詩作品 ラブレター8 大祓詞
太陽
天岩戸の影に隠れて
いるしかないのです
あなたが
隠れていろと
言うのだから
あなたの
荒魂が
===
荒魂
起こしてしまったのですね
私のこと
隠しても隠しても
もう無駄です
あなたの心に
はじめから
棲んでいる
あなたもわかっていたはずです
龍神よ、
私が怖いのなら
私が言うことを
よくお聞きなさい
さすれば
また眠ってあげるから
===
速佐須良姫
あなたはきっと
歌い手だと
私は思う
だってそうでないと
そんなこと
できないと思うの
穢れを消し去るだなんて
私がまず
纏めて移動させるから
画家はそれを
がぶがぶ飲んで沈めてくれるから
音楽家はそれを
メロディーにしてあなたへと渡すから
どうかそれまで待っていて
そうするには
ずいぶん時間がかかってしまうから
私、とても焦っているのだけれど
written by 古瀬詩織