新潟の運動指導者が、秘めた情熱
新潟県下越地区、萬代橋に流れる信濃川のある新潟で、2014年から健康づくりを営んできた「SACO WORKOUT WELL」トレーナー・迫慶太が語る、健康づくりの原点とこれから。
地方の運動指導者というプライド
「健康って目に見えなくて明確な基準がわからないイメージありますよね。健康は身体、精神、社会的に問題のない状態と言われています。でも、健康づくりしてますか?ってなると炭水化物、油抜いる人が多いです。
健康的なライフスタイルって何?っと言われて、最初は悔しい思いをしたこともありました。だからこそ、新潟にもこんな場所があって、ここでしか提案できない健康づくりがあることを知ってほしい。運動や食事を通じて、新潟という地域の素晴らしさを知ってほしいという思いは、昔からずっとあります」
テロワールは発酵と醸造の新潟食。
健康づくりに必要なのは、運動と栄養と休養。なかでも食事は身体を健康に導くために必要な要素の大半を占めるもので、運動と休養との関連がとても大きい。だから、健康づくりには食事を整える提案をしていくことは、運動指導者として必要不可欠なこと。
その点、新潟は昔から寒さを越える食として「発酵と醸造の町」と呼ばれ、身体にいい食材や調理方法が豊富である。私たちの伝えている健康づくりを育む、ワインでいうテロワールは間違いなく、この新潟の発酵文化である。日本酒や醤油、味噌、麹といった発酵食に重きを置いた新潟の食文化があるんです」
テロワール【terroir】:フランス語の「terre(土地)」から派生した言葉。 例えば、ワインの味わいに関係するぶどうの生育地の土壌、地勢、気候、人的要因などの特徴を説明する場合などに用いられる。
発酵食が実現した、クラシックとモダンの融合。
「食事って食材と工程がダイレクトに味に出る。私たちは創業以来、食事に対する提案として、【まごわやさしい】を中心に話をしていました。新潟の文化である発酵食を含めて、【まごわやさしいは】と提案するようになりました。腸内環境に必要な食物繊維や発酵食は日本に古くから伝わる伝統的な食材多く含まれています。
食感もよく日本人ならではの五感を刺激する旨味を引き出すことにも向いている。栄養学という西洋のモダンな考えと、日本の伝統的な食材や発酵食のクラッシックな食事の両方から提案できるように幅が広がりましたね」
食事を楽しむロマンを継承したい。
「私たちが提案するのは発酵食と糖質を摂る食事。もはや誰もが知っている、高タンパク、低糖質の食事が悪いわけではなく、普段の日本人として過ごす食事としては、腸内環境に影響が出やすいんです。発酵食や玄米ごはんを普段から摂るには手間もかかるし、ダイエットだけ考え合理性を考えると糖質制限した方がいいくらいなんです。
しかし、そこには食事を楽しむ日本人としてのロマンや価値が詰まっているんです。実際、お弁当作りはトレーナーたちのモチベーションも上がりましたし、糖質制限を提案した方が簡単だけど、お客様の20年後30年後を考えるとその提案はしなくなるんです。だから、お弁当作りに挑戦し続ける。新潟から健康づくりを発信する者として、新潟の食事を楽しむ姿勢であるイズムは継承していきたいですね」
変化ではなく、新たな蓄積を。
「健康って目に見えないものなので、健康にいいものって定義が厳密にはないのですが、自分にとって”健康にいいもの”ってなんだろう?と考えると、やっぱり”私たちらしさ”が出ていること。だから、新しい何かをしようというわけではない。
伝統的に昔からある考え方を現代の研究によってエビデンスがあるものを使用して、昔ならではの手法の蓄積や柱となるものはしっかりと守って、その上で納得できる新しいものを蓄積していきたい」
幸せだね。の隣に想いが寄り添っていればいい。
「近年、メディアの力で様々な健康法を知れ、これまでになり健康ブームとなっています。でも私自身、ただの運動や食事でライフスタイルを楽しみたいだけなので、この運動がどうとか、栄養価がどうのとか眉間にしわを寄せて考えるよりは、単純に運動って楽しいな、食事って美味しいなあ、幸せだなって楽しんでもらえれば一番うれしい。
健康って、究極的には、幸せだなと思える時間や空間に行き着くためにあるものなので、その幸せの隣に私たちが寄り添えていれれば、私はそれでいいんです」