2020/04/23の放課後リディズバーズ
今日のリディズバには内閣府地方創生推進事務局参事官補佐の井上貴至さんがゲスト参加しました.
昨日のnoteの最後にも書いたのですが,井上さんとは広島県の大崎上島で偶然お会いして露天風呂でお話ししたことがあります.今日も地域を飛ぶミツバチなんですと,自己紹介されていましたが,僕との出会いもミツバチの旅の縁だったのですね.
(以下の議事録は数人で取っているため句読点とカンマ・ピリオドが併用されてますが,修正はしていません.)
今日のリディズバまとめ
井上さんについて
大阪生まれ,安部さんと同じゼミの先輩にあたる東大法学部卒.社会問題の現場で調査を行うゼミだった.現場で問題解決に携わりたいという思いから,総務省でも市区町村への出向を希望し,自ら制度を作って数十年ぶりに国から町役場の一般職へ出向した.出向先の鹿児島県長島町では最年少の29歳副町長となった.地域のミツバチとして,自腹で様々な地域を飛び回り,現場を直接見て,人との繋がりもつくってる.
長島町とは
ぶり養殖の世界シェア10%を誇る地域
出生率も全国約10位と高い
ずっと流出が続いていた人口が減り続け,そろそろ増加に転じる勢い
井上さんが行ったこと
ぶり奨学金制度を作った!
ぶり奨学金とは,長島町に住む住人が自らお金を出し,就学後に長島町で生活する人の学費を返済不要で補助する仕組み.→ 人口減少の回復に寄与
国や行政におんぶに抱っこなのではなく,地域の人が自ら汗をかいて活性化に貢献することの意義が大きい.やりがいや楽しさもあり,寄付が続いている.
人口減少社会の背景
東京に人口が集中してることが人口現象の要因なのではないか.肌感覚として,相関より因果な気がしてる.地方では周りがサポートする「地縁」があって子育てしやすい.そういったサポートがないから当然子育てに向いてない都市部では子育てをしようとしない.
地方創生
地方創生とは何か:経済活性化と人口現象
今では「地方創生」が台湾でもそのまま使われてる.日本からの輸出.
地方創生と予算
エビデンスが無いのに,2000億の予算出たのが驚き
← 地方創生を重要な政策としていた背景があったのでは
三位一体改革の失敗の反発として
日本の独自性
地方⇄都市の再分配の仕組みが存在する(めちゃめちゃ重要!良いところ)
海外だと,地域と地域が完全に分断されている
日本のようにどこでも標準教育が受けられるってのは珍しい
一方で日本は世界的に見ても特異な都市集中度.
(韓国やシンガポール,砂漠国家と同程度)
政策
政策の種類
①予算や補助金の作成
②法律や条例の作成
必要な人に政策が届かない
個別最適化された情報提供が必要
ex) 水害の際,個人によって本当に安全な場所が違う
→ スマホを使って届かせる(でも老人など本当に必要な人には届かない?)
国会
世代間のバランスが悪い.当選回数が多いほど発言権がある構造によってか,最もオンライン化を進めるべきである国会でのオンライン化が進まない.一方で地方議会ではオンライン化が進んでたりする.
アウトリーチ
政策の意図が国民に伝わらない
井上さん:POTETO Mediaとか使ってやってた
社会の特性
批判するけど褒めない
褒めるには知識が必要.
多くの人は褒められるほどの知識を得るまで我慢できず,批判ばかりする.
→知識にアクセスするシステムが大事
=== 今日のポイント・雑談 ====
そう:はるきとか将来市長だもんね.
はるき:そうっす.でも最初は企業で働いて,力つけて地元に戻って市政に関わりたい感じかな.
そう:そしたら今日の地方の話も響いたでしょ〜.ちもは?
ちも:私は都会出身だからそんなに地域の感覚はないかな〜.
そう:確かに,田舎だからこその当事者性はあるか.僕ら田舎民だからなぁ.笑
はるき:大事なとこは政策のアウトリーチだよね
そう:僕が入ってるNPOでも政策評価に取り組んでるけどむずい.評価方法もだけど,知ってもらうにはどうしたら良いか.議員立法とかちゃんと見てる人もそんないないだろうし.
ちも:私は政策を自分の将来のためにどうやって作っているのか気になった.
ぶり奨学金,政策が成功した数少ない例が聞けてよかった.
さだ:地域に住んでいる人が自分自身で地方活発化に貢献している感覚を得ながら頑張っているというのが重要な点だよね.
るか:三重かどっかでjassoの奨学金を返すような制度があったよね.
そう:知らんかった!昔は国家公務員とか返さなくていいとかあったよね.
るか:私は奨学金自体には割と批判的かも.恩恵を受けている身ではあるけど,結局学生のうちから借金をさせているということ.返せなくて風俗に転換する事例もあるから,「奨学金」=言いものとは一概にはいえない.
はるき:人が1人住むことは観光客が来るより大きい
そう:ぶり奨学金みたいに,個人に負担がかからない方法でやれるのはいいよね.
この奨学金の返済問題はこれまでのリディズバでも安部さんが2回くらい触れてるけど覚えてる?
