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シノイキスモス短編小説集

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#バスタオル

短編小説|バスタオル

短編小説|バスタオル

 彼の部屋には、何度洗ってもにおうバスタオルがある。何枚かあるバスタオルのうち、一枚だけ。部屋干ししているからかもしれない。でも、他のバスタオルだって部屋干ししている。条件は同じだ。なのに、どうして。

 とても疲れて仕事から帰ってきて、シャワーを浴びた後にそのバスタオルにあたると、彼は気分が悪くなる。どん底まで落ちこむ。他のバスタオルがあれば迷わずそちらを使うけれど、におうタオルしかないときだっ

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