しい時代になりますように。
Sae
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