三人:その時聞いてなかったかな...
そう:リディラバの記事にもあるけど奨学金が返済型に決まった理由がやばい.はるきは今読んでるみたいだから,女性陣二人は理由なんだと思う?
るか:借りていない人に対して不平等だから?平等のためにやってるのに逆に.
ちも:返そうとした方がみんな勉強や仕事を頑張るからじゃない?
そう:どう?はるきはもう読んでわかったでしょ.
はるき:ほんとだ.今記事読んでるけど.家族主義なんだね.家族のありがたみを感じるために奨学金は国からの給付にはしないって決まった背景があるとは知らなかったな.しかもそれが今まで続いてるなんて.
はるき:個人的に一番大事だと思ったとこは,くまモンのとこ.企画の裏にある意図を誰も理解されずに転用されてく.
るか:これってビジネスでもだよね
はるき:こういうのよく聞く.インターンとかしてると上司の思いを部下が汲み取れてないなって感じる時とかあるなぁ.
るか:今日のはじめの方に言ってた一次情報を当たる大切さだよね.
はるき:国際協力の友人も一次情報を知らないとダメよねって行ってた.てかそれを知る過程が楽しい.現場に入って,泥臭くやらないと楽しくないし,本質的な解が出ないと思う.
そう:導入する際に結果だけ見てるのよね.結果だけ見て導入してるところに欠陥があるよね.
ちも:そのまま真似する人って楽しさとかじゃなくてお金しか見てないからなぁ.
はるき:そういえば話変わるけど,タイムリーな話で,昨日内定取り消しがあった.食産業界隈だから結構お金やばいみたい.
るか:はるき今就活か!私来年就活になるかな〜.
はるき:就活ほんとやばいことになってるよ.今インターンで新卒採用の部門にいるけど,22卒は21卒よりやばい.
るか:私は知識が無いと褒めることができないってところが気になった。これがないからTwitterみたいに悲しい世界になる。
そう:僕もこの問題についてよくツイートしてるけど、この前Twitterで面白い漫画を読んだ。ハンバーグの下にパスタがあるけど、あれをかさマシだと愚痴る人と「パスタには油っぽさを低減する効果がある。」と知ってる友人を比較させたやつ.これまじで鋭いなと思って,知識がないと愚痴が多くなる.
るか:コロナの中で、何も考えず批判する人が多すぎる。アベノマスクとかが典型で、その辺の人が背景を知らずに「マスクいらないから、~~しろよ」って言うのは違う.その政策の良し悪しは置いておいて.
さだ:安部さんが言ってて面白いなと思ったけど、マスクの輸送費数百億で感染を防げた場合、国としての出費としては妥当かもしれないという視点もある.予算の額を見ると馴染みがないから桁数が大きく見えるけど,国の予算としては小さい方だったりする.その額で予防に貢献できるなら,拡大後の措置よりは安上がりかもしれない.
はるき:視座の問題だよね.会社でもそういうことって起こってるけど、部下って割と批判的だけど,上司から見えている知識は違う.好奇心がだいじで,それを知ろうとするかどうかってところ.条件反射じゃなくて、んっと考えて発言することが大事.最近はTwitterとかチャットとか条件反射のコミュニケーションが増えてきているけど、一回考えてから発信するというのが肝要。
そう:ほんと時間おくの重要よね
はるき:ツイッターとかチャットですぐ反射的に返すのってちゃんと考えてんのかなって思ったりする.だからラインとかすぐ返さなくても容認派だな〜.
そういえば最近記事(Wantedlyインタビュー記事)を書かせてもらって,すごく伝えるための文章表現を考えさせられた.
そう:いやまじで書くの大事.話してるとまとまってなくてもなんとなくで伝わったりする.書いてみると自分の考えに飛躍があったりすることがよく分かるし,多くの人に伝わるかと客観的に見えるから良い訓練になる.
そう:僕が今日印象に残ったのは、政策のアウトリーチに向けた取り組みが既にあるってとこ.井上さんが言ってたPOTETO Mediaのようなアウトリーチの取組みをもっと知ってかないといけない.僕らがどれだけ知ろうとしてるか,探してるかというのも問題としてある.そして届くべきところに届かない問題.
前りでぃずばでやっていた、貧困世帯に食糧を届けるような取り組みにも繋がっている。それまでの子ども食堂は取り組みであったけど、利用はされなかった。取り組みがいいものであるかと、実際に使われるかは別。アプローチを積極的に切り替えていく必要がある。
リディズバは聞きながら色んな過去のテーマと繋がるからそれもまた自分たちで構造化していきたいね.
そう:僕は地域が好きだったり,システムの構造を考える人なので地域の重要性はわかってるつもり.井上さんと広島の離島であったのやリディラバを読んでるのもそういう共通点からだと思う.アプローチはそれぞれ違って、安部さんはメディア、井上さんは官公庁.じゃあ自分はいつも何ができるのかと考えている。
1つ考えているのは、自分は中国四国地方のハブとしての機能が弱すぎるように思うから,生まれ育ったこの地域で何かできないかなって.コロナの影響で東京への人口集中緩和のためのアクション、地方でのハブを作るような活動が重要になってくる。
はるき:まさにそうが専門として研究してるソーシャルネットワーク的な考え方ですね.
