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車エビはそのまま出汁に付けるのが美味しい。

お正月近くになると人は忙しくなる、長期の休みがあるだけで、それも元旦から開いている店は有る。(昔勤めていた店は元旦からだった)

別に食べ物を貯めこまなくてもいいのに、買い物に行ったり、掃除をしたりするんだよね。

そう言っている自分も昨日は娘二人分の布団を干して、シーツを洗い、天井のすす払いをした。

毎年、年末に急に寒くなって、何故今迄放っておいた?何故今なんよ、後悔の嵐が噴き荒れる。

工藤静香ではないが、嵐を起こして、すーべてをこーわすの~、なんて言ってしまいたくなる。

今年こそはその思いを払拭しようと、自分の布団干しをして、シーツも洗った。

後は買い出しだ、買い出しとは言っても、お節の用意にはまだ早い、でも今買って置かないと、年末は高くなる。

娘と相談して、車エビだけは今買って置いて、味付けして冷凍しておこうとなった、毎日の食材も必要だから、歩いて20分の激安スーパーに行く。


生きていた車エビ

この量でこの値段はお得だよね、そう考えて籠にポイ、生きているから、揺れるたんびにガサゴソ、ガサゴソと動く。

生き車エビを見たことが無い三女はちょっと逃げがち、彼女が東京に行ってから、家で生きた車エビを炊く様になったんだよね。

「最初に車エビを買った時は、おがくずの中に入ってて、出して煮るのが大変だったんだよね、飛び跳ねて逃げたのをツナ君が怖がってさ。」しみじみ三女に言ってみる。

「それは知らんけど、動いておると怖いよね。」ちゃんと距離を置いているが、パックされているから、大丈夫だけどね。

「これを出汁で煮込むの?」こわごわ見ている。

「そうなんよ、生きとるのを熱い出汁に入れるんよ。」言っていて、熱い出汁に生き物を入れるのは、酷いのかも知れないと考えてみる。

アニマルウェルフェアが進んでいる国では、ロブスターを茹でるのも生きたままは可哀そうって論議になる、だったら車エビも可愛そうなのかも知れない。

確かに可哀そうなんだけど、人間は他の命を貰って生きている、方法は違えど命を貰うのには違いない。

苦しまない様にしてあげたいと言うのは解るけど、じゃあ食べるのをやめるべきかって論議になるよね。

今では草や木にも感情が有るのが解かってきた、じゃあ米も野菜も食べないのか?

人間は動物だから、生きて行くのに他の命が居る、贅沢に色々食べなくても生きてはいける。

確かに車エビを生きたまま味付けるのは、美味しく食べたいと言う自分の欲望に過ぎない。

考えつつも、車エビを明日には茹でようと思っている自分だった。



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