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長月

9月。久しぶりに上野動物園へ。一昨年の12月のシャンシャン以来だ。この日は返還前のリーリーとシンシンに会いに行った。

雨が降るなか、開園前の0850に並びパンダのもりを目指したのが0930。そこからはそれはそれはの大行列。9月最初の三連休の最後の日、あさイチで並んでも120分待ちだった。

途中、二周目は150分以上の待ち時間との情報が入った。それはちょっと難しい。チャンスは一度だけということで、お師匠さまとお互いに気合を入れて臨んだ観覧が1130。

私たちが見た最後のリーリーとシンシンは朝食を終え、おやすみタイムだった。観覧時間は屋内施設で3箇所に分けられ、それぞれの持ち場は1分。合計3分間、パンダを見ることができた。

上野のパンダは何度も見に行ったし、今回の大行列からもわかるとおり、みんなパンダが好きだった。だからこそね、観覧時間にやるべきことは譲り合いだと思っている。私のように望遠レンズを持っている人もいれば、スマホやコンデジで撮る人もいる。並び疲れた子どもや、ベビーカー、車椅子の来園者だっている。みんなできるだけ近くで、見たり撮りたい気持ちはとてもわかる。だからこそ譲り合いが大事って思っている。

率先して周りの人に譲ったけど、みんな必死だったのか、次の1分、その次の1分でも譲り合う場面を見ることはなかった。

必死なのはとてもわかるんだけど、そんなときこそ譲り合い・・・以下ループなひとときだった。自分優先なのか、それともパンダの観覧に慣れてないのかな?たまたまそういう人達と同じグループになったのか。ともかくそういうのは好きじゃない。そんなニンゲンたちにちょっと冷めた。そこの立派なカメラとレンズを持った動画おばさんグループ、真後ろで背伸びしている子どもたちに譲れよ!って。

二周目と行きたいところだったけど、お腹ペコペコ、園内のカフェもレストランも大行列、他の動物は今度ゆっくり見に来ようかってことで上野を離れることにした。

今、リーリーとシンシンは中国ジャイアントパンダ保護研究センター碧峰峡基地にいる。そこは来日までいた故郷であり、今はシャンシャンがいる基地でもある。これからも上野の3頭が同じところにずっといることができるのかを見守りたい。早期返還の原因でもあるリーリーとシンシンの高血圧が気になるなぁ。とくにシンシンが心配だ。生まれ育った環境で、リーリーと共にゆっくり過ごしてほしい。

ちなみに上野動物園でのリーリーシンシンの最終観覧日は開園前の0820に受付終了とのこと。残されたシャオシャオとレイレイは年間200億円以上の経済効果も産みだしている。パンダは偉大なのだ。

いつかのリーリー
いつかのシンシン、シャオシャオ、レイレイ



さて、話は変わって9月が終わろうとしていたある日、職場のリフレッシュルームでぼーっとしていると、顔見知りの他チームの人達に立て続けに挨拶をされた。9月末で退職するとのこと。よくある社交辞令ということで一言二言で終わるかと思えば、何故かいろんなことを聞かれた。ちょっと時間があったこともあり、話してみると盛り上がった。ほんとうは何者なんですか?って。何者でもなくなんの取り柄もないただのおっさんというオチしか用意できなかった。反省はしていない。

パンが好きという人には、ル・プチメックの生ハムバケットを勧めてみた。メゾンカイザーのクロワッサン・オ・ザマンドの美味しさを共有できたのは楽しかったな。趣味を広げたいという人には写真を勧めてみた。いまの趣味を撮れば楽しいかもしれない。5年後、10年後に見返す日々の写真もかけがえのないものになるはずだ。

ほんの少しの間だったけど、もっと早く話せていれば良かったのかなという気持ちになった。仕事での接点があったわけでもなく、なかなか難しいところ。この先の長い人生、どこかでお会いすることがあればよろしくお願いしたい。

過ぎ去ればあっという間の毎日である。9月も同じだ。9月といえば、幸運にも健康のまま歳を重ねることができた。しかも、いろいろとまとまった支払いを済ませることができたもの健康のおかげだろうか。それとも職場で親切にしてくれる人達がいるから働き続けることができたのだから、その人達のおかげだろうか。

とにもかくにも、私の周りの人達にはこれからもずっと健康であってほしい。親切にしてくれる人であれば尚更である。

最近は願うことよりも祈ることが増えた気がする。自分以外のことを祈るのは、通っていたキリスト教系の幼稚園以来かもしれない。

だからといって、宗教の勧誘は求めてないからね。


おしまい






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