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私ね、一回で映画の内容把握できる人間になりたい。【羊たちの沈黙を観た感想】

 まず初めに、この記事は映画を一回見ただけで理解できるような人間には見苦しい記事になるかもしれない。

なのでこの記事は、私の様な登場人物の名前も覚えられない残念な生き物のみが閲覧してよいことにする。

映画『羊たちの沈黙』がアマプラで配信されていた。配信の期間が残りわずかだったので興味本位で見ることにした。

いやー、面白かった。(小並感)

レクターの諭すような話し方と脱走劇、そして段々と真相に近づいていくシーンが訪れる度に目が離せなくなる。

とか言ってるけど一回目全然理解できなくて二回目でようやく理解した程度なんすけどね。そんでまだ理解できてないとこあるし。

大体貸倉庫の首だけの死体は結局誰が切ったんだよ。
ビルの本名は結局なんだよ、モーガンであってる?
レクターの脱走はどこまでが計画だったんだよ。

いっとくけどマジだからな?あまり映画を見ない人間を舐めるなよ、そもそも一時間半の講義もロクに集中して聴ける人間じゃないのに2時間の映画を真面目に見れるわけがないのだ。

それでもまぁ映画を見るのは悪くないと思えたし、映画鑑賞を趣味にしている奴の気持ちもわかる気がしてきた。

これからはドヤ顔で
「え?趣味?まぁ、映画鑑賞かな…まぁ、羊たちの沈黙とか好きかな…」とか言えるのか。

ダッッセェ~~~~~!テンション上がるタイプのダサさ。


 『羊たちの沈黙』は物事の本質を見る作品、しかしこのテーマは視聴者に向けたものではなく、一貫して主人公だけに投げかけていると思った。
そしてもう一つのテーマは「変身」である。

主人公のクラリスは警察官である父を亡くし、幼くして孤児になる。
そしてその幼さが故に過ちを犯し、そのトラウマが頭から離れられなくなっている。警察を目指す中で彼女は優秀になればトラウマが消えるのではないかと考え、そして実習生でありながら凶悪犯罪者と会話できる機会が与えられるほど目を付けられるようになった。

それでも周りからは美人でちょっと頑張っている学生としか思われてなく、中には女だからという理由で下に見ている奴らもいる。

そんな中で彼女はレクターに出会ってしまったのだ、レクターだけが彼女の本質である変身願望を見抜いていた。レクターがクラリスに興味を持つように、クラリスもレクターに惹かれてしまっていた。

レクターは脱走する間際、殺人鬼ビルにたどり着く最後のヒントを与える。まるで上手に羽化できない蛾に付いた蛹の殻を、優しく取り除く様だった。それは単なる気まぐれかもしれないが、彼もまた彼女との出会いで変わったのかもしれない。

レクターとクラリスの関係性以外にも、殺人鬼ビルの狂気的な怖さとレクターの猟奇的な怖さが明確に分けられている所や、気丈に振る舞う素振りを見せるクラリスも、内心はかなり怯えているということが分かる演技がとてもよかった。

後は蛾を丁寧に育ていたり、犬に愛着を持っていたりと殺人鬼ビルのキャラもしっかり際立っているのもよかった。

そしてレクターが脱走する前、彼が描いたと思われる女性の絵がクラリスを意識していたりと細かい描写もある。

本当によくできた作品だと思いました。

この先、レクターはきっと食人を犯すことは無いだろう。

囚人の生活に戻ることを恐れ、自身の猟奇性を抑える蛹のような存在になるかもしれない。しかしクラリスやビリーのような、変わろうと望む者が現れた時、クラリスは自ら蛹を突き破り、手を差し伸べるだろう。

終わり

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