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板ずりしないオクラ料理って

オクラは好きで、先だっても道でおばあさんが売って居たので、思わず買ってしまった。

「オクラある100円だ。」と言って見ていると、「それはな、ちゃんとできたから。」と話し出す。

ちゃんとできた???大体はちゃんと出来るのとちゃうの???

「キュウリが在ったら良かったんやけど、キュウリがこの暑さで全滅でな。」農家でも全滅って有るんやな。

「そうなんですか、今で来てるのこれだけ??」小さい玉ねぎとジャガイモ、オクラが並ぶ。

「そうやなー、丁度ええのが無かったんよ。」と言いながら、段ボールに書いた値札を置いている。

「オクラ大きいけど、硬く無いですか??」硬いのが苦手で聞いてみた。

「私らは茹でとるで、硬いと思った事は無いけどな。」と答えは自信なさそうだ。

「じゃあ、ジャガイモとオクラ下さい。」と言って買って帰ってきた。

オクラって、何時も高いから、割とたくさん入って100円はお値打ちとほくほくしていた。

オクラを買ったのは訳がある、南アメリカの料理って本に、オクラ料理が沢山乗っていて、作ったことが無いレシピをしてみたかったのだ。


出来上がり

アメリカにもオクラ料理って有るのね。(アメリカを馬鹿にしている訳では無いですが)

私が作りたかったのは、オクラトマト、その名の通りオクラとトマトの煮込み料理、本で見たら美味しそうなんだよね。

本を見ながらニヤニヤしていると、次女が本を覗き込んでくる。

「それ食べたいの??」と聞くので、「うん、美味しそうやね。」と答えた。

「その中に入れるベーコンがカリカリにならんのよね、日本のやと。」と教えてくれた。

ほんまや、本にも日本のベーコンだと油が出ないから、油足して炒めるって書いてある。

「試してみたいんやけど、高いけど成城石井のベーコン買ってもええ??」何度も言うが我が家は節約中である。

何度も言うよ、うちは確かに節約をしてる~、迷わずに、なーんて歌が出てくるほど節約中だ。

調べてみないと解らないが、きっと成城石井は高い、高級スーパーだもの高い筈。

でも美味しいオクラトマトの為だ、ちょっと高いのは目を瞑ろう。

「ええよ、チョット高てもどうにかなるでしょ。」と答えて、買い物に行った。

「これって、この重さなら、スーパーのと変わらんよ。」昨今のスーパーの値上げに辟易している次女が言う。

そうか~、成城石井が値上げしてないのか、他のスーパーの値上げが凄いのか、複雑な気分だ。

「じゃあさ、これで作るわ。」と言って、他にも必要な食材を入れていく。

実はフレッシュトマトもあると良いのだけどトマトも高い、ここはトマト缶でしょ。

本で読んで驚いたのは、アメリカではオクラは板ずりしないって事だ。

私はこれまでオクラを板ずりしないで食べた事は無い、上の下手の部分も煮込みに使う。

大丈夫なん???そう考えていたら、次女も板ずりいらんって大丈夫なんと言っていたから、殆どの日本人は同じ気持ちになるのだと思う。

この料理は簡単でベーコンをカリカリになる迄炒める。

それを出しておいて、そこに在る油で玉ねぎを炒める、その後トマトとオクラを煮込んで、後でベーコンを切って入れて炒める。

美味しそうな匂いがしてくる。

「美味しそうやね。」と次女に話しかけると、次女が鍋を見ながら言った。

「こんなのさ、その地方の人にとっては別に本に乗せるレシピや無いんやろな、だって簡単すぎるもん。」確かにその通りだ。

だからアメリカ料理の料理本って少ないのかな??なんて考えていた。

「これって馴染んだらもっと美味しくなるって書いてあるから、置いて於くのが楽しみやね。」と次女が言う。

確かにな、3日くらい保存できるようやから、置いて於くのが楽しみになる。

「これってクミン入れたらマサラってなるんや無い??」海外料理が得意な次女だ、料理のことになると知識が違う。

「そうかも知れんな、それにしても美味しい。」と言いながら私は食べる人だ。

「だったら、がくとって板ずりしてって面倒な仕事はいらんって事やね。」確かにそうかも知れない。

彼女はこれからはオクラは板ずりしない方針なのか??

「まあ日本料理やと板ずりは必要かもしれんけど、煮込みには必要ないって我が家では決まったね。」ウーン決まったんか、私は納得はして無いけどね。

兎も角、ご飯に合う美味しい料理が出来上がった、ここで疑問が巻き起こる。

ご飯ってアメリカでもこれに合わせて炊くの??

だってこんなに美味しいんやし、ご飯に合うんやから炊いたらええでしょ。

「アメリカでもこんな風にご飯と一緒に食べるんかな?」と聞いてみる。

「アジア以外の国やと大体米は茹でるみたいよ、炊いたりしないんやって。」もの知りの次女が言う。

「炊いた方が美味しいのにな。」とポツリと口に出る。

「でもさ、炊くって技術や道具が無いんとちゃう、まあ鍋でも出来るけど。」とご飯を食べ終わった次女が、オクラトマトを眺めながら話す。

「ご飯足らんかった??」と聞く。

「うん、まあでもダイエット中やし。」と答えた。

頭にオクラトマトの日はご飯を沢山炊くってメモをした、きっと忘れるけどね。



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