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経営者のかかるインパクトバイアスは恐怖でしかない

インパクトバイアス
こうなれば幸せになれるという思い込み。

ある会社の経営会議に出席した際に、役員の一人がした発言で、
「今の時期はコロナの影響もあるのである程度売上が落ちるのは仕方ない〜中略〜コロナや自粛が落ち着いてくれば盛り返せるように対策を立てる」

目眩がしました。さすがにwithコロナの状況を感じて、同じように感じた参加者も多数いたようですが、なかなかゾッとさせられます。
現場にいる営業からしてみれば、コロナの影響で受注案件キャンセル、決まりかけ案件が白紙、納期の延期、諸々が起きるため
「自粛が落ち着けば」
なんてことを考えてしまう人たちがいることは仕方ないのかもしれませんが、経営会議でその考えは流石にまずいと思いました。

インパクトバイアスとは、こうなれば人は幸せになれるという思い込みで、本来の使い方としては、そうなったときに「期待値が高すぎて思っていたことと違う」といったことに陥るときに使われるものですが、そうなってからでは遅いです。

成功すれば幸せになれる、これもインパクトバイアスにかかっています。成功者たちは、成功したから幸せではなく、新しいものを生み出したり、新しいことに挑戦していること、人と違うことをするのが幸せであり、成功とは結果論に過ぎなかったりします。

結婚して幸せ、ではなくそこからの生活が本来の幸せのはずです。生活を共有する努力や責任とのバランスがとれない高い理想では、当然幸せは遠のきます。

美味しいものを食べたらその時は幸せと感じるかもしれませんが、本来であればまた食べたい、もっと美味しいものを食べたいと考えて、お金を貯めるとか、自分で調べてみるといったことをすることが実は楽しかったりして、結果幸せだったりもします。

もちろん、人によって幸せの形なんて異なるとは思いますが、タラレバで、こうなれば幸せになれるなんてことはおそらくありません。

特に今のネガティブな状況になりやすい環境では逃避行動に近いです。
国も国民の自主性に任せるとほぼ丸投げに近い状況を思えば、今のこの状況で、どうにかすることが経営者たちには求められます。

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