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環境保全は難しいかな?

「アッ、エコバック忘れた。」偶にしか行かないコンビニのレジで、思わず口走ってしまった。

「そうですか、じゃあ袋に入れて置きますね。」いつもの丁寧な対応のお兄さんがレジ袋に入れてくれた。

家に山ほどエコバックが有るのに、本当に必要な時には忘れてくる。

コンビニが近いんだから、手で持って帰っても良い位でもやっぱり聞かれると、袋は買ってしまう。

昔、最初にスーパーのレジに居た頃は、レジ袋の文句で大変だった。

今でこそ、プラのスプーンも有料に為っているが、その店はその頃、小さい総菜袋のみ無料だった。

1種類だけ無料だったらどうなると思います?????

普通に考えて、その総菜袋頂戴ってなるよね、私も総菜袋欲しがる人にはあげたかったんだけど、本部で研修を受けた時にこう言われた。

「総菜袋は小さい総菜のみにしてください、何でもそれに入れて貰ったらイケナイですから。

この言葉も解らなかった、総菜を買った人も小さいお菓子を買った人も、袋に入ったら一緒だよね、たぶん本部的には無料のばっかり使われると問題だと思っていたんだろうね。

本部の言い分も解かるんだけど、これって現場は混乱するんだよね。

問題は現場で起こっているんだよ。

案の定と云うか、当然と云うか、お客さんはあの小さい袋をくれって言うんだよね。

私は本部の規則を守るつもりで、総菜しか駄目なんですよと答えた。

後で聞くと、お客さんの文句が多すぎて、レジの人は殆ど何を買っても袋を渡していたそうだ。

何時もの様にレジを打って居ると、定期的に訪れる気の強い女性が私に言ってきた。

「その小さいただの奴頂戴。」ちょっと考えたけど、持っているのはお弁当、総菜袋には入らないし、総菜にしか出せない。

「申し訳ありません、この袋は総菜にしか出せないんですよ。」丁寧に言ったつもりだった。

そしたら、とんでもない形相に為ってこう言った。

「お弁当と総菜の違いって、ご飯が入っとるかどうかや無いの、何であかんの。」いや、それは私も知らんがな。

「なんなんこの店員、ええわ、袋ぐらい買ったるわ。」そう言って小銭を投げてきた。

私もね意地悪で言ってるわけでは無いのよ、本部の意向なんよ、とか考えながら、もう一度申し訳ございませんと云った。

この事件が有ってから同僚に聞くと、面倒になりそうなお客さんには全部袋を出していたと聞いて、そりゃなんなんこの店員になると合点が言った。

こんな文句があるのに、時給は上がらない、何で上がらないのかと聞くと、店長の裁量で私はまだまだなのだそうだ。

こりゃあ嫌だなと考えて、どの袋も有料の店に派遣で行く事にした、レジ業務って精神的につらい部分も有るのに、時給は安いからね。

レジの話しは置いて於いて、レジ袋は我が市では(今ではほとんどの自治体がそうだと思うが)可燃ごみに為っていて、だから燃やしてしまうのでプラスチックごみは燃焼材料だ。

ゴミの分別が行き過ぎると、家庭の濡れたゴミばかりに為って、燃えないと聞いている。

ダイオキシンが出ない位の焼却場なら、濡れたゴミもレジ袋と一緒に漏らしてしまった方が良い。

エコかエコで無いかと言われると難しいが、燃やす方が理にかなっていて経済的ならそれで良いのだろう。

国連の報告書によると、プラスチック製レジ袋の全面禁止または一部禁止を法制化した国と地域は91カ所に上るらしい。

レジ袋禁止の国は主にアフリカ諸国になる、発展途上国ではプラスチックごみの廃棄が問題になり易い、キチンと処理されずに廃棄される場合が多いからだ。

禁止せずに有料化で使用を減らす国も多い、日本もそうだがヨーロッパもその中に入る。

EUでは2024年3月に新法が合意され、いずれ加盟国は適用される。

対象は厚さ15μm未満の非常に薄いプラスチック袋、シャンプーや化粧品の小型容器、ケチャップやソースの小袋、旅行用圧縮袋などになる。

勿論、わずかだが堆肥化できないプラスチックを全面禁止にしている国もある。

オーストラリアでは、何らかのタイプのプラスチック袋がすべての州で禁止されている。

インドや中国でも使い捨ての薄型プラスチックは禁止される方向で動いているらしい。

アメリカでは全米規模のプラスチック袋の禁止や有料化はまだ導入されていない。

州によって法律が違って、全米での施行は難しいみたいだ。

何処の国でもロビー活動が盛んで、企業の利益と環境保護をどちらも生かすのは難しいのかも知れない。

日本では燃やすから良いじゃないかと考えがちだが、キチンとゴミとして出ているか?海に流れていないか?などと考えると、関係ないとは言い難い。

現在の日本は環境保全よりも、企業利益の方が優先されがちになっていて、その上、殆どの人間が自分の利益だけに走っている。

なんとか、環境保全が国民の利益に繋がるように考えて貰えないんだろうか。

この所、無駄な伐採のニュースを聞いて、切にそう考えている。

無理か、国自体が保全する気が無いもんね。


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内山祥子
文を書くのを芸にしたいと思っています。 頑張って文筆家になります。 もし良かったらサポートお願いします。 サポートしていただいたら本を買うのに使います。 ありがとうございます。