そう:うん,一極集中型のネットワークは結局脆弱.できれば今ある仕組みのなかでやるよりは、リディラバがやったみたいに、構造から考えて、地域で何か自分から始めるっていうのが大事.
はるき:自分が構造を変えないと将来につながらないよね.リモートワークみたいに、一時的なムーブメントじゃなくて、将来的な問題を見据えて制度/体制を変えていかないといけない.組織ってだんだん大きくなっていくものだから、大きくなるにつれて制御が難しくなってくる.小さいうちにやっておかないと
そう:今日も適切な病院の大きさ(50床)がいいよねっていう話があったよね、大きすぎるというのも考えもので,ハブがひとつでそこがなくなったら機能化しなくなってしまう.ちょうど良いスモールネットワークのような構造にしないと.
はるき:そういう意味で、学校が大事.冬になるとPTAが毎年スケートリンクをつくって、終わった後に茶話会している.一定数人が集まる場所って学校しかないんじゃない?学校をうまく使うのが大事.
るか:learning for allの話と繋がる。日本には最低限学校というネットワークのハブがある。
さだ:chance for allの話もそう。地域の中でコミュニティの分断が起きているのは、コミュニケーションする場がないから。お年寄りの方々も孤立していて、イライラに繋がっている。学校が起点となってコミュニケーションをできるようになったらもっとよい地域づくりに繋がるのでは。
そう:みんなはじゃあこれ聴いてどう?どうやってこのネットワークをちょうどよくするために(地方を重視して)行動しようと思う?
るか:難しい。みんな成長したい、就職したい、より情報にアクセスしたいから都会にやってくる。地方に夢が無くなっている気がしていて、若者が求めているものとマッチしていない。それこそ食事・環境・自然とかしか提供されないし、その構造を変えるのって難しい。
そう:余白が大きな分、若者が活躍できるフィールドなのではと思ってる.地域を選べば改革を推し進めていけるし,大概人を求めている.みんな地方の新しい活動,おもしろくてやりがいある現場を知らないだけで,知ればそっちに行く人いそう.大企業だとルーチンワークしかできないけど,地方だと逆じゃないの.
るか:さださん(そう)みたいにみんな考えられればいいなと思う.
そう:はるきは最初に就職してグローバルにって行ってたけど,最初のキャリアでは何したいの
はるき:まずはメルカリみたいに40までに日本をはって世界にでたいっていう目標がある.そのあとに地方に帰ったり,行政に属するなりして、あれだけある課題を解決したい.50代とかになったら都会にも行きやすくなるだろうし.
都会にアクティブに動いている若者が地方でアクションするのはある種のネットワーク作りになると思う.
そう:都会に来て思うのは、頑張ってる若者がそんなに面白くない.情報しか持っていない.人脈自慢ばかりみたいな.自分で考えて感じたことが少なくて,それならその人に直接聞きに行くわって思う.オリジナリティがねえなって思うんだけど、地方行ったらまじでおもしろいことやってる若者たくさんいて,新しい事業が生まれたりとかしてる。無名だけど田舎で頑張っている人たちって結構いる.しょぼくれしかいない本当に。都会がベスト?で?って感じがする.
そう:もう一度質問に戻ると,今日の話聞いて地域の重要性はわかったと思うけど,結局それを知ってキャリアでどうしたい?
ちも:情報量があると考えられているのは都会、学びたいことがあるのも都会。都会で活動すると規模が大きくなってしまう、地方のほうがアクションを起こしやすい.でもじゃあ地方で何がしたいっていうのはまだわからないかな.重要性はわかったけど、自分が何ができるかな.
そう:外交官みたいな目標を持つことと同時に,行って何するかを考える期間だよね今って.
はるき:それそうがちもと同じ学部の時に,博士課程の人に言われたらどうします?
そう:僕だったら,じゃあ先輩一緒になんかしよやってなるかな.そんでお前偉そうに言ってるけど本物なんか?って.そんで口だけやったら切り捨てて次行ったらいいよね.もうガツガツいこう(笑)
あとがき
今日も濃密でした.初めて四人が揃って話しましたね〜.にしても投稿が遅くなってしまいました...今,次のリディズバ聴きながらこれ書いてます(笑)
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リディズバを聞いてて思うのは,情報がこんなに新鮮なメディアはほとんどないぞ!ってことです.これが無料はやばいですね.もうスタッフさんや毎日喋り倒す安部さんに感謝しかないです.
大概のメディアは問題の当事者に取材した話が記者が解釈され編集部に編集された上で届いているのと比べて,政策作ってる官僚や直接当事者と関わり解決に取り組む現場の人から直接話を聞けるってめっちゃすごいです.
僕が毎日振り返りをnoteに載せてるのは,視聴者としてリディズバへのお返事です.無料でしてもらってるので,その分140字には収められない感謝をしっかり書きたいという思いでやってます.
多くの人にこの社会問題カイギの動きが広がれば良いなぁと思います.
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