『潮が舞い子が舞い』6巻感想
第56話
バイトに向かう水木が色んな人と会う話。
右佐は水木とあんまり打ち解けてない感じ。水木、人当たりの良さと友達の多さの割には人気者ってイメージでもないのがリアル。いや、もしかしてあれか…?前回の衝撃をまだ引きずってるのか…?右佐…!元気出せ!
校門で待つバーグマン。この行動はよくわからないが(バーグマンのことをわかろうとしても無駄かもしれないが)、百々瀬と水木の関係を探りたいのかな。百々瀬との付き合いによってバーグマンの内面も大きく変化している。
女子会に誘われてお前……!許さんぞ!(?)バイトでなかったら行ってたんだろうか。この状況でほぼ照れてない水木が凄い。
第57話
武器グループのファミレス会議に摩耶ちゃんが!武器グループはリアル寄りの男子高校生ばかりで安心する。
完全に腋フェチになってしまった刀禰くん。それと同時にやばい女に惹かれてることも自覚してね。
第58話
天気グループと団地の話。晴原ちゃんはツッコミのテンション高くてかわいいねえ。ずっと心の声だしずっと勘違いだけども。
しかしずっと一緒にいる天気グループでもお互いの家族構成を把握してないんだ。まあ雨窪ちゃんは自分からそういう話しないのかもしれないが。
第59話
火風前右+狐塚の掃除回。開幕早々何故かソファに寝て惜しげもなく美脚を披露する狐塚。おい!惑わすな!
狐塚は作中トップの強かさと言うか、自分の魅力を自覚して効果的に使いすぎている。悪い女だよ。でも、単純にからかうだけであって、男子を利用して自分が得をするとかそういう感じではないのが助かる。そうでないからこそ女子の間にも軋轢がないんだろうな。
第60話
刀禰とバーグマン、再びの雨宿り。バーグマンが自然な笑顔で話しかける男子って刀禰しかいないんじゃなかろうか。いや女子でも百々瀬以外にいたっけか。
「だから今はただ 名もなきこの時間を感じるがままいたいのです」
良い……。バーグマンは名言っぽいことを意識して言おうとしてるときはスベってるんだけど(失礼)、自然とこぼれてくる言葉にもバーグマンらしさがこもっている。あと首めっちゃ細い。
刀禰の瞳に映るバーグマンは曖昧な輪郭でしかないが、中心にしっかりと捉えられている。バーグマンのことを理解しきれないながらも憧れのような感情があるのかもしれない。一方でバーグマンの瞳ははっきりと刀禰を映しているが、その解像度は風景と同じで、中心で捉えてもいない。バーグマンは特別な感情なく、友人として刀禰と話しているに過ぎないのだろうか。
百々瀬と合流して楽しそうに帰っていくバーグマン。「高揚も 寂しさも 美しさも 嫉妬も(中略)この気持ちの全てを なんと呼ぶというんだろう」思春期だねぇ。
第61話
後輩ズ。後谷は初登場。この時点ではしゃばさが露呈していない。
初見の氷室にすら見破られてしまう、中畔の水木に対する気持ち。水木はアレなんですよ。許してやってください。いつか地獄に落ちると思うんで。
氷室の恋心がどんどんバレていくが、皆に背中を押してもらうのは割といい方向かもしれない。特にバイト先の人は色々便宜を図ってくれるかもしれないし。
優しく微笑みを返してくれるのがわかってるからこそ嬉しくも切なくもある……カーッ!!!! すみません甘酸っぱさのあまり血管が破裂しました。ここからは霊体が文章を書いています。
第62話
サイズグループ、大垣内の独特な潔癖症の話。かと思ったらそうでもなかった。このグループで一番子供っぽく見える中畔が、交友関係が一番広そうに見えるのちょっと不思議かも。いや、逆に子供っぽさが分け隔ての無い関係構築につながっているのか?(???) というか小笠原は友達以外と普通に会話できるのか?
その後、ファミレスでどうなったんでしょうね。
第63話
果物グループに絡む車崎。うん……。
車崎が出てくる話は読んでて辛くなる。こういう人いるよなーというリアリティでもあり、悪気があってやってるわけじゃないのがわかってるからこそ、もうやめてくれと思ってしまうな。っていうか柿境ちゃんはめちゃくちゃ人間ができててびっくりしちゃうよ。人類の母か?
車崎をかばう釣岡、本当に精神的にやばいのは釣岡の方だと思う。車崎が成長して交友関係が広がり、釣岡から離れることになったらどうなってしまうのか。人気者グループ、5人中3人が発達障害か精神疾患っぽくてハラハラするわい。
釣岡と旅屋、そして「にいちゃん」なる第三者の関係を示唆するラストシーン。連載では答えが出てるっぽいけど俺はまだ知らない。
第64話
方向グループ男子に後輩の毒牙が……迫らない! 後谷のしゃばさが露呈してしまったぞ! はえーよ!
右佐周りはかわいいものしか生息していない世界。うさかわ。
阿部先生が描く中二病的な男子、あまり良い結末を迎えてるイメージがないんだけど、右佐に限っては幸せになってほしいよ。
第65話
釣岡のやばい話で右佐のかわいい話をサンドイッチしないで!(悲鳴)
こいつこえーよ!助けて!
第66話
百々瀬とバーグマンの休日私服デート。
余韻がね、実にいいですね……。6巻終わりがこの話で良かったよ。65話で終わってたら安心して夜寝れないもんな。
バーグマンの初募金。百々瀬がいれば一人ではできないこともできる。逆に、一人ではできないことをやるなら百々瀬と一緒がいい、とも思っていそう。
「生きるということは生きるということだと思うんです 素晴らしくなくたって」
小さい頃は病院通いだったという過去とともに語るバーグマン。世間知らずだったり友達付き合いが苦手な性質もそれが影響しているのだろうか。刀禰との会話であった「死ぬことはいつでもできるから」「死ぬまでは今はただ生きることと同じように」という台詞も急に質量を持ち始める。かつて死が身近であったからこそ、今こうやって生きていることの不思議さ、何か意味があって生きているんだろうかという思いがあるのかもしれない。
バーグマンのやばさ(+かわいさ)は元々の読者以外にも波及していたようで、それを考慮してかはわからないが、出番が多くなってきたように思う。嬉しいのでもっとやってくれ。
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