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日本語から来る発声の癖~息漏れ~
一つ前の記事で、『私の強み』という書き出しで、言語(日本語)から来る発声の癖について触れました。
そして、最後にもっと厄介な点があるとも…
それは何か。
結論から書きます。
それは『息・漏・れ』です。
突然ですが、時代劇の遠山の金さんをご存知でしょうか?
私はおじいちゃん子だったため、時代劇にはとても親しんだ幼少期を過ごしました(笑)
遠山の金さんの奉行所でのお説教シーン。
しっかりとした太い声で『忘れたとは言わせねぇぜ!』と決め台詞を言われますよね。
あの声は、声楽的にも使えるいい声です。
他にも、舞台でお芝居を観られたことはありませんか?
舞台役者さんたちも、いい声で台詞を発声されているのはイメージがつくかと思います。
時代劇の特に男性の声は、基本的に現代の話し言葉より深い発声ですし、舞台役者さんは、1メートルやそこらの距離感ではなく、もっと離れた客席の人々に一言一句もらさず、ストーリーを届けなくてはいけません。
どちらも共通して言えるのは、いわゆる『腹式呼吸』を使って、声帯に負担をかけない発声の仕方を取り入れています。
私達は、日常生活の中で聞く日本語と、そういった特殊な場面で聞く日本語の違いは感じているはずです。
そして、少し残念なことに、私たちが普段喋っている声自体がもう息漏れ声なのです。
もちろん、喋り声が息漏れしていたとしても、その程度にもよりますが、問題はありません。
しかし、少し騒がしい場所で友達と長く話すことになったり、カラオケに行って数時間歌ったり、またはお仕事でマイクを使わずに、人前に立って話すといった場面になると、みんな気付き始めます。
声が小さいと言われる。
頑張って声を張っていても声が聞こえづらいと言われる。
喉が疲れる。
その後しばらく声が出しづらくなる。
これらの問題には原因がいくつかありますが、一つは、声帯をキチンと閉じることができていないために起きる息漏れです。
息漏れと言っても、じゃあ閉じればいいのね?OK解決!と簡単にいかない場合が多く、そこにさらにいくつかの要因が重なってくることは少なくありません。
声帯の位置、横隔膜の硬さ、喉周りの過緊張、重心の問題などなど。
日本人が話す日本語のよくあるパターンが、浅い呼吸で、横隔膜の動きが硬い。そして大きな声を出さないといけないときに、息を浅くたくさん吸い、喉だけで出す。このやり方しか知らない人が多いです。
そのため、まず声楽に必要な身体の部位を一つ一つを自分の意識下に置き、動かしていく作業をしていきます。もちろん歌いながら。
今まで数十年使うことのなった動きを声楽のためにしていくわけですから、根気のいる作業です。
でも、上っ面の響きばかり追い求めるより、遥かに豊かな音色が自分のものになります!
以上、言語からくる声の癖の息漏れについて書かせていただきました。
ご覧いただき、ありがとうございます。