hug屋で思い出したあの感覚〜舞台「hug」(WAKUプロデュース)〜
一昨日、TARAKOさん作・演出の舞台「hug」を観てきた👁
舞台は「hug屋」。
ありえない虚構と、場を活かしたリアルが絶妙に入り混じっていて「その店のルール」がわかる過程が面白いので詳細は伏せる。
家族なのに友人なのに
『触れる』ことができないのはなぜだろう
百の言葉より
一のぬくもりでなにかが変わることもあるのに
助けましょう あなたの心
ご連絡お待ちしております
hug屋
コロナ禍のhug。人と人が触れ合うハグをこの時期にテーマに据えるのは、相当の勇気が必要だったのではと思う。
それでもこうやって無事に上演できていることが本当に素晴らしい。というか、この2年くらいで忘れかけていた感覚がなんだかスッと戻ってきた感じもあった。
緊急事態宣言中、人とのコミュニケーションはほとんどがオンライン…という時期。
特にコロナ真っ最中の時、コンビニで向こうから人が来たのでドアを開けて待っていたら「ありがとう」と言われた。本当にそれだけなんだけど、その言葉が予想以上に嬉しくて自分で驚いたあの日を思い出した。
当初は「オンラインでも案外平気だな」と思ってたけど、「意外と対面での会話に飢えてたのか」と新鮮な気持ちになったのを覚えている。
小さい居酒屋でぎゅっと集まって話す楽しみも、コロナ禍の今は居心地の悪さを感じる。映画やドラマやバラエティ番組でのひな壇なんかも、無意識に「距離、近いな」とドキッとしてしまう。
そんな私でも、この日のhug屋の物語は、とってもあたたかくでも非現実的すぎることもなくじんわりと心に染み込んできた。
家族とも、友達とも、恋人とも…不要不急グセで会うのを諦めることに慣れたけど。この日この舞台を観た人たちは、心の中に誰か大切なを思い浮かべながら観たのではなかろうか。特別な人だけではなく、日々の生活で出会う人のあたたかさを思い出したかも知れない。
現実世界にもどこかにhug屋のようなあたたかい場所が、存在してることを願っている。