創業70年「もみじや」不動の人気を誇るマドレーヌと熱々の大津島ブレンドコーヒー
子どもの頃のわたしにとって贅沢なひととき、それは「もみじや」さんのマドレーヌを食べる時間でした。牛乳をコップに注いで、準備完了。マドレーヌの敷紙を剥いで頬張ります。口いっぱいに広がる柔らかい食感と優しい甘さを牛乳と一緒に味わう。あぁ、想像するだけでマドレーヌが恋しい。
そんな私にとって思い出の味となっている「もみじや」さんのマドレーヌ。地元の人なら知らない人はいないほど、ここのマドレーヌは大人気。
そして、「もみじや」さんの店内に併設されたカフェスペースでは、ご主人が淹れるこだわりのコーヒーと一緒にマドレーヌを味わうことができるということを聞きつけ、どちらも大好物な私、はりきって取材に行ってきました。
創業70年「もみじや」
今回お話を伺ったのは、創業70年になる「もみじや」3代目の店主・芳村幹也さんです。話しているときは勢いと笑顔が印象的でしたが、コーヒーを淹れ始めると真剣な表情に。カメラを向けると「撮らないでよ〜」と照れ顔。そんなところもチャーミングな芳村さん。
「もみじや」は昭和26年7月に創業し、今年で創業70年目(!)を迎えるお菓子屋さん。マドレーヌをはじめ、自家製の和菓子、自家焙煎珈琲などを販売しています。営業時間は9:00〜19:00。早い時間から開店するので、「今日急に手土産が必要になった!」というお客様にも喜ばれているそう。
お店の目の前には4台分の駐車スペースが併設されています。入り口のそばにはメダカがすいすいと泳ぐ桶が。入店前からアットホームな雰囲気が漂います。自動ドアをくぐり中へ入ると、商品が陳列されたショーケースの向こう側から店員さんが迎えてくださいました。
3種の看板メニュー
「もみじや」では3種類のお菓子を手作りしています。
マドレーヌ
「もみじや」=マドレーヌ
と答える人も多い大人気のお菓子です。いたってシンプルな味付け、ほっこりする口当たり、口に広がる優しい甘さ。
ぜひ食べてほしい!!!本気で!!!
60年以上前から同じレシピで作り続けているそうで、食べると誰もが懐かしい気持ちになったり、安心したりする、そんな味わいが特徴です。マドレーヌの味は、プレーン・ごましお・桜花・ラムレーズン・チョコ&キャラメルの全5種類が常時販売されており、お値段はなんと1個110円!この美味しさでこの良心的な値段。
そしてなんと、期間限定のマドレーヌが店頭に並ぶこともあるんだとか。ちなみに、取材をしたこの日は2月。店頭にはバレンタインデーに向けた期間限定の「ハートマドレーヌ」(150円)が!期間限定という言葉に人間は弱いものです…
およね餅
周南市外の人へのお土産としておすすめなのがこの「およね餅」。
名前の由来となっている「およね」というのは実は人の名前。阿米は江戸時代、徳山藩であったこの地で父親の看病に尽くした孝女として伝わっており、ここ周南市では有名な人で、周南市速玉町には父親を背負った阿米のブロンズ像まであるんですよ。一昨年には、コロナ禍で必須となったマスクを、地元の方がこの2人にも取り付けてあげたことで話題となりました。
そんなエピソードとともにお土産として渡すと、喜ばれること間違いなしです。
手のひらサイズの柔らかなお餅の上には焼き印で「およね」の文字が。中には甘い白餡が包まれており、齧り付くとふにゃっと柔らかくもちもちで、温かい布団にくるまっているような、幸せな気持ちなれます。
ちなみにこのおよね餅もお値段は1個110円。お安い…
冷やし大福
「夏に食べる冷たいお菓子を売ろうと思って。葛餅とか、既にあるものではなくて、面白いものがいいなと思って考えたのがこの冷やし大福です。考案して20年くらい経ったかなぁ。」と芳村さん。
