花吐き病の少女(1)
少女の咽びと共に口から花弁が溢れる。
咽ぶ度に溢れる花弁は、まるで血のように真っ赤であった。
少女は『花吐き病』と呼ばれる奇病に侵されていた。
花吐き病は、体を花に侵される病であり、徐々に内蔵を花に侵し蝕まれ、最期には花の苗床となる。
そして、花吐き病で死した者の骸は、高値で売買され、特殊な保存処理をされ鑑賞物にされるのだ。
特に苗床となった者の見目が良いと価値は跳ね上がり、オークションでは500万はくだらないというから驚きである。
花によっても値段は異なり、一番人気は薔薇