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続・初心者ライターの私が知らなかったこと10選
またもやお久しぶりの投稿です。
堀田です。
前作の記事が好評をいただき、大変ありがたい気持ちでいっぱいでした。
あれからというもの、書かねば、書かねば……と思えば思うほど筆が遠のく日々。ようやく「とりあえず書こっかな」という想いがのりました。時は2024年の年末、更新から9ヶ月が経っています。寝かせすぎやろ。ごめんなさい。
今回は「初心者ライターの私が知らなかったこと10選」の続編として、新たに10項目の「知らなかったこと」を挙げてみました。
前半はおもに文章を書くときのルール、後半はライター初心者のときに知っておきたかった業界のあれこれについて書いています。
今回も初心者体験談を交えて、お話していきます!
1.「…(三点リーダー)」は2つつなげて使用しなければならない
そもそもみなさん「三点リーダー」ってご存じですか?
初心者時代の私は、普段から「…」はよく使っていたものの、この記号が三点リーダーと呼ぶことは知りませんでした。
文章に余韻を持たせるときなどに使用する三点リーダー。Web上のルールでは「2つつなげて使用する」となっていることがほとんどです。
初めてお取引したクライアントさんのもとでのレギュレーションに「三点リーダーのルール」があり、最初はかな~り理解に苦しみました。
まず、どの記号を三点リーダーと呼ぶのか。
「…」は、なんと打てば出せるのか。
ようわからんので半角の「.(ドット)」を6つ並べてみたら「『......』ではなく『……』でお願いします」という一見謎しかないフィードバックが来てさらに混乱する始末。
「三点リーダー、知らんかった」という方はもう大丈夫。
「てん」「.」などと打ってあげると出てくる「…」を2回続けて書くだけです。
ちなみにもしあなたが校正者になった場合、三点リーダーが「半角ドット×6」で構成されていないかどうかを瞬時に判断する必要があります。
こちらも確認する方法がちゃんとあるので心配無用です。「……」の先頭・真ん中・お尻のいずれかにカーソルを置いてみて、カーソルがドットをひとつずつ推移するようならアウト!校正者として正しい三点リーダーにそっと直してあげましょう。
勇気のある方はライターさんにぜひフィードバックしてあげてください。
「『......』ではなく『……』でお願いします」だとおそらく理解不能なので、文章で丁寧に示されることをおすすめします。
2.記号のあとに半角スペースをあける場合がある
「!」または「?」といった記号が文末につき、かつ改行をせずそのまま次の文章を書き進める場合、記号のうしろに半角スペース(または全角スペース)を入れるというルールが設けられていることがあります。
最初はこのレギュレーションの意味がまったく理解できず。
「え、なんでわざわざスペース入れるん……? まあ、やるけど」と、腑に落ちないまま仕事を進めることがありました。
これはどうやら紙媒体のレギュレーションの名残のようです。
記号に注目して雑誌などを読んでみると、たしかに「!」や「?」のあとにはスペースが空けられていることがわかります。
これは1文の区切りをわかりやすくするためのレギュレーション、というわけです。
真意を理解していないと、スペースを空ける意味がわからず「とりあえず記号が来たらスペース空けとけ~!」となるため注意です。
【例文】
◎ いかがでしたか? 私の文章がいかに繊細かつ丁寧なものであるかがおわかりいただけたでしょう。
× いかがでしたか?私の文章がいかに繊細かつ丁寧なものであるかがおわかりいただけたでしょう。
いい例文が思い浮かばず、笑いを狙ったようでただただサイコパスな文章になってしまったのはさておき。
「?」のあとに半角スペースを空けることで、1文の区切りが明確になったように見えるのではないでしょうか。
続いて、「記号のあとに半角スペースを空ける」のレギュレーションを真に受けてNGを多発した例です。
【NG例文】
わたしは「 サカナクション」 が大好きです! 彼らの奏でる音は、とても心地よく… ( サカナクションとは5人組のバンドです! ) 。
上記の文章は、「」、!、…、()のあとに半角スペースが入っています。
バランスが悪いし、間延びして見えるし、なんとなく気持ち悪いと思いませんか?
