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祈りを浴びた日
昨日行った三重県立博物館に今日も行ってみた、昨日は次女と今日は三女とだ。
昨日と同じ道を今度は三女と歩く、昨日次女と来た時には、次女が仕入れたデイリーポータルZの記事の話をしながら歩いた。
話しながら気になっていたのは、結構なご老人が、道や地域の会館らしき場所の草取りをしている。
「大変やなー。」と話しながら見ていたのを覚えているが、今日は流石に誰も草取りはしていない。
昔結婚している頃の話である、税金を納めた証明をみんなで出して、それで自治体から自治会に補助が出ると聞いて、証明を集める様に指示が出た。
補助を何に使うのかというと、道沿いの小さな花壇の整備に使うと云う事らしかった。
何年かすると、誰もが年を取り、花壇の整備はお金を出して何処かに頼もうという話が出た。
ちょっと待て、この道の花壇って市が管理すればいいんじゃないんですかと聞くと、ここは自治体の管理で市は補助を出すだけ、したくないならその補助で人を雇えば良いという話。
最初っから市がやってくれれば、それで済むんじゃないと云ったら、市がそれは譲れない地域住民の仕事を市に放り出さないでくれって言われて変なの~、と考えたのを思い出す。
今日は誰も居ないので、草取りは終わったのだろう、私たちは博物館に急ぐ。
円空展は何度も見る価値がある、今日は三女も時間が有るので、常設展も見ていこうと言っていて、ちょっと高かったらいっそのこと年パスを買っても良いななんて考えていたら、今日は関西文化の日で常設展はタダだった。
「タダだって~、良かったね~」なんて言いながら、円空展の金額だけ払う。
「後で常設も見ようね」と言いながら入ってゆく、デイリーポータルで紹介されたから、人が並んでいるかもという想像は裏切られ、今日もゆったり展示が見れる。
古い純粋な祈りがそこに在る、災いが何処から来るかもわからない時代、何もない所で祈るより、見える物で祈る方が良いと考えて作ったのかもしれない。
でもそれ以上に自分の祈りと楽しみだったのだろう、だって楽しくなければあれほどの絵を残せるわけがない。
そしてそれを大事に残して祈ってきた温かい感情が、この中の空気に紛れ込んで、私達にも祈りが下りてくるようだ。
「円空って知らんだけど、良かったな。」三女が見ていて感激したらしい。
私は良い母親なので、ほら見に来てよかったでしょなんて言わない、でもよかったよね。
それが終わると常設展を見る、凄い展示だったので、まだ数回は見に行きたいと思う。
何年か前に、前知事が博物館を作るのを止めると言って問題になったけど、あの収納物を見せることも無く、朽ち果てさせようとしたなんてとんでもないなと感じて、そういうところも選挙で見るべきったのかと猛省した。
今日は祈りを浴びて良い気分で眠れそうだ。
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