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AWESOME Choices Issue no.09『絶対に社会の役に立つ』との思いから工学部土木系を経てエネルギー関係企業の技術者というキャリア



ゆうきさん

現在洋上風力業界2年目、エネルギー関係の企業で日本国内の洋上風力の開発に携わっています。洋上風力開発のなかでも風況や地盤の調査、基礎設計など幅広く技術面の仕事を担当しています。この仕事の面白さは、まだまだ日本で前例が少ない大きなプロジェクトに挑戦でき、再生可能エネルギーの普及にインパクトのある貢献ができることですです。洋上風力の仕事に携わる以前はエネルギー関係の設備管理の仕事や、企画系の仕事を8年間していました。学生時代は、工学部で土木系を専攻し、構造力学分野の研究室で橋梁や浮体構造物の解析を行っていました。改築が難しい古い橋梁の安全性を解析によって検討したり、浮体構造物の解析では当時まだあまり実例のなかった浮体式洋上風車の解析とその施工時の解析を新しい手法により実施、評価をしていました。

現在はエネルギー関係の企業で洋上風力の開発に携わっているとのことですが、学生時代の進路選択の時のお話や、その後工学部に進まれた背景について聞かせてください

物理と数学が得意で、国語と社会系の科目が苦手だったので、理系に進みました。暗記よりも、物理や数学の数式の意味を理解することのほうが楽しかったので 、理系に向いているなと思っていました。
特に物理は覚える公式の数が数学よりもさらに少ないので、公式を理解できればどんな問題でも解けて楽しいなと感じていました。例えば運動方程式だとF=mαというとてもシンプルな式一つで複雑な運動を説明できるというように、この世界を成り立たせている法則を学べるところに魅力を感じました。

大学での進路選びの際は、理系科目の中でも物理が好きだったので工学部を選びました。私は、特にパソコン得意なわけでもなく、ロボットや車が好きでもなかったので、地味だけど絶対に社会の役に立つ土木系を選びました。たまたま私の入った研究室の先生が当時浮体式洋上風車の実証事業をされていて、その解析部分を研究する機会に恵まれました。
日本だけでなく世界でもまだ実例が多くなかった新しい分野であり、かつ自分の興味のある再生可能エネルギーに携われていることにやりがいを感じ、そのまま大学院でも研究を続けました。

「地味だけど絶対に社会の役に立つ」という理由から工学部の中でも土木系を選択し、その後に出会った再生可能エネルギーがきっかけで大学院まで進まれたということがとてもよくわかりました。

では、現在までに経験したお仕事を選ばれた理由について教えてください

工学部の土木系からの主な就職先建設会社、建設コンサルタント、プラント会社、道路、鉄道、電気、ガスといったインフラ企業、公務員などが多いです。私はもともと環境問題に興味があり、少しでも持続可能な環境にできるような仕事に就きたいと思っていました。
環境問題の中でもCO2排出の元となるエネルギー業界に携わることで、現状よりも環境に良い影響を与えるような役割ができたらいいなと思い、エネルギー業界を希望し、今も働き続けています。

現在はエネルギーの中でも、再生可能エネルギーの拡大に寄与したいと思い、大学時代の研究テーマにも関連する洋上風力発電開発の仕事をしています。

「絶対に社会の役に立つ」という思いから始まり「エネルギー業界」に至った過程がよくわかりました。

では、お仕事の中でご自身が「理系が出ているな」と感じたことや、理系以外の仕事の中で感じたメリットなどもあれば、是非教えてください

土木系ということもあってやはり現場に出るのが好きです。あと、工業地帯にあるコンビナートのような工場や大きな建造物を間近で見るとテンションが上がります。
私は前職で事業戦略策定、予算管理等の企画系の仕事をした経験もありますが、会社ではどんな仕事でも必ず利益を数字で説明し検討する必要があるので、数字の規模感と数字の流れをすぐにおさえて分かりやすく説明できることはどんな仕事をしていてもメリットになるなと感じました。

どんなビジネスシーンでも数字で話をすることは非常に多いので、数字に抵抗がなく、プロセスを把握できるということは本当に大きなアドバンテージだなと私も思います。

では、「理系を学んだこと」や「リケジョ」に対して何か思うことなどあれば、教えてもらえますか?

私の職場は女性が非常に少ないので、常にマイノリティー側で周囲になじめていないのではないかと感じることもあります。でもだからこそ同じような環境の理系女性と会うと、外国であった日本人のような親近感を感じます。私は外国に留学したことはないですが、留学は語学習得だけでなく日本人のいない環境の中で苦労を経験しながら、マイノリティーであることで自分のアイデンティティと向き合い、多くのことを学び人間的に大きく成長できる貴重な経験だと思います。
それと同じで私は日本に居ながらにして、理系女性というマイノリティーな環境だからこそ苦労もあるけれど人間的な幅を広げられる機会だととらえたらお得だなと思って過ごしています。

まだまだ理系に進む女子が少ないことから、マイノリティーゆえの悩みもありますが、それを「留学」と捉えて、自分を成長させることができる場と表現されている部分が素敵だなと感じましたし、だからこそ理系を選択した方はその選択に後悔していないという点にもつながっているように感じました。

最後にこれからの進路を考える女子中高生や理系学部で学んでいる学生の方などに向けて、ぜひ一言アドバイスをお願いします

理系でも文系でもどんな場所でも、前向きに目の前のことに取り組んだら道が開けてくると思います。人生長いですし、いろいろなことに興味をもって過ごすと楽しく生きられるんじゃないかなと思います。
ちょっとでも面白そうだなとかやってみたいなと思う方に自信をもって進んでいってください。

最後に

「絶対に社会の役に立つ」という強い想いから、大学時の進路や就職先選び、そして今の仕事にまでつながっている部分は本当に素晴らしいと感じたのと同時に、理系と言う選択をしたからこそ、この思いを実現することができたという部分がお話の至る所から感じることができました。

貴重なお話ありがとうございました。ゆうきさんの更なる活躍を応援しています!

あとがき

いかがでしたか?
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