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過ぎたるは及ばざるがごとし

私の年代になると、女でもお酒を飲むのに抵抗感が無くなって、誰でも手軽にお酒を飲んでいる。

親世代ではお酒やたばこは男が嗜むもの、女が口にするなんてという時代が有った。

祖母は隠れて煙草を吸っていたそうで、気付いて叔母が隠さないで吸う様に言っても、絶対に否定したらしい。

「私は煙草なんて吸ってへん。」

祖母が言うと、叔母さんも負けじと言い返す。

「私がここに入ってきた時に煙草の匂いしとったやん、あの匂いで電子レンジ見たら日の付いたタバコ入ってたら、お祖母ちゃんだけでしょ。」

それでも祖母は違うと言い切ったらしい。

「煙草は灰皿に処理して欲しいと言いたかっただけなのに。」と苦り切っていた様だ。

あの時代の人には、女が煙草を吸うなんて、という気持ちが強く働いていたのだろう。

知り合いの社長の奥様が昔話で、姑が大変な人だったという話をした時にも、大変だけど、自己責任じゃ無いのかなと思っていた。

その奥様によると、姑が夜中にお酒を飲んで帰ってきて騒いで大変だったという話になる。

話しを聞いていると、物凄い法を逸脱した行為に聞こえるが、問題は大声で、飲酒は悪い訳では無い。

うんうん、私も頷きながら話を聞くが、騒がなければ、お酒飲むだけなら、本人の自由かもと思ってた。

まあ、騒ぎを起こすから大変なのですけどね。

私の時代は男女雇用機会均等法だ叫ばれだした時代で、雇用も均等になるとそれまで、女性が嗜む事に眉を顰める人が多かった酒もたばこも均等になった。

これは女性がそう思っているだけで、男性は違ったのかも知れないし、女性の中にはまだ眉を顰める人は居るだろう。

私自身は元夫と別居して、会社を売った後に居酒屋で調理の仕事をしていたので、女性が飲もうが気にしない。

自分も娘たちもお酒を飲んでいたし、それが悪い事とも思わない。

煙草は私の気管支が弱かったので、近くで飲まない様にして欲しかったが、飲むのを止めたらいいのにとは思わなかった。

嗜好品は自由の範疇だ、他人に迷惑さえ掛けなければ、スキにしたらいいのじゃ無いのかな。

そう考えていたから、次女がワイン酒場で働いていて、休みになると色々な所にお酒を飲みに行ったりしても、問題は無い。

自己責任だと考えている。

次女はワインや日本酒も飲むし好きだ、個別で言わなくても、アルコール全般が好きだったと言っていい。

イタリアンビストロが有れば、イタリアワイン、居酒屋では日本酒、フレンチレストランではフランスワインになる。

全て良くて、全てスキなのだが、殊に好きだったのはビールだった。

私は彼女がよく飲むようになってから知ったが、ビールが一番好きで、殊に地ビールの類は大好物だ。

今は全然飲まない彼女も止める少し前には、ビールは飲んでいた、手軽だし美味しいし、なんにでも会うしね。(何でも合うは何にも合わないと同義語の気がしているが)

オクトーバーフェストがあると行きたがって、近所にビールの専門店が出来た時もよく行っていた。

「ビールはさ、美味しいんよ、つまみ無くても飲めるもん。」と豪語していたが、私は摘み無しでは飲めないので、、余程好きなのだと感じて、飲んでいる姿を見ていた。

今は身体の為にお酒全般を止めてしまった次女だが、散々飲んで飽きたのかも知れないと密かに頭には浮かんでいる。

ビールの原料で健康効果があると解って、注目を浴びているものが有る。

ホップだ。

ホップ(Humulus lupulus、アサ科)が持つ有益な性質の大半は、雌株の毬花(まりばな)に豊富に含まれる抗酸化物質に由来される。

毬花は、ビールの製造に使われる部位で、抗酸化物質は炎症を抑えたり、細胞を損傷から保護したりする働きを持っている。

他にも、ホップに含まれる有望な抗酸化物質である苦味酸(くみさん、苦み成分)とポリフェノールはまた、ビールの風味や香りのもとにもなっているらしい。

そしてとくに大注目なのは、「キサントフモール」と呼ばれるポリフェノールで、これはホップだけに含まれる強力な抗酸化物質になる。

適度にビールを嗜むのは健康に良いと考えてもいい、そしてノンアルコールビールは健康飲料とみなされるべきだと考えている研究者の居る様だ。

実際に実験室では「キサントフモール」は、がん細胞にも影響を与えることがわかっている。

じゃあ、ビールを浴びる程飲めば身体に良いのか??と言うとそうでは無い。

ビールの中に癌に効く健康成分が有ったとしても、それは物凄く微量で、あくまで実験室で認められただけだ。

飲酒の害を考えると、定期的に少量飲むことが推奨されるのだそうだ。

砂糖や脂肪と同じく、ビールに関しても、毒になるかどうかは量次第なのですと研究者が発信する様に、何物も取り過ぎはいけないし、絶対にダメだと云うものは食品には少ない。

アルコールの害が怖いからと言って、止めて甘い食べ物を食べ過ぎては元も子もない。

何時も身体を考えて食べる必要は無いが、食べ過ぎない、飲み過ぎない、何事もほどほどにと自分に言い聞かせている。



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内山祥子
文を書くのを芸にしたいと思っています。 頑張って文筆家になります。 もし良かったらサポートお願いします。 サポートしていただいたら本を買うのに使います。 ありがとうございます。