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ジャリボーイと川村記念美術館とネルホル

平日の明るいうちからビール飲む ごらんよビールこれが夏だよ
岡本真帆さんのこの短歌を何度も思い出すくらい陽射しが強く暑かった今年の夏。

猛暑日の最長記録を更新し続けることが当たり前になり驚かなくなった頃、『川村記念美術館が来年1月に閉館する』という驚くべきニュースをきいた。

またか!と思った。好きなカフェ、本屋、映画館。これまで閉店の知らせを聞く度に思った『こうなる前にもっと通えば良かった!』をまた経験してしまった。好きなものは、後悔しないようにどんどん応援していこうと思っていたのに。確かにこの美術館にはもう20年くらい行っていなかった。

遅すぎた再訪だけど、今行かないとずっと後悔