本人に原因をもとめず、みんなで「現象」を考えて回復したい #Voicy書き起こし
※入谷佐知がVoicyで配信している #明日どんなふうに生きてゆく ? の書き起こしです。TUKA.Kさんが書いてくださいました!(TUKA.Kさん、ありがとうございます!この回は2018年6月1日に配信した「本人に原因をもとめず、みんなで「現象」を考えて回復したい」です。
おはようございます、入谷佐知です。
明日、どんなふうに生きてゆく?はじめたいと思います。
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ということで、おはようございます、入谷佐知です。
いかがお過ごしですか?6月に入りましたね。京都は昨夜ものすごい通り雨があって、びっくりしたんですが、いまはやんでしずかな朝をむかえてます。あじさいも咲いてきててね、梅雨の時期が来たかしらという感じですね。
今日は、いただいたご質問にお答えしていく感じで勧めたいと思います!本日はチャンネル説明、はぶきますのでVoicyのプロフィール欄お読みくださいませ。今日はいくつかいただいているご相談にお答えしていきたいと思います。
「なぜ働かないの?」という問いかけは、本人ひとりに原因を求めますよね。本人だけに向かいます。でも、本人だけが理由じゃないと思うんです。
最初の質問です。
入谷さんこんにちは。僕の友人は25歳なのですが大学卒業後も働かずに家に引きこもっています。先日彼に「なんでおまえ働かないの?仕事探しとかすんの?」(ここで入谷さん「うぉぉぉ…」と呻く)と聞いたら、連絡がとれなくなってしまいました。嫌味とかじゃなくて、純粋な質問だったんです。でも嫌味に受け取られてしまったのかもしれません。どうしたらよかったんだろうと悩みます。僕も働くことはしんどいし、辛いこともすごく多くて、彼の状況には共感するところも多いんです。でも、なんて聞いたらよかったんだろう、と悩みます。入谷さんはどうおもいますか?
ということで、ご質問ありがとうございます。
わ〜〜そうなんですね。なるほどなあ。
わたし最近読んだ本にね、『ケアとしての就労支援』という本があって、そこの精神科医の斎藤環先生の文章にこう書いてあったんです。「べてるの家」という精神障害等をかかえた当事者の地域活動拠点になっているところがあるんですけど、あのそれだけじゃないんですけど、「べてるの家」、本当に面白いところなのでぜひ調べていただきたいんですが、
そこでは、精神障害などをもった当事者の方が、放火という行為をしたことがあったと。そのときに、「なぜ放火をしたの?」と本人に問うのではなく、みんなで「なぜ放火現象が起きたんだろう?」と考えるんだそうです。これおもしろいな〜とおもって。放火を、本人に起因した行動でなく、放火現象とよぶんですよね。わたしこれいろんなヒントになるなって思ってるんです。
同じように、質問者さんの「なぜ働かないの?」という問いかけは、本人ひとりに原因を求めますよね。本人だけに向かいます。でも、本人だけが理由じゃないと思うんです。働けないという、本人の能力の問題じゃない。働かないという、本人の選択の問題でもない。いやそういう人もいるけれども、たぶん質問者さんのご友人はどちらでもないと思うんです。
人のことって永遠に理解することはできないんです。でも、言葉のままに聞くことはできるなって思うから。
だから周囲は、当事者の家族やまわりにいるひとは「なぜ働かないの?」って本人に聞くんじゃなくて、「どうして、働くということから離れる現象が起きたんだろう?」と考えたらいいんだろうな、と思うんです。「なぜ学校にいかないの?」という質問も、同じだと思います。相談者さんがなんと聞いたら良かったのかはわからないけど、もし私だったら、そのひとの言葉を言葉のままにうんうん聞くかなと思います。私の軸や常識で、質問するんじゃなく。ほんとに、純粋な興味で聞くんだったら、そのひとの世界にとっぷりつかってみたいなって思うんです。人のことって永遠に理解することはできないんです。でも、言葉のままに聞くことはできるなって思うから。
いったん自分の価値観を脇において話を聞けたら
あとね、もういっこ思うのは、「なぜ働かないの?」っていう質問って、裏に、働くのって当たり前でしょ?っていう、価値観があるからだと思うんです。でもほんとは、あたりまえのことじゃないです。純粋に聞いたつもりでも、フラットになりきれない質問になってしまったんだ、と思えるといいかなと。いったん自分の価値観を脇において話を聞けたら、すごくいいですよね。
とはいえね、質問者さんが、自分のした発言を後悔していて、気にかけているんだっていうのは、伝わっていると思うし、後悔の気持ちつたえてなかったら伝えていんじゃないかなとおもいます。返信は、ないかもしれないけど。そういう気にかけてくれる人の存在があるっていうことは、心のどこかで、力になってると思います。大丈夫です。大丈夫です。ご質問いただいて、ありがとうございました!
