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あかりへ

小さいあなた。いつかスマホやSNSを使いこなすほど大きくなった時に、本当のあなたを知らない人からの、妬みや、僻みや、あらゆる悪意あるメッセージで傷ついて、あなたの素晴らしさを見失ってしまわないように、このnoteを書いています。(そのころまでこれが残っていたらいいんだけれど)

ママが10代の頃はまだ、携帯電話も2つ折りで、メールで友達とやりとりするのが主流でした。だから、あなたが生きている世界の実情をわかっていないと思われるかもしれない。でもね。いつの時代も人間関係の拗れはあって、ママも友達と喧嘩したり、仲直りしたり、あの人は合わないなと思ったり、思われたり、そういうことを繰り返して大人になりました。

あなたの柔らかな心がとても脆くて傷つきやすいこと、よくわかります。ママも友達が自殺し、罪悪感とショックから立ち直れなくて、高校はまともに行けなくて、カウンセリングを受けたり、精神病院に入院したり、それはそれはひどい10代と20代を過ごしました。若いってそれだけで理不尽なこと、辛いことがたくさんあるってこと、知っていますよ。

でも同時に、あなたには、辛いことがあったら絶対に一人で抱えこまないで欲しいの。辛い時には気づかないことが多いけれど、あなたがこの世に産声をあげたということは、その誕生前からあなたを愛して、ケアしている人がいるということだから。もしも「私の本当の気持ちなんて誰もわからない」と思うことがあったら、少なくとも、ママは理解したいと、あなたが生まれた時から思っていると、ここに書いておきます。100%は理解できないかもしれないけれど、でもあなたが生まれた瞬間から全力であなたに愛を注いでいます。

ママは本当に幸運な人間で、10代、20代の自暴自棄の日々のなかでも、優しさと愛を与え続けてくれる人がいて、気がついたらその愛のなかで、高かった心の壁が溶かされていました。そうして病気も落ち着いていきました。人を信じられるようになり、パパに出会い、あなたがやってきてくれました。

苦しかったその真っ只中では想像もできなかった幸せな未来に、今、生きていると感じます。それは24時間、365日の経験を何年も何年も繰り返して、ひ弱だった心がだんだんと強くなっていって、ちょっとのことではくじけなくなってきたこともあるかもしれない。だから、辛いときにはとにかく「時が経てば状況が変わる」と信じて休んでほしい。人生長いんだから、たくさん寝て、好きなことだけする時があってもいいよ。誰とも会わなくていいし、運動もしなくていい。とにかく、時間が心を癒すのを待つ。そういうことが必要な時もあります。

あとは、本当にあなたを大切に思ってくれる人と時間を過ごすことに重きを置いてほしい。あなたはきっと、10代からSNSと付き合うようになると思うんだけれど、どんなにlikeやハートやフォロアーを得たとしても、手を握りあえる1人の人間の方が格段に大切だからね。誰もあなたの手を握ってくれない?(そんなことめったにないと思うけれど)だったら、あなたがあなたの手をまず握って。不特定多数の声に惑わされず、自分の声を聞いて。大人になるってことは、自分で自分を守って健やかに保つ術をいくつか知ってるってことだから。その訓練だと思って、自分を抱きしめてください。

そして、もしも画面を見ていて辛くなる状況があったら、画面の電源を切って、散歩に出てください。ママは今、コロナウィルスのニュースで頭がパンクしそうになるとスマホを置いて、ちいさなあなたの手を握って散歩に出かけています。今日、道を歩いていたら、あなたは「雲がきれいよ」とママに教えてくれました。最近、画面ばかりを見て世界の美しさに気づくことを忘れていたなとハッとしました。

あなたが大きくなって忘れていることがあったらいけないので、書いておきますが、あなたは今、世界の美しさを見つけるのが本当に上手です。空や、虫や、木々や、花や、散歩中の犬たちや、すべての小さなことに驚き、感動して、楽しそうに笑っています。それに、豊かな想像力でお話を聞かせてくれます。今日は「つみき」が喋って踊っていました。こんな素敵な想像力があれば、明るい未来を描くこともできるし、人の気持ちをイメージして思いやることも、おちゃのこさいさいだなと思います。あなたが大きくなって、たくさんの経験のなかで、世界の暗い部分しか見えなくなり、明日を迎えることすら辛く感じているとしても、大丈夫です。あなたはもともと、世界の美しい側面を感じる力と想像力を備えて生まれてきたのだから。

若かろうが歳をとろうが、自分の力ではどうしようもできないこと、運命の大きな川に流されるような出来事がたくさんあるし、未来が明るいなんて思えないこともあるでしょう。でもママは、この世界は生きるに値する場所だと、あなたが生まれてきて確信しました。この世のあらゆる負の面を忘れるほど、あなたが生まれてきた瞬間の世界はとても美しかった。だからママは、あなたの名前を「あかり」にしました。他の誰がなんと言おうと、私たちにとってあなたは、生きているだけで、世界の美しさを知らせてくれる「あかり」です。

だから、あなたの本当の美しさと能力を知らない誰かに、あなたの価値を決められそうになったら、そんな声を聞かないで、どうか思い出してください。あなたの素晴らしい価値は、生まれた瞬間からそこにあって、誰にも奪えないものなのだということを。ママは、あなたが生まれた瞬間にママに教えてくれたように、あなたもこれからの人生の中で「この世界は生きるに値する」と感じる瞬間をたくさん味わって欲しいと、心から願っています。

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