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おばちゃんから愛を込めて。3秒で君が誰かを知ってもらう為に、靴を磨けよ若者よ。
Dear ユーセフ。
まず、最初に言っておくけれども、私は君が大好きだ。これだけは、何があっても変わらないこと。どんなに大人になっても、日本語で「さっちゃん、今日もきれいですね」って、教えた通りに言ってください(笑)。忘れないでね。
初めて会った日のことを、覚えていますか?
君は忍者タートルズのフィギュアを握りしめていた。
カナダから来た君は、英語もアラビア語も達者。
英語しか話せない私を、何度も助けてくれたね。
毎日私の運転で登校したね。ちびっ子だった従兄弟達を幼稚園、小学校と教室まで送り届けてくれてありがとう。連絡帳に書いてあるアラビア語が読めない時、宿題が分からない時、いつも助けてくれたのも、君でした。
ユーセフ、君は賢い。
多分これまでの学校生活で、「出来なかったこと」ってなかったのでは?
いつも何とかなったでしょう。
さて明日からは、どうだろうか?
私からのアドバイスは、毎日靴を磨くんだよ、って事かな。
朝と晩と。
沢山歩く日、雨の日、暑い日。
何があっても、靴は磨いて。
悔しい日も、嬉しい日も忘れないで。
人は見た目で判断をする、って聞いたことある?
良いも悪いも、最初の3秒で決まるらしい。
たった3秒。
私には3秒で、君が小さい頃からずっと変わらず優しくて、数学と物理が得意で、家族と友達想いのいいやつか、を説明する事はできません。
だけど、見た目からは、3秒で伝わるんだ。
君がどうやって暮らして、何を大切に生きているのか、って全てが。
お金を貯めて高い洋服を買ったらなんて言ってないよ。今あるスーツを、丁寧にブラッシングして、靴を磨いて。アイロンがけも毎日してたら楽しくなるから。
一つ一つの積み重ねが、いつかきっと実る日がくるって言いたい。
鏡を見て、毎日、最高にカッコいい自分でいるんだよ。
えっ、かっこいいって誰も言ってくれないって?
大丈夫。
鏡を見て「ユーセフ、今日も最高にかっこいいね!」って自分で言ってください。
ほら、私と勉強した日本語のノートに書いてあるはず。「さっちゃん、今日もきれいですね」って、それを学んだページに、一緒に書いてあるはずです。それだけは、見直しておいてください。
おばちゃんから愛を込めて。
新社会人になる君へ。
#書く習慣 5日めの宿題より。