レッスン継続がうまくいかない時①
長い時間のかかる楽器演奏の習得の過程で、どんなに弾くのが好きな子でもやる気に満ちてる時もあれば、他のことに興味がうつり、やりたくない時もある。
うまく弾けて自信満々の時もあれば、大失敗し、もう辞めたいと思うことも…。
特に最近ではYouTubeやゲームなど子ども達が楽しくて時間を忘れて没頭してしまう物がたくさんありますから、それらに多くの時間を取られてやらなくなってしまうということもよくあります。
音楽のレッスンに限らず、あらゆることで、いい感じで昇り調子の時もあれば、上手くいかない時もある。
私は指導者として、うまくいかない時期をなんとか越えさせてあげたいと思っています。親御さんのお考えにもよりますが、私自身は子ども達がすぐに投げ出すことがないようにしてほしい。親御さんにはその低迷期をなんとか乗り切れるよう先生と共に子どもに寄り添って欲しいと願っています。
特に、子どもが小さいうち(小学校低学年くらいまで)は週に一度のレッスン時間でしか向き合うことができない先生のどんな言葉かけよりも、ご家庭でのパパママがお子さまとどのように向き合ってくださるか?によるところが大きいのではないでしょうか。
ある男の子の生徒さんは小学校四年生くらいの時、反抗期だったようで、大変な時期がありました。ちょっと出来ないとヒステリックになり、泣いたり、ふてくされたり。私は滅多に怒ることはありませんが、あまりにもの態度の悪さにレッスンを中断し帰したことが何度かありました。お母様と連絡を取り、お家での様子を聞くと、家でももっと大変な状況でした。でも、そのご家庭はお母さんもお父さんも一緒になって、彼の練習に付き添い、なんとかその時期を乗り越えたのです。彼がもう少し成長し中学生になったとき、言った言葉があります。『聴いてて心地よいとか、見てて良いなぁと思うことって簡単そうなんだけど、でもやってることはスゴイ大変なんだよね〜』と何気なく言ってました。
小さな時は、みんなが涼しい顔して簡単そうにやってるのに、なんで自分にはできないのか?と怒ってた。だけど、自分が出来るようになってくると、見えてる部分、見せてる部分はほんの一部で、その元には膨大な時間を費やし努力してること、をその子はちゃんと身に染みて理解したようでした。これって、ピアノの技術どうこうではなく、もっともっと大切な人間形成の意味での学びだと思いませんか?大変だった時、私も親御さんも辞めさせることなく成長を待ち、出来ないままに放置せず、本当に良かった。また、彼のパパママはとても若い方でしたが、素晴らしい子育てをされたなと思います。