黙る果物

鈍行で居眠りしている間に 

時間も距離も遠く

はなれていったものたちを想う


すべての出会いは

最初から自分の身のうちに兆している

寂しくないことなのかもしれない

けれど


ひとりで眠る自由を知っている

その自由を咲かせるしずかな裏庭も

けれど


お勝手からどうぞ

いま葡萄のつめたいのを持ってきます

春の絵はお好き?


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