ほとぼりが冷めたあとに詳しく事実を確認する
次の質問です。
こんにちは!私は入谷聡さんの知り合いなのですが(「あ、あの入谷聡はわたしの夫ですね」)たまたま奥様である入谷佐知さんのブログを読み感動して、Voicyも聞いて、Twitterも見て、さっちんワールドにどはまりしております。(「ありがとうございます」)入谷さんは日大の事件ってどう思われますか?わたしはああいう言い逃れする組織を見ていると、たまらなく辛くなります。
という質問をいただきました!日大ですか!日大ね、実は私日大のニュース全然おってないんですよ。だから、ごめんなさい、よく事情がわかっていなくてコメントができないんです。
余談なのですが、私実はTOKIOの山口さん?かな、山田さんじゃないよね、山口さん。あの事件も何が起こったのか概要わかっていないし、調べもしていないんです。なんとなくTwitterのタイムラインを見る限り、何が起こったのかはわかるんですが。わたしのなかで、なんとなく、「あ、このニュース深掘りする価値なさそうだな、とか、かなしくなるだけで次につながらなさそう」と思うものや、「あまりに熱しすぎて、情報が飛び交いまくっていて事実が掴みづらそう」と思うものは、あえて詳しく読み込まないようにしているところがあります。で、ほとぼりが冷めたあとに詳しく事実を確認したりしますね。自分の時間を何に使うかを、わたしはすごく重要視してるので、余計な情報に惑わされないことも、かなり大切にしています。
以前フェイクニュースのことについてもVoicyで取り上げたことがありますが、冷静に状況を判断するために、あえて即座に情報をチェックアップしないようにしているところがあります。海外情勢とかは別ですけど。
広報のリスク管理の視点からニュースを紐解くことも
日大アメフト部の件はおそらく組織内文化の異常と、組織のなかに自浄作用がないことのふたつが大きな課題なんだろーなー、とよく知らないながらなんとなく思っているので、ほとぼり冷めたら詳しく調べて、広報のリスク管理の視点から学ぼうと思っています。こういったことは、自分の組織にも起こりうることなので、日大広報がどう対応したらなにが起きたのか、どういう反応があったのかも記録して、広報担当として適切な対応がとれるようにシミュレーションしています。
ところでスポーツの現場は未だに古い価値観でマネジメントしていることが多いですよね。なのでスポーツの現場におけるマネジメントやチームビルディングも、興味があります。過去の事件含め調べてみようかなと思ってます。過去に相撲界で起きた事件はほんとうに悲しかったですし、一方で新たなチームづくり体制で箱根駅伝の4連覇を果たした青山学院大学のチームづくりはもっと勉強したいですね。
就活してないからといって、代替のことをやっているべきとか、ビジョンがあるべきだとはわたしは思いません。
次の質問です。
さっちんさん、こんにちは!Voicy大好きで聞かせていただいてます。わたしは現在大学4回生なのですが、就活への違和感がものすごくあって、他の同級生のようにスーツ着てエントリーシート書いて頑張れないんです。でもじゃあ起業する気があるとか、自分が成したいことがあるかというと、そうでもなくて、どっちつかずな自分にげんなりします…。もうどうしたらいいのか全然わかんなくてサラハにただつらつら書いています…。さっちんさんは新卒でフリーランスで働いたと聞いたのですが、4回生のとき不安はなかったんですか?
はい、ありがとうございます。ねえ、うん、そうですよね。
就活に違和感があることと、成したいことがあることは別物ですから。就活してないからといって、代替のことをやっているべきとか、ビジョンがあるべきだとはわたしは思いません。とはいえ、「自分動けていないな〜」と思うとげんなりしちゃうのは、そうですよね、わかります。
わたしは4回生のときめちゃめちゃ不安でした!とくに12月から3月にかけてかなあ、ほぼ毎日泣いてました。所属先失うのが怖くて。大学生のときは大学の外に飛び出しまくってたのに、いざ卒業前になるとこんなにも所属失うのが怖いんだって、びっくりしたことがあります。全然動けなくて家にずっといたときもありました。泣いてたけど、泣きながらも、自分が大学の外で築いてきた人間関係をあたって、人にちょくちょく会っていました。強がってましたし、不安は共有できなかったけど、でも、会って話をしていました。会ってくれる眼の前の人はとことん大切にしようって思ってたような気がします。
就職や就活への違和感、大切にしていていいと思うし、どうしたって動けないときはあるから、動けないままも大丈夫です。もちろん、動くのもいいと思います。もしできたら、違和感なくこの人はスキだなって思える人と話に行くとか違和感なくスキだって思える趣味に没頭するとか、なんでもいいから、ちょっとずつ、やってみてください。なにか新たな発見や気付きが、ありますように。応援しています。そしてまた、不安に思う気持ち、聞かせてくださいね。
シュタイナー学校のエポックノート展(※現在は開催終了)
ということで本日もお聞きくださってありがとうございました!
お知らせなのですが、京田辺の中央図書館で、わたしの娘が通っている京田辺シュタイナー学校のノート展が開催されます。こどもたちのノートや作品が展示されるのでよかったらぜひいらしてください。6/3までやってます。日曜日はオットもかかりでいますので、話しかけてみてください。入場無料です!
シュタイナー学校には教科書がなくて、授業をしたあと全部こどもたちが学んだことをノートに書いていくんですよね。それがあとあと教科書になっていくようなかんじです。このノートをエポックノートって言うんですが、エポック授業というのをやっていて、算数だったら算数を一ヶ月、国語だったら国語を一ヶ月、とまとまって勉強していきます。むすめはいまかけざんを3週間くらいかけてまとめてやっていくみたいですね。
おもしろいとおもうので、ぜひ来てみてくださいね。
ということで、本日はどんなふうに生きていきますか?
今日もよい一日を、お過ごしください!
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Written by TUKA.K
※入谷佐知がVoicyで2018年6月1日に配信した「本人に原因をもとめず、みんなで「現象」を考えて回復したい」の書き起こしです。TUKA.Kさんが書いてくださいました。サブタイトルや太字は、TUKA.Kさんによるものです。
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