お店の入り口で冷蔵されているこの冷やし大福は、中心にクリームが入っており、それを餡・求肥の順で包んでいます。大福の中にクリームを包むのは、特別な機械でないと難しいそうです。中のクリームは生チョコや抹茶、コーヒーなど、思わず半分齧って中を覗いてしまいたくなるラインナップ。若い人たちにも大人気!冬に温かい部屋で食べるもよし、夏に汗をかいた体で思いっきり齧るもよし、これまた地元の人に愛される一品です。
こちらもお値段なんと1個110円。全品気軽に楽しむことができるお値段です。
マドレーヌと自家焙煎珈琲の名コンビ
さて、もみじやのもう一つの魅力、それは自家焙煎珈琲。
冷やし大福などが並んだショーケースの左側に、コーヒー豆が陳列されています。その数なんと25種類。
コーヒー豆を購入できるだけではなく、店内にはカフェスペースも完備。大津島ブレンドやアイスコーヒーなどをその場で飲むこともできます!ちなみに、店内で購入したお菓子はどれでも、このカフェスペースで飲み物と一緒に楽しむことが可能だそうです。これは嬉しいサービスですね!
早速、大津島ブレンドを注文してみました。
大津島ブレンドのこだわりは、「日本人の口に合う味」だそう。
「前職で海外のコーヒー文化を知り、日本人の口は相当肥えているなと実感したんです。そして酸味が苦手な人が多い。そんな日本人にとって飲みやすいブレンドになるようにしています。」と語りながら、店主の芳村さんみずからコーヒーを淹れてくださいました。
芳村さんにコーヒーの淹れ方についてのこだわりを聞いてみました。
「100℃のお湯で淹れるんです。そうすると、お客様に運ぶ頃には86~88℃になるんですね。お店によっては90℃とか、お湯の温度は色々こだわりが出てくるところなんですけど、うちは温かいものは温かい、冷たいものは冷たい、そんな状態で提供したいと思ってるんです。」と、勢いのある芳村さんの性格がそのまま表現されたようなこだわりを教えていただきました。
さらに、「お湯は必ず右回転で淹れています。北半球の地球の自転方向と一緒。お湯が落ちるのが少し早くなるのよ。うちのコーヒーを美味しく飲むことができる。」と、面白いこだわりも。
マドレーヌも一緒に食べたいと伝えると、食べやすいように8等分された状態で出てきました。
ますはコーヒーをいただきました。先ほど芳村さんが言われていた通り、少し熱い大津島ブレンド。酸味が苦手な私にとってものすごく飲みやすい味でした。すっきりとした味わい、それでいて少し深みを感じました。
マドレーヌを一口食べて、コーヒーをいただく。
最強コンビ〜〜〜!
これはもうやめられない…泣
百聞は一見にしかず。この美味しさ大爆発のコンビをぜひたくさんの人に体験してほしいです。
牛乳が注がれたコップを片手に丸いマドレーヌを頬張っていた幼少期の私よ、20代も後半に差し掛かった今、コーヒーカップを片手に8等分されたマドレーヌをフォークで上品に食べるほどに私は成長したよ。
取材を終えて
取材を終え、店内でゆっくりしていると、次々とお客さんがマドレーヌを買いに来たり、地元のスポーツチームの皆さんが来店されたり、終始アットホームな空気漂う「もみじや」さんでした。
私自身、よく「もみじや」さんのマドレーヌを食べていましたが、今回こだわりや思いを聞き、さらに特別な味になりました。
あなたが嬉しい時も悲しい時も、「もみじや」のお菓子とコーヒーは変わらない優しさであなたを迎えてくれるでしょう。ぜひ、訪れてみてください。
店舗情報
(有)もみじや
〒745-0004山口県周南市毛利町3丁目5
営業時間:9:00~19:00
店休日:水曜日
執筆時期:2022年2月
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