私が校正の仕事をしていたとき、実際にこのように書いてくるライターさんがいました。しかも1人ではありません。
上記の例でいうと「」と()と … にはスペース不要です。
そして()の中に入っている「!」のあとの半角スペース、これも不要です。
【修正後】
わたしは「サカナクション」が大好きです! 彼らの奏でる音は、とても心地よく…(サカナクションとは5人組のバンドです!)。
レギュレーションの根本にあるのは「文章の読みやすさ」です。
これを念頭に置けば、レギュレーションの意味も理解しやすくなるのではないでしょうか。
私はサカナクションとaikoが大好きです。
3.記号を多用しすぎてはいけない
まだまだ若くて元気だった初心者時代の私(笑)。
「!」や「?」って、感情を表すときに役に立つじゃないですか。
ついつい文末につけたくなってしまいます。
しかし、とくにビジネス文書のなかでは記号の多用はご法度です。
初心者の私が衝撃を受けたのは、読者への問いかけの文章にも「?」をつけないという(暗黙の)ルールです。
みなさんもありませんか?
リード文に入れた「~~ということはありませんか?」みたいな文章の「?」を、そっと句点に直された経験が。
まぁ、ここは媒体のカラーによっても違うかなと思います。
この記事では、ベビーカーを正しく選ぶためのポイントについて詳しくお話していきたいと思います♪
いやいや、初心者の私よ。文末に「♪」とかいらんねん!!!
4.「〜することができます」は嫌がられる
自慢ではありませんが、学生時代は英語が得意でした。
するとですね、「~することができます」みたいな表現が自然と染みついてくるんですね。私、びっくりするほど冗長表現が大好きです!(オイ)
でも、これはライティングの世界では嫌がられる表現であると、のちのち知ることになります。
「~することができます」のような表現を「冗長表現」と言います。
文脈によっても異なりますが、大抵は「できます」などと短く表現できるはずです。
それをあえて「することが」と、無駄に5文字増やす意味がわかりません。……のような意見は、Webライター界隈で一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
なぜか。
記事を読んでくれる人を「読者」と言いますが、実際に人は文章をほとんど読みません。(と言われているし、実体験からも本当にそうだなと感じます)
今この記事をここまで読み進めている人は、ただの変態です。
とくにWeb記事ではちょっとでも短く、わかりやすく、端的に伝えるのがよいとされているため、冗長表現は敬遠されるというわけです。
わたしは、人間味があって好きなんですけどね。
5.レギュレーションの基本は「記者ハンドブック」
初心者ライターのみなさん、記者ハンドブックは買いましたか?
「新聞用字用語集」ということで、平たくいうと一般的に広く世間で使用されているレギュレーション、みたいなイメージなんでしょうか。
私が携わってきたメディアの約半数に「自社独自のレギュレーション+レギュレーションにない部分は記者ハンドブックにのっとる」というルールがありました。
初心者時代に受けていた案件は、ほぼ100%このルールがあったと思います。記者ハンドブックはもはや必須アイテムだな、と思っていました。
しかしライター業を進めていくと、企業によってはそうでもないんだなぁということも、だんだんとわかってきました。
とはいえ、基本的には記者ハンドブックの表記に沿ってメディアごとにレギュレーションが用意されていることがほとんどです。
また、レギュレーションがないメディアもあるので、そんなときに「記者ハンドブックに沿って執筆します」といった指標があると安心かなと感じています。というわけで、持っていると何かと活用できます。
1つだけ注意点があります。
それは「記者ハンドブックが無敵」というわけではないことです。
最近私が見つけたなかで驚いたのが「とりあえず」の表記。
「とりあえず~~しよう」のような文脈で使われる「とりあえず」ですが、記者ハンドブックでは「取りあえず」と閉じる表記が正とされています。
(※私が持っているのは第13版の記者ハンドブックなので、第14版ではもしかしたら変わっているかもしれません。お手元に第14版の記者ハンドブックがある方はぜひ「とりあえず」を引いてみてください)
こういうことがあるから、すべての表記を記者ハンドブックに沿う形ではなく「記者ハンドブック+独自のレギュレーション」といったケースが多いのだな、と腑に落ちたエピソードでした。
