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ベルトその後

見栄えはちょっと気にする方だ。

当然、ウエストは作りたい。

「人は思ったほど自分のことは見てないんだよ。」娘のその言葉に押されるように矯正ベルトを仕事場に付けていった。

矯正ベルト・・・?前に言ったと思うがスタイルアップ養成ビブスの事である。

前に買って貰ったそのベルトを着けて行った。

このベルト言って居たとうりがっちがっちである。

心は神経過敏、体はガチガチ、ウエストが絞られるのってこんなに努力がいるもんだったんだ。

実はこの任務お金が掛っている。

何かと言うと、今までの服では入らないからで、ガッチガチの上に付ける服はファサファサでないと、入ってゆかない。

努力はした、服を全部着まわして試したのであるが、結果は『入らねー。』

そんな訳で仕事に行って居るのだから、多分お金が入ってくる。

その一心で服を買い揃えた。ファサファサのおばあちゃんのような服である。

自分以外は多分気にしていないと思うのだが自分は気になる。

気分はスパイ、シークレットプロジェクトである。(英語はよく解らんので、それが正しいかは解らないが)

この職場女性は六人しかいない。

其の六人に解らないようにどっきどっきである。

『気取られてはならぬ、気取られてはならぬ』と心の中で言い聞かせながら、仕事をしてゆく。

男性諸君は気にしないんじゃないかと思うが、ギブスを気にする私は星飛雄馬より汗をかいていたんじゃないか?

令和の女星飛雄馬である。

気にしすぎた私はロボットの様に動きが変だと思うが、カクカク動いても大丈夫、其処はデスクワークのお仕事、座り仕事が多い場所、カクカクも大幅に抑えられ、ゆったりと仕事をしていた。

問題はトイレである。

勿論トイレはいくのだが、あまり時間をかけるのもどうかと思うので、言ってすぐパンツを脱ぎギブスを外しショーツを下げ、事に入る。

慣れてくるとスピードアップするのだが、これがなかなか時間が掛る。

星飛雄馬もギブスを付けたままトイレに行くのは中々の難題だったんじゃないか、と星飛雄馬に同情の念を持ってしまったくらいである。

今の所気付かれた風は無いのだが、気付かれないようこっそり仕事をする。

もう仕事が頭に入らないくらいである。(本末転倒なんじゃないかなあ)

そんな訳で自分は体の動きはカックカック服はファサファサで仕事に行っている毎日だ。

此のシークレットな任務はいつおわるのか?

もしかしたら一生付けたまま?

付けたまま紙おむつの時代が来たとしたら、きっと介護の人は大変だろう。

そんな風に思う今日この頃である。

多分。





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