今日もツナ君と会話している
我が家には雄三毛の猫のツナ君が居る。
この表現は正しくない、我が家はツナ君と暮らす為に夫と別居して、その後離婚した。
最も別居も離婚も前々から考えていたのだから、ツナ君が原因と言う訳では無い。
それでも彼がきっかけになったのは厳然とした事実になる。
何十年も住んだ家を離れて、引っ越しをして新生活を始めるのは勇気と気合が居る。
ツナ君と一緒に住むという気持ちが後押ししてくれなかったら、今でも夫と一緒に住んでいたかもしれない。
それ位彼は大きな存在なのだ。
娘たちもツナ君と暮らす為に、夫の居る家を出て、賃貸のマンションに引っ越した。
全て長女がツナ君を見つけてお迎えしたいが為である、その意味ではツナ君は私たちの人生を変えたと言っても過言ではない。
ここに住むようになってから、三女が東京から帰って来る気になった。
その時に連れてきたのがランちゃんで、我が家は猫2匹と人間四人の大所帯になった。
ツナ君は6か月ごろにお迎えしていて、ずっと暮らしていたから、穏やかな性格で、噛みついたりもしない。
それがランちゃんは興奮すると嚙みついたりする。
怖い、猫って噛みつくんだ、(よく考えれば当たり前)それまで認識してなかったから、三女に聞いてみる。
「ランちゃんって噛みつくやん、噛みつかんとおれやんの。」猫の噛みつかない方法が有ったら教えて欲しい。
「ランちゃんさ、噛みつくけど、本気では噛まんから、それは甘噛み、だから大丈夫。」との答え。
大丈夫や無いやん、噛みつかん方法を聞いてるんよ、無いからこの答なんだろうな。
ランちゃんとツナ君は仲が良いとは言い難いが、喧嘩もせず一緒に居ることも多かった。
ツナ君は喧嘩を仕掛けないし、ランちゃんはツナ君が怖いらしい、ツナ君が近づくとシャーと威嚇している。
それでも、まあまあ仲良しで、上手くやっていたので、これはこれでいいかと考えていた、二匹だけねと心のなかで呟いて。
猫2匹と人間四人の大所帯に変化が訪れる、ツナ君と暮らしたがっていた長女が、1人暮らしをすると言うのだ。
何でやねん、ツナ君と一緒に居りたいんとちゃうんか、こちらは引き止めたけど出て行った。
その際にツナ君は置いて行けと言った、彼女がご飯を忘れたり(猫たちの)ツナ君と触れ合う時間が殆ど無くなっていたからだ。
「ツナ君と一緒でなくて良いの??」と聞いて引き止めようと考えたが、出て行くと言って出て行った。
去る者は追わずが、私のモットーなので、次女と三女と私と猫2匹の生活が始まった。
この時にツナ君は問題が無い様に見えた、眼はちょっと問題あるけど、いつもの時間を過ごして居る様に見えてたからだ。
うちには2匹の猫で充分だ、2匹になって考えたのは、思った以上に手が掛かる、そりゃあ多頭飼い飼育崩壊って、なるほどな~と思う。
しかしながら、2匹で充分だと思っていたのは、私だけだったらしく、三女が子猫をお迎えした。
彼女はもう一度子猫を育てたいと、事あるごとに言っていて、ランちゃんも2ヶ月から育てて、大変だった様なのに、子猫を育てたいと熱望。
自分も子育ての大変さを忘れて(忘れていただけでは無いけど)4人も子供を産んだのだから、小さい者を育てた時の大変さの記憶は何処かに飛んで行ってしまうのかも知れない。
彼氏の誕生日プレゼントという名目でお迎えしたその子は、アグリと名付けた。
子猫と付き合ったことが無い私には、楽しいけど大変な子猫だった。
その頃、ツナ君はヘルペスで1日3回目薬と飲み薬が必要だった、人間がツナ君にそれをしようとすると、邪魔をしてくる。
どうも、アグリは可愛がって貰っていて狡い、僕もするって感じだったのかもしれない。
ツナ君が嫌がって残した薬は直ぐに片付けないと食べてしまう、病気じゃない子が飲んで良いものか解らないから、お医者さんに電話したりしてね。
ツナ君は名古屋の猫と犬の眼の専門医に掛かっているけど、そのお医者さんに3匹居ると現状を伝えると、困った顔でこう言われた。
「何とか別の場所に出来ませんか?」どうもヘルペスって多頭飼いの家の猫が掛る例が多いらしい。
「この病気はストレスが原因なんですよ。」と専門医は話しているらしい。
それも有って丁度、三女が引っ越すタイミングで、ランちゃんとアグリも引っ越す事に成った。
今は一匹と2人の生活に為っている。
ツナ君は一人だけに成ってから、良く目が開くようになって、病気は良くなってきたと感じる。
だがしかし、急に家の中の動物が減った所為か、残った人間には甘えることこの上ない。
朝もニャーニャー舐めてきて、夜も先に布団に居て、遅いぞとばかりにニャーと言う。
君は旦那か、突っ込みを入れたくなるくらいな状態が続いている。
結婚していた時にはこんな生活になるとは想像してなかった、猫ってもっとクールな生き物だと思ってたんだからね。
ねえツナ君と言ってみると、今日もツナ君はニャーと答える。