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シンガポール旅日記│オーチャードはいわゆる銀座である。銀座の中心でコインランドリーを叫ぶ。
Orchard Roadがあるオーチャードは、シンガポールで一番の繫華街である。
Scotts RoadとOrchard Roadの交差点が一番の曲者だ。
地上では、歩道がなく地下に降りて上がらないとダメなんだが、四つ角全てがデパートになっていて、全くもって地下がごちゃごちゃしていて、出たい場所に出れないのだ。
そして、案内の看板が突如として、消えるのだ。
ふんふん。こっちが、ラッキープラザね!と看板を見ながら歩いていくと、
あれ?と急に看板が消えて、ここってデパートで、ラッキープラザではないよね?
えっ?どこ?とケータイでGoogleマップを開くと、海外回線のせいか、地下
のせいか、正確な位置を指し示してくれない。
とりあえず、地上に出よう!と思い、出てみると、行きたい方角にはなく、また地下に潜るのだ。
これは、まさにオーチャードダンジョンである。
大阪出身の私は、梅田ダンジョンという曲者を知っていて、ダンジョンマスターのはずなのに、オーチャードダンジョンは覚えられなかった。
12月30日にシンガポールに着いて、感じたのは「暑い」である。
暑すぎて、大量の汗をかいて、服が臭くなったのでコインランドリーがあるかホテルマンのインド人に聞いてみた。
「Is there a coin laundry in this hotel?」
とても、たどたどしい英語に、耳を傾けてくれて答えてくれた。
このホテルには、コインランドリーはないよと。
えっ??と思い「Near around here?」と聞く
あるから教えてあげる。コピー渡そうか?と聞かれたのですぐさまケータイのGoogleマップを開いてジェスチャーでここに入れてくれ!と指し示すと住所を入れてくれた。
私は、オーチャードダンジョンを超えながら、繫華街から少し離れたコインランドリーまで歩いて出掛けたのである。
海外で、はじめてのおつかいなのだ。
別にだれにも頼まれていない、はじめてのおつかいなんだけどさ。
もう年の瀬だというのに、何処を歩いても、クリスマスのツリーが飾ってあって、クリスマスソングが流れている。
街の皆が浮かれていて、とても賑やかで楽し気だった。
そこらじゅうが、ネオンでいっぱいなのに、暑い。
この写真だと、冬だと感じてしまうのは、北半球出身だからだ。
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ダンジョンを超えていき、歩き進めると、高島屋が見えてきた。
その横には、ヒルトンホテルがある。
見たことあるフォントを見ると、なんだか安心したのもあるし、世界中変わらんなとも思う。
世界中変わらんなと思ったのは、めちゃくちゃスターバックスがあることだ。シンガポールはコーヒー文化が根付いていて、はっ!と見れば「ここコーヒー屋さんか!!」というぐらいある。日本でいうところの美容室が多いのと同じぐらい、コーヒー屋さんが多いのだ。
私みたいな、ケチは日本でもスターバックスにはそもそも行かないのに、シンガポールに行ってまで、高いコーヒーは飲みたくないと思い素通りしていたが、やはり繁盛していた。
高島屋もヒルトンホテルも超えて、それでも歩いていくと、Orchard Plazaというモール?のようなPlazaがある。
そこに、コインランドリーがある。
しかも、夜に行ったので、中々に怖かった。シンガポールは安全だと言われていたけど、用心しながら、コインランドリーに入る。
ちなみにだが、シンガポールのコインランドリーは一癖あるので、いつか行くかもしれないシンガポール旅行の為に読んでもらいたい。
知ってるよ!と思うかもしれないが、日本のコインランドリー説明する。
洗濯だけのドラムか、洗濯と乾燥までのドラムを選ぶ。
ドラムに洗濯ものを入れて、ふたを閉めて、ドラムに指定されているお金を入れて、スイッチを押す。
そうすると、洗剤と柔軟剤が勝手に入り、洗濯ものは回り始める。
これを想像すると、思う。
だが、シンガポールのコインランドリーは違ったのだ。
シンガポール1日目に、頭がショートするぐらい悩んだのだ。
コインランドリーにたくさんドラムが並んでいる。
それは、日本と同じである。
上に料金表みたいなのが書いてある。
水で洗濯するなら何ドル
水で洗濯して、柔軟剤を使ったら何ドル
ドライもあったり、色んな種類があった。
ふんふん。と料金表を見ると、柔軟剤を使うコースにしようと思い金額を確認すると、驚きの10$と書いてある!なに!!1,200円するだと!!
仕方ないと思い、臭くなった服や下着など入れて、ふたを閉めて、お金を入れようとすると・・・頭がショートしたのだ。
10$というのは、お札である。
が、お金を入れる所は、コインだ??お札を入れる所がない・・。
もう一度、料金表を見る、やっぱり10ドルだな・・。
でも、コインしか入れない。
なってこったい!!くそが!と半ばキレかけている時に思い出した言葉があった。
それは、夫からシンガポールへ行くときに「困ったら、人に助けてもらうんやで」と言われたのだ。
親切そうなインド人家族が居たので、女の人に私が持っているコインのお金をすべて見せて「what is 10$?」と聞いてみた。
インド人からすると「なんやこのアジア人、10$がコインやと思ってんのか?」と考えたに違いないけど、そんなことはどうだっていい。どう思われたっていいから、私は臭い服を洗いたいそれだけなのだ。
「Can you tell me how to use the coin laundry?」と言ってみた。
拙い英語を、またもやインド人は理解してくれて、教えてくれた。
両替機みたいなところに、10$のお札を入れる。
そうすると、コインが何枚か出てくる。
それを、ドラムについているコインを入れるところにインするばいいだけだった。
ほほ~ん!出来たぞ!!ありがとうインド人!教えてくれたインド人の家族にお辞儀をしまくり「Thank you!Thank you!」と言いまくり、ペコペコして、夜の街を徘徊することにした。
シンガポールへ来てから、色んな人に助けてもらった。
が、このホテルマンのインド人と、コインランドリーにいたインド人には感謝を伝えても伝えきれない。
ちなみに、洗濯と脱水だけされていて、乾燥するには乾燥機が別にあり、1$でたぶん5分ぐらいだった。
私は1$を一枚しか持っていなかったから、完全に乾燥することは出来なかったが、それでもいいのだ。だって、インド人が私に優しくしてくれたから、生乾きの洗濯物を片手にオーチャードロードを歩きながら、ホテルへ戻っていたったのだ。
これが、高島屋である。
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夜の街をブラブラして、インド人のおかげで、コインランドリーで洗濯することが出来て、浮かれポンチキになっていた。
クリスマスに浮かれている外国人と、コインランドリーで洗濯出来ただけの浮かれた私と、オーチャードという街はとても相性が良かった。
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いつもだと、こんなにも人が多いと発狂しているが、この日の私は「Excuse me~」とルンルンと歩いて、人混みをかき分けていたのである。
生乾きだった洗濯物は、柔軟剤がおモッキリ強い匂いだったので、ホテルで乾かしたら、生乾きの匂いなんてせずに、過ごすことが出来た。
ありがとうインド人!
ありがとうオーチャード!