グリーフケアカフェに行った話①
誰にも話したくない
妹が亡くなった直後は「(妹の死を)誰にも話したくない」と言っていた母が、「あなたは優しく話を聞いてくれる友だちがいて恵まれているわね」と言ってきたのは49日が過ぎたころだった。
蛇足だが、母が言う通り私は友人に恵まれている。何も言わず話を聞いてくれるIさん、一緒に泣いてくれるHさん、私の体調を心配してくれるRちゃん…どんなに救われたことか、本当に感謝している。
ただ一方で、一部の人たち(友人ではない)の悪気のない言葉にも傷ついた。
・なんで死んじゃったのかね。
・自殺したの?
・妹さんって変わっていたんだね。(これは本当に意味がわからない)
・昨日、家に帰って彼女と「明日は我が身だね」って話をしたんだよ。
妹の死は他人から見たら『興味』の対象でしかなかった。悪気がないとはわかっていても、その日からその人たちのを見る目は変わった。
後でわかったことだが、専門家はこれらを『二次被害』と呼んでいるそうだ。母はこれを恐れて『誰にも話したくない』と言ったのかも知れない。
それでも誰かに話を聞いてもらいたい
本題に戻るが、母の言葉からは『家族以外の誰かに聞いてもらいたい』という願望が読み取れた。私は、少しでも母の苦しみを取り除いてあげたいと思った。ただ、デリケートな内容であるがゆえに相手を選ばなければいけない。そこで私は、インターネットで見つけた『グリーフケアカフェ』に母を誘ってみようと思った。
行動は慎重に
とはいえ、同時にそれは私の想像とは違う世界で母に勧められるものではいないかも知れないと思った。私は『まずは自分が経験をしてみよう』と思い、近所で開かれているグリーフケアカフェの門を叩いた。
続く