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台湾の豆干(トウガン)という豆腐のこと

トップの写真が[豆干]


台湾は大豆製品がとても豊富、豆乳をはじめとして、豆腐類の種類もとても多いです。

台湾は素食(ベジタリアン食)の人が人口の10%ほどいるといいます。
その中の40%程の人は宗教上の理由からで、他に健康、嗜好などとその理由はいろいろあるようです。

10人に1人の人がベジタリアンだから、外食文化の台湾では街中に素食のお店がたくさんあるのも納得ですね。
素食の人たちのタンパク源は大豆や大豆製品が中心なので、大豆製品が豊富なのも頷けます。

豆腐、揚げ豆腐、湯葉など、そして今日紹介する[豆干]、他にも大豆蛋白を使った肉団子状のものなどと種類も豊富です。

素食屋さんでは本当にさまざまな豆腐製品の料理が並んでいて、野菜料理と共にとても満足のいく食事ができます。(素食の店の豊富な料理のことは、また、別に書きたいと思います。)

豆腐製品の中でも、珍しいのが[豆干]です。
日本ではみたことがなく、何となく遠巻きに眺めている感じでいました。

豆干と同じような形をしたものに、あの台湾の夜市などで独特の匂いを放っている臭豆腐もあるので、(もしかしてあれかな?と)何となく敬遠しがちでした。
今では別物だということが分かり、安心して買えます!
(臭豆腐には、今でもちょっと馴染めず、恐れをなしているところがあります😅)

固い豆腐といえば、日本にも一部の地域に岩豆腐というものや沖縄の島豆腐など、普通の木綿豆腐より固い豆腐がありますが(私は岩豆腐は食べたことはありません)、豆干は岩豆腐や島豆腐より水分が少なく固いと思います。

かまぼこなどの食感と似ていて、押しても凹んだりはせず、これが豆腐?という感じです。
水分はとても少ないです。

栄養価を調べてみると、豆腐とは思えないほどの高タンパク質です。
最近、運動をして筋肉を作りたい人たちが、タンパク質をしっかり摂るために、鷄の胸肉を積極的に利用していますね。

豆干は、鶏の胸肉に近いタンパク質を含んでいるので、数値を示してみたいと思います。タンパク源として優秀な鶏卵も併せて見てみましょう。

100gあたりで比較してみると
     豆干 鶏胸肉 鶏卵 
カロリー 177     191    155 kcal
タンパク質 16.8    19.5   13.0   g
 脂質   11.0    11.6    9.3    g

上の比較表をみると、豆干は鶏胸肉や鶏卵にも劣らない優れたタンパク質補給源か分かります。

ちなみに、木綿豆腐と比べてみると、2.5倍くらいの栄養分が詰まっています。

豆干は薄茶色をしています。
製造工程で醤油などの調味液をくぐらせて薄く色づいているようです。そのまま食べてみるとうっすら塩味を感じます。

台湾では豆干の料理は弁当にも必ずと言っていいほど入っているし、小吃店でも小菜(小皿料理)でよく並んでいます。
切り方が変わっていたり、味付けは醤油風味のもの、辛い味のものなど種類もいくつかあり、台湾ではとてもよく食べられている食材だということが分かります。

私も外で食べた料理を真似てつくってみようと買ってみました。

大きめに切って煮ても味を染み込ませるのはとても難しく、小さめに切って味を絡める方法が良いなと思っていました。

YouTubeで豆干料理を見ていると、どうやら下茹でをしっかりすることが必要なようです。
少しふっくらさせて、味付けも水分たっぷりで時間をかけて煮含めるようです。

豆干はぎっちり目が詰まっているので味は簡単には染み込みません。

YouTubeの料理紹介では、10分ほど下茹でしたものを、醤油、砂糖、みりん、台湾風味の香辛料(八角や五香粉、唐辛子など)、豆干が泳ぐくらいの水を合わせた中に入れ、電鍋で20分ほど蒸し煮。

豆干を取り出した後の煮汁をさらにフライパンなどで半分くらいに煮詰めて豆干を戻して、味を絡める、というもの。

結構時間をかけて味を染み込ませたり、絡めたりしているのですね。

私も、最近では少しこれに近づけた感じに料理をしています。

最近作った簡単料理

[豆干とキクラゲの炒め煮」

[上の写真は下茹でした豆干を切ったもの。下はキクラゲ、台湾では生キクラゲがよく売られていて手軽に使えます]

❶豆干を下茹でして角切り(4等分)

❷キクラゲは細切りにして胡麻油で炒める。
茹でた豆干も加えて、しばらくいためて、調味料はオイスターソースと醤油少々を加えて、出汁を1カップ程度加え、蓋をして弱火でじっくり煮含める。

❸汁気が少なくなったところで蓋をとり、混ぜながら汁気を煮絡めて出来上がり。


下茹でしたことで、豆干が少しふっくらしたこと、弱火でじっくり煮込んで味がいくらか染み込み、最後に残った汁を煮からめたので、結構美味しい出来上がりでした。

キクラゲのコリコリ感と少し振った胡麻の香りがアクセントになりました。

お昼を簡単に済ませる時のタンパク質補給に一役かってます。


これも豆干❗️[白干絲]と書いてあります。


まるで、中華麺のようです。

少し下茹でする程度でプリッとした食感になりました。

あり合わせの豆苗とわかめを合わせて、中華風の酢の物にしてみました。
面白い食感で、とても楽しめます。


冷凍保存しておいた白干絲でもう一品作ってみました。

干し野菜を刻んだもの、干小魚などと一緒に炒め煮。
残っていたおでんの煮汁を加えて少し煮含め、少しの砂糖、醤油、辣油で味を整えました。

とても歯応えのある仕上がり!
本当に面白い食材です!
煮ても歯応えは残っています。


今回、地味な色合いの料理ばかりになってしまいました😅

豆干はいろんな料理に合わせられそうな食材なので、いろいろアレンジを楽しんでいきます。

最後に
YouTubeで面白い映像を見つけました!
台湾の人が、日本に行って日本の木綿豆腐から豆干を作ると言うもの。
ぜひご覧になってみてください。

台湾の言葉ですが、映像を見ているだけで豆干がどのように作られているかが分かって面白いです。

映像の中で
「一五一十(イーウーイーシー)」
という言葉が出てきますが、これは一部始終という意味だそうです。「細かく見せますよ」と言っています。

この映像のものは、味がしっかり染み込ませてそのまま食べるように作っています。(台湾で普段素材として売っているものは、ほとんど味はついていません。)

割と日持ちも良く(3日程度)、冷凍保存もできて、とても便利な食材に出会えました❣️

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