【アメリカの子育てシリーズ①】「先生ありがとう週間」はギフトでてんてこまい!?
アメリカで子育てをしていると、5月は何かと忙しい。
というのも、5月は8月(9月の州もある)からスタートするアメリカの学校暦の最後の月。卒業生はスクールトリップやプロムで忙しそうだが、卒業生でない児童だってやれ先生へプレゼントを準備だの、ボキャブラリーパレード(自分で選んだ英単語にちなんだコスチュームを着て学校を練り歩く)をするだの、スターウォーズにちなんだ洋服で登校するだの、行事が目白押しなのである。
そして現在進行形の5月初旬は、Teacher Appreciation Weekといって、
先生ありがとう!の気持ちを伝えるため期間。子どもたちがカードを書いたり、親が先生にギフトを送ったりする。娘の学校に至ってはPTAが先生のための大掛かりなパーティーやコナコーヒーのキッチンカーを準備し、全身全霊で「教職員の皆様、子どもたちのために力を注いでくれて本当にありがとう!!」を伝えていく、そんな週間となっている。
日本では、年度末にPTAの皆さんが代表して先生にギフトをお渡しするのが通例だが、こちらのギフトは基本的に個人で準備する。だからだろう、先生の好みの色、キャンドルの香り、好きなドリンク、よく行くレストラン…そういう詳細が書かれたPDFがメールで送られてくるのだ。さすがアメリカ、ギフトにも自己主張が激しい(苦笑)と当初は面食らったのだが、「ヴィンテージのフランス人形」とか、「バッファローのビーフジャーキー」とか、見当違いなギフトを避けるためには効率的な手段ではある。必ず本人が喜ぶものを渡せるのだから、こちらも気が楽というものだ。ギフトの上限は一人$100、今の日本円にして約1万3000円。噂によると、我が娘の学校にはプライベートジェットを持ってるレベルの金持ちもいるそうなので、ちゃんと上限を持たせないとキリがなくなるのだろう。
…そこで、だ。時給$20であくせく働く庶民の私である。
「1人の教師あたり$100までって!!相場はいくらよ!!!」とオロオロ。「値段なんて関係なくて気持ちだ!」と思う一方、英語が苦手な娘にいつも目を配り、泣いた時には心を落ち着けるための深呼吸まで教えてくださった、優しく温かい2人の先生に心からありがとうを伝えたい……と頭が徐々にヒートアップ。先生の好きなものはなんだ!とPDFを読み込み、「コーヒーとチョコレートですか!ラジャ!!」と夜な夜なインターネットサーフィンをし続けて3日が過ぎた。そして疲れすぎてよくわからなくなり、寝ぼけ眼でいつものスタバに行った時に「結局スタバのギフトカードが一番良くないか?先生もよく飲んでいるし」という天使のアイデアが降りてきたのである。
しかも、レジ横のカードラックを見てみると、なんとTeacher Appreciation用のカードが!
それがこちら
というわけで、一人$50ずつチャージして、ルンルンで帰宅。スタバよ、ありがとう。これぞ灯台下暗しである。あとは、庭で育てているお花を使ったブーケと、お花の種が埋め込まれているカードに家族でメッセージを書いて送ることにした。オリジナリティはないが、実用的なギフトでいいんじゃないかと満足している。
ちなみに昨日は、わからないことがあれば現地ママに聞けばよろし!とPTAのボランティアにも参加してきた。先生ありがとうパーティーでテーブルに置くカードやギフトをラッピングするボランティアだ。ブロンドの髪をゆるく巻き、クリスチャンディオールの靴とティファニーのブレスレットを普段使いしているママたちが笑顔で「ようこそ」と出迎えるPTAの教室に入った瞬間「あ、場所間違えた!帰りたい!」と思ったが、ここは勇気を持って情報収取のチャンスと腹を決め、突撃。カードを折る速さに「あんた機械みたいね!すごいわー!」とみんなに褒め称えられ、意外に楽しい時間になった。そして肝心のギフトの件も、「先生のプレゼント、何にしようかなー私も決めてないー!ギフトカードで良くないー?」という圧倒的に軽いアドバイスもいただけた。結論としては、私のスタバのカードも結構いい線をいっていたということである。
さて今回、お下品じゃないかしら?と思いながらもこうやって実際の値段も加えてnoteを書いた。それはなぜかというと、アメリカで頑張るママ仲間の役に立てばいいな…という淡い期待を持っているからである。私自身、こうした学校行事など、現地の人が当たり前にしていることに悩むことが日常茶飯事である。値段やギフトの送り方は土地柄もあると思うが、Teacher Appreciation Weekなんて日本にないし、夫に聞いても「別にそんなに気にしなくていいんじゃないー!」と呑気だし…と孤軍奮闘しているママに「あ!仲間いるじゃん!」と思ってもらえたら嬉しい。
また、日本語話者であり、アメリカの子育てに関心がある人にも、アメリカってこんなことやってるんだーと面白く読んでもらえたら光栄だ。もしもアメリカの学校、こんなことある?など知りたいことがあったらぜひ教えてください