6.ライターにもいろんな種類がある
ここからは「ライター初心者のときに知っておきたかった業界のあれこれ」についてお話します。
まずは「ライターにもいろんな種類がある」ということ。
まあ当たり前といえば当たり前なんですが、ライターの仕事にもいろんな形があって、それぞれ仕事の内容やルールなど異なる部分があります。
SEOライター
コピーライター
セールスライター
インタビューライター
ブックライター
コラムニスト、エッセイニスト
ジャーナリスト
シナリオライター
テクニカルライター
メルマガライター
他にもあると思います。
しかもWebだけでなく、紙媒体にも視野を広げたらさらに多様なジャンルが挙げられるのではないでしょうか。
私はよくわからないままに「SEOライティング」から入りましたが、そのうち取材もするようになりましたし、ブックライティングのお手伝いをさせてもらったこともあります。
ちなみに私がnoteに書いている「ライティングルール」は、主にWebコンテンツのなかのSEO記事と呼ばれる類に通用するものです。
ものによっては他ジャンルの仕事には通用しないルールもあるでしょうし、すべてのライティングに共通するルールもあるかもしれません。
ここで私がお伝えしたいのは、働き方は無限にあるということ、そして今「ライティングが苦手」と感じている人は、他のジャンルであれば花開くかもしれないよ、ということです。
Webライター初心者の入口はSEOであることが多いと思いますが、ライターが輝ける場所はSEO以外にもあります。
ちなみに私はSEOライターから、ファイナンシャルプランナーに転身しました。そんな道も、アリだと思いますよ。
7.「文字単価」って言いつつ実は記事単価
ライターの報酬形態に「1文字あたり〇円」というのがあります。
初心者のころは「1文字1円」を最低ラインとしてお仕事を受けていました。
「1文字0.5円」とか、1円以下の案件もありますが、初心者だからといって自分を安売りするのは私はおすすめしません。
最初の実績づくりや経験を積む意味では良いかもですが、経験を積む場所を間違えるとその先まったく使えない経験になってしまう可能性もあるので、見極め大事です。
話を戻して、私が初心者のころ失敗したのが「文字単価」と言われていたのに実は記事単価だったという案件です。
私が受けた案件は、以下のようなものでした。
最初に指定されていた文字数は「2,000~3,000字程度」
「1文字1円」の計算で1記事あたり3,000円
2,000字代で済ませれば、実質文字単価は最高1.5円
そして3,000字程度で原稿を書き上げ、提出したら追記をお願いされたのです。
それも何百字程度の追記ではなく、1,000字単位の膨大な追記でした。
最終的に5,000字ほどに膨れ上がり、実質文字単価は0.6円ほどに。(クラウドソーシングの手数料を引いたらさらに低いです)
きっと良心的なクライアントさんなら追加料金を支払ってくれると思いますが、このときは私も経験値が浅く、何も言えずにただ3,000円を受け取るしかありませんでした。
かといって記事単価案件が悪いわけではなく、むしろ今となっては記事単価案件を多く受け持っています。
私が経験したような「文字数の天井が決まってない」「指定文字数を超えた場合の報酬ルールがない」「そもそもの単価が低すぎる」といったケースの「記事単価案件」は、要注意かもしれません。
8.実はクライアントも発注初心者ってこともある
上記の案件、実はクライアントも発注初心者でした。
おそらくクラウドソーシングでの発注の仕方をよくわかっていなかったのでしょう。自社ECサイトの認知を広げるためのオウンドメディア制作が依頼の目的だったので、SEOのなんたるかもマーケのなんたるかもライティングのなんたるかも、何も知らなかったんじゃなかろうか。そんな感じでした。
「発注初心者案件」は、メリットもデメリットもあると、私は思います。
【メリット】
・競合(応募者)が少ない
【デメリット】
・むちゃくちゃな案件(修正が多いなど)の可能性が高い
発注初心者、ということはレギュレーションはおろか、メディアの方向性も確立していない可能性は大なので、コミュニケーションがめちゃくちゃ大変になる覚悟は必要かもしれません。
しかしクラウドソーシングにおいて発注経験が浅いユーザーのところには、あまり応募者が殺到しない……こともあります。
私が応募したのも、「条件良さそうなのに応募者がそんなにいない!穴場かもしれん!」というのがひとつの理由でした。(実際は条件が悪かったわけですが)
でも発注者のレビューがないのはちょっと不安なので、悪質な案件かどうかを見極められる自信がある方のみ、発注初心者を最初の案件獲得に狙ってみてはいかがでしょうか。
9.まずはポートフォリオを作ったほうがいい
初心者のころ、当時運用していたTwitterで「こんなお仕事あるんですけどどうですか?」といった趣旨のDMをいただきました。DMのなかには怪しいものがあるんですが、これは怪しいものではありません。
案件獲得のチャンスです。
しかし当時の私、もうWebライターを始めて半年ほど経っていたにもかかわらず、ポートフォリオを作っていませんでした。
「ポートフォリオを提出してください」
と言われたとき、唯一出せたのが子育て体験談の記名記事でした。
求められてるものと絶対違う……。
それから連絡が途絶えてしまいました。DMでも連絡が途切れることってあるのね。
これを受けて、急いで作ったのが以下のポートフォリオです。
ポートフォリオはなくてもいいと言われることもありますが、私はやっぱりあった方がいいなと思います。
実際、このnoteから複数の案件依頼をいただきました。中には大物案件も。
企業の広報担当さんやマーケ担当さんは、意外とnoteを活用していらっしゃいます。企業案件を獲得したいライターさんは、ぜひnoteにポートフォリオを作ってみてはいかがでしょうか。
ちなみにポートフォリオは随時更新も忘れずに行いましょう。
あ、これは自分に言っております。(全然更新できていない)
10.本名かペンネームかはぶっちゃけどっちでもいいのだが
ライター活動名、悩みませんか?
私はめっちゃ悩みました。
本名の語呂が悪いし字面も悪い()ので、ペンネームでやろうとは決めていたんですね。
でもペンネームにするにも、本名をもじった名前がいいのか、それともまったく違う名前でもいいのか。これからライターとして活動するにあたって、名前の決め方によってどんな問題が待ち受けているのか、まったく想像ができませんでした。
結論、本名かペンネームかはぶっちゃけどっちでも大丈夫でした。
しかし私個人的には「本名をもじったペンネーム」にすればよかったかなと、ちょっと後悔しています。
というのも、私自身は「夏川さほ」というペンネームを設けて活動していたのですが、4年のときを経て本名で活動することになった経緯があるからです。(FPになったため、本名での活動を決意しました)
“さほさん” も気に入っていて、愛着があるんですけどね。
「堀田えりな」と「夏川さほ」はあまりに違いすぎて、本名のあだ名にもなりません(笑)。周囲の人に混乱を与えてしまいます。
それが今となってはなんだか申し訳ないですし、自分自身もペンネームから本名にシフトするにあたっての違和感が拭いきれません。
本名+親しみを持って呼べるあだ名があるのが理想ですよね。
FPとして活動されている先輩方の中にも、本名以外にあだ名といいますか、愛称を持っている方がいらっしゃって素敵だな~と思います。
私もそのうち愛称を作ってみます!
ちなみに名前に関する考え方は、活動するフィールドによっても違うかなと思います。ご自身のお仕事のスタイルに合わせて、適切な活動名を考えてみてください!
まとめ
いかがでしたか?
……前回の記事を読んでくださったみなさん、もうまとめに「いかがでしたか?」は使っていませんね?
いかがでしたか? についていろいろ考えてみたのですが、これって執筆者さんの自信のなさの表れにもなっているんじゃないかなと思うんです。
自分の書いた記事に自信を持って、ビシッとまとめてあげたほうが、読者さんのなかにストンと落ちるのではないでしょうか。
Webを通してさまざまな出会いや発見、気づきが得られるので、私はWebに携わる仕事が大好きです。
文章を書くとき、いろいろなルールがありますが、すべての根本にあるのはその記事を手に取る「読者」への配慮ということになります。
必要な情報をわかりやすく、正しく、誤解のないように伝えていく。
それがライティングに携わる人の使命だと、私は思うのです。
私もまだまだ学ぶことがたくさんありますが、前回の記事に続き、今回の記事も少しでも初心者ライターのみなさんの活動のヒントになればうれしいです!
今回も超大作になってしまいました。
長文にもかかわらず、ここまで読んでくださりありがとうございました!
「スキ」を押していただけたら泣いて喜びます!
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