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公式発表ってだいじなんだな

はじめて研修というものをやった。

ただしくは、自分の広報部門のインターン生にはしてきたけど、現場の部門含めたスタッフに研修をするのは初めてだった。

わたしは話してみて、いち意見でなく公式発表するというのは、だいじなことなんだなと気づいた。

「実は組織において、帰り道や食事時や給湯室で話される社員の提案や違和感や愚痴は、その9割が新規性はなく、すでにトップマネジメントの思考のなかに入っている。過去に議論したことがあったり、過去に結論づけられたことがあるものなんだよ」と、あるCOOの方に言われたことがある。

9割は言い過ぎだと思うけど(そんなトップマネジメントは全知全能の神じゃないかと…)、たしかに、3年くらい前に結論を出したイシューを、いまだに組織内で議論しているのを見かけると「おお、そこで?」となってしまうことがある。過去の議論が組織に積み上がらないのは不毛なかんじがする。

だとしたら、「こういうのが課題だと思ってる」とか「こういう選択肢もあるけどこのメリットとデメリットをかんがみてこっちにしてるんだよ。」と先出ししちゃうほうがいい。

そしたら、実際に現場で「課題」に出会っても、「ああこれがあの時言われたやつか」「どうしたら解決できるかな」と思ってもらえる。そしてそこからスタートできるので、過去の議論を土台に次に進んでもらえる。でも公式で課題だと伝えてないと、「これはなんか違和感あるな」「おかしいんじゃないか」からスタートさせてしまう。

自分たちが過去に行ってきたことが正しいなんてひとつも思ってないから、これまで研修の価値を感じることができていなかった。共に働く人から「定義は?」と聞かれても、定義のないまっさらなところから自分で試行錯誤して「これかな」と思う言葉を掴み取ってきたから、あらためて定義を尋ねられると、困ってしまう。大混乱のなかで、圧倒的な忙しさと絶望感のなかで、必死にやってきただけだから、これよりもいいあり方があったんじゃないか、と思ってしまう。だけど自分が思ってる以上に、自分が積み上げてきたものはあって、それがたとえグラグラな土台でもそこに立たせてあげたいと思うのだ。わたしにとって研修は、そういう場だった。

そう思えるようになったのは研修をしようと言ってくれた人や、定義は?と尋ね続けてくれた人のおかげなのでほんとにありがたいのです。

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入谷佐知さっちん
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