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「吉原暗黒譚 / 誉田 哲也著」を読んだ話
北海道在住のコンサポ登山社労士のkakbockです。
歴史小説・時代小説について
私は、歴史小説が好きです。
山岡荘八、吉川英治、吉村昭あたりが大好物で、司馬遼太郎や池波正太郎も好きです。
歴史小説というジャンルと、時代小説というジャンルがあります。
私は歴史小説の方が好きです。
明確な定義は見つかりませんが、実在の人物が登場し史実に基づいているものが歴史小説で、架空の人物を創出(実在の人物も出てきます)して史実に基づかないものが時代小説であるというようなのが、一般的な定義だと思います。
私が一番好きな歴史小説は、山岡荘八の「徳川家康」です。
この「徳川家康」は、1950年から1967年まで北海道新聞などで連載された山岡荘八の歴史小説で全26巻(しかも1冊がそこそこ厚い)です。
徳川家康が生まれる前から始まり、家康が死ぬまで描かれますので、織田信長や豊臣秀吉や伊達政宗なんかも思い切り出てきます。
なので、戦国時代の濃い部分がすべて楽しめるという、素晴らしい小説です。
歴史小説が好きな私ですが、段々、年を取るごとに時代小説も好きになってきております。
藤沢周平や佐伯泰英などを最近読んでおります。
その他にも宮部みゆきの時代小説なんかも好きです。
そんな私が、警察小説が得意な誉田哲也氏の時代小説があることに気づき、その作品が、妖シリーズにつながるものとの話だったので、さっそく読みました。
吉原暗黒譚(ネタバレあり)
この作品は、時代小説であり、登場人物は架空の人物ばかりです。
ただ、江戸時代の吉原遊郭の話なので、時代設定はこの時代に沿ったものとなっております。
あらすじとしては、書店サイトの内容から拾うといかのとおり。
吉原で狐面をつけた者たちによる花魁殺しが頻発。吉原大門詰の貧乏同心・今村は元花魁のくノ一・彩音と共に調べに乗り出すが……。
警察小説から捕物帳へ!著者初の時代エンターテインメント
吉原で狐面をつけた者たちによる花魁殺しが頻発。吉原大門詰の貧乏同心・今村は元花魁のくノ一・彩音と共に調べに乗り出すが……。
江戸の吉原で黒い狐面の集団による花魁殺しが頻発。北町奉行所の貧乏同士、今村圭吾は花魁たちを抱える女衒に目をつけ、金で殺しを解決してやるともちかけた。一方、大工の幸助は思いを寄せていた裏長屋の華、おようの異変に気づき過去を調べ始める。「姫川」シリーズの著者初の時代小説。傑作捕物帳登場。
なのですが、要するに、「覆面をした集団による連続殺人事件が発生し、地元の刑事が女性の助手と協力して事件解決を目指す」という話です。
いつもの警察小説の舞台が江戸時代であるというだけなので、私の大好物には変わりません。
なので、当然ながらいつもどおり楽しく読みました。
大工の幸助と「およう」という看板娘の恋物語が思い切り絡んでくるのですが、この「およう」の生い立ちが非常に切ないです。
「およう」の父親の話も切ないです。
ただ、物語の大分早い段階から、これはあのパターンかな?というのが予想できてしまったので、最後の方は「やっぱりね」となってしまいました。
なので、どんでん返し的なビックリ感は感じることができませんでした。
その点はちょっとだけ残念でした。
ただ、誉田哲也氏の小説として楽しく読むことができました。