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4月1日

虚構新聞さんってサイトが有って、名前の如く虚構記事を出しているのですが、こんな事起こりそうもないというのを記事にしている。

この虚構さんがこの頃、記事が現実になって困っているそうだ、虚構さんの記事を見てそれをしてしまう企業が出たり、現実が記事に追いついたりして大変なのだそうだ。

私は上手い嘘をつくのは苦手で、下手な嘘をつくので、見破られてしまう、それでも何も問題は無いが、4月1日位は人を驚かしたい気持ちはある。

子供の頃、実家から5分くらいの所に母親の実家が有って、そこに母の姉一家と祖父と祖母が住んでた。

そこに4つ上の従兄と同じ年の従姉妹が居て、母親が実家で仕事をしていたので、いとこたちとは兄弟の様に扱って貰った。

4つ上の従兄をお兄ちゃんと言っていたのですが、このお兄ちゃんが4月1日にはハッスルする。

その頃、お兄ちゃんと祖父の折り合いが悪く、お兄ちゃんは寝るのと勉強するのは母屋の外に有るプレハブハウスでしていた。

なので、朝起きてプレハブから出て、ご飯食べに母屋に行くと、母屋でうそを言うのが常。

ある年の事、お兄ちゃんが「大変や、たろが死んどる。」と言って母屋に入ってきたそうだ。

たろと云うのはその頃いとこの家で飼っていた犬で、元気ないんじゃ無いかと祖母は密かに心配していたらしい。

聞いた途端、祖母は慌てて家から飛び出した、そりゃあ履物も履いたかどうか記憶にない位だったらしいから、とんでもない驚き方をしたんだろう。

「嘘だよー、エイプリルフール。」そんな風にお兄ちゃんが言って、祖母に度が付くくらい叱られた。

「年いっとんのやから、悪い心臓が止まってしまうやないの。」自称心臓が悪い祖母はそう言ったらしい。

その祖母は癌で亡くなる前に、「心臓が強いんですね。」とお医者さんに言われたらしいので、自分で意識せず嘘をついていたと言える。

祖母に嘘つくにしても、生きるとか死ぬとかを言ったらあかん、他の事にしなさい、お兄ちゃんはそんな風に叱られて、次の年はしようと考えていたらしいですよ。

私は毎年考えて、毎年嘘で驚いて、驚かせる方には行かなかったな、自分嘘下手ですから。

ソウソウ、虚構新聞さんは余りにも誤報(虚構だと思っていたのに現実になった話)が多すぎて、訂正記事を書くのが辛くなっているらしい。

辛くなったので、これからは普通の記事を書いて、実話新聞と名前を変えてしまうのを選択しようとしているらしいですよ。

4月1日の記事です、現場からは以上です。


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内山祥子
文を書くのを芸にしたいと思っています。 頑張って文筆家になります。 もし良かったらサポートお願いします。 サポートしていただいたら本を買うのに使います。 ありがとうございます。