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『チップ』という言葉の持つ意味


noteのサポートが、『チップ』という言葉に変わった。

チップで応援する

この言葉に違和感を感じている人が多い。
わたしも「チップ!?」と思った。

その後、色々気になって考えていたことがある。
今日はそれを書きたいと思う。


***


チップとは?

チップ(英: tip、英: gratuity)とは、規定料金とは別に、サービスを受けたことに対して心づけとして相手に渡す現金を指す[1]。

Wikipediaより

サービスを受けたことに対しての心づけ。
サービスとは何か?

サービス(英: service)あるいは用役(ようえき)、役務(えきむ)とは、経済活動において、売買した後にモノが残らず、効用や満足などを提供する、形のない財を指す経済学の用語である。第三次産業が取り扱う商品である。

Wikipediaより

効用や満足などを提供する、形のない財を指す経済学の用語。


チップ = サービスに対しての心づけ

ここから、違和感が起こるのだと思う。

では、どうして『サポート』から『チップ』に変わったのか?

いくつか、関係する記事を読んでみたら「サポートからチップに変えてみたら、お金の動きが倍になった」と書いてあった。


どうして、倍になったんだろう?

言葉のもつ雰囲気かな?

わたしの持つ、ふたつの言葉のイメージ

サポート→支えてるイメージ、これから先も
チップ→その時のお礼、その場限り

チップの方が気軽だからなのかな?
サポートも調べてみる。

サポート(英語: support)とは、支援、対応、扶助、援助といった意味の英語。→援助行動

支援か。
"支援"という言葉は、苦手だ。

上下関係を感じるから。
だから、リアル世界でもいつも"応援"という言葉を使う。

今まで『サポート』という言葉に、上下関係を感じたことはなかった。

むしろ『チップ』という言葉に、"施し"の意味合いを感じて上下関係を思い出させたけど…


もしかして、『サポート』という言葉に、違和感を感じていた人も多かったのかな?

だから、『チップ』に変えたら、お金の動きが倍になったのかな?


それだけでは、理由として少し弱いと感じた。

他の理由を探したい。
しばらく、その理由を探していた。



***


ふと思いついたのは、何がきっかけだったのか。

大道芸人に渡すお金も『チップ』というのでは?

街中でお金をもらう行為。
でも、"施し"でもないと感じる、あのお金。

あのお金には、どんな意味が込められているんだろう

「大道芸人 お金」で検索してみる。

と、こんな記事が出てきた。

なるほど。大道芸人へのお金は『チップ』と思っていたけど、『投げ銭』と言うのか。

投げ銭で調べてみた。

投銭[1](なげせん[1]、とうせん[1]、なげぜに[1])とは、第一義には、貨幣(主に硬貨すなわち銭)を投げること[2]。第二義には、金銭を与えること[1]。第三義には、投銭(なげぜに、なげせん)のこと[2]、すなわち、大道芸人や乞食に対して見物人や通行人が投げ与える銭のこと[1][2]。
また、2010年代後半以降にはインターネット用語として、動画共有サービスなどコンテンツのネット配信者に対する送金・寄付を意味する「投げ銭(なげせん)」「ネット投銭(ネットなげせん)[3]」も派生した[4]。

Wikipediaより

「ネット投げ銭」という言葉に引っかかる。
これは、いつ頃からできた言葉なのか?

YouTubeの『スパチャ』は馴染みがある。

スパチャとは

スーパーチャット (Super Chat) は、YouTubeのライブチャットを利用した生放送や動画の公開時に、チャット欄で自分のメッセージを目立たせるための権利を購入する機能[1][2]。ギフティング機能の一種である投げ銭で、略称は「スパチャ」[3]。ライブチャットを利用しない動画版でのサービスに、拍手を購入する「スーパーサンクス」も存在する。

Wikipediaより

推し(好きな人)の配信に、ネット上でお金をおくる仕組みだ。

ここに上下関係があるとしたら、推しの方が上だろう。ここには、"リスペクト=尊敬"という意味合いが付加されてくる。

『スパチャ』は、同じお金でも『チップ』とはだいぶイメージが違ってくる。


***


さて、投げ銭ってお金としてどうなんだろう?

この中に、ハッと思う文章があった。

音楽、演劇、映像などのエンターテインメント業界では、ファンの存在が不可欠です。路上ライブをするミュージシャン、道ゆく人々にパフォーマンスを披露する大道芸人、動画配信をするYouTuberなど、金銭的な面で彼らを支えているのがファンからの「投げ銭」です。

また、相手に金銭などを贈ることを英語で「ギフティング(gifting)」といい、アーティストやクリエイターに対する応援や称賛としての「投げ銭」も「ギフティング」に含まれています。「投げ銭」には、パフォーマンスの対価としてだけでなく、「応援したい」という気持ちもこめられているのです。

上の記事から


ギフティング(gifting)
相手に金銭を贈る
応援称賛としてのお金

この意味だ!!

みんなが思っている意味の根っこは、ここ。
この意味合いが全ての始まりだ。

そう思った。

この意味合いを、何という言葉に込めたらいいのか?

原点はここから始まったのではないか?
そう思うと、道が開けた気がした。



***


言葉の意味合いを辿ってみる。

応援

投げ銭

チップ

こう考えていけば、チップには"応援"の意味が含まれる。


反対に、『チップ』から辿ると

チップ

サービスのお礼

施し


"応援"という意味は感じられなくなり、"施し"という意味合いを心に浮かべ、激しく違和感を感じる。

日本には、古く『おひねり』という言葉があるらしい。『投げ銭』と『おひねり』は、同じ意味合いを持つようだ。

おひねりとは

神前や仏前に奉納された紙にくるまれた洗米・賽銭のこと。
何かしらのサービスに対して支払われるご祝儀。投げ銭のこと。

Wikipediaより

もう一つ

舞台やショーが終わった際に、楽しんだ謝礼として観客よりティッシュなど紙に包まれて投げられるお金のことです。
良かった演技に対しての古典的なチップ、心付け、祝儀と言い換えると少し分かりやすくなるでしょうか。

イベントパートナー 業界豆知識より

ここで『チップ』の言葉が出てきた。「良かった演技に対しての…」とある。この行為には、"施し"の意味はなく、"尊敬"や"応援"の意味を持つのだろう。


つまり…

チップには、2通りの意味があるのではないか。

・ホテルやお店で店員さんに渡すもの
・プロの技を披露する演者さんに渡すもの

チップを渡す人 > 店員さん
チップを渡す人 < 演者さん

(店員さんのスマートな働きぶりにお礼や尊敬の意味を込めたチップもあるとは思うけど)上のどちらも上下関係は感じ取れるが、その方向性は見事に逆だ。


***


仲良くさせてもらっていた人たちが、noteから離れていこうとしている。知り合ったきっかけはnoteだ。

noteの世界に足を踏み入れなければ、知り合うことのなかった人たち。その人たちが『チップ』という言葉に憤っている。

たった一つの言葉なのに…
離れるきっかけが『チップ』だっただけなのかもしれないけれど。


『サポート』から『チップ』に言葉を変える時、noteからメールが送られたと聞いた。

送信を拒んでいたのか、そのメールは届いていない。note上で記事を探したけれど、『チップ』に関する記事が見当たらない。(探し損ねているだけかもしれないけれど)

もし、そこに上のような説明がなされていたら。
「"施し"の意味合いはなく、"応援"や"尊敬"の意味で使うんですよ」と書いてあったら。


選んだ言葉、センスねえなぁ

と笑って済んだことなのかも…と思った。


***



早く、『スパチャ』みたいな素敵な造語が生まれるといいな。

noteさん、『チップ』に変わる言葉を募集するコンテスト、開いてもらえませんか?

みんなが気持ちよく暮らしていける世界を保つために…


よろしくお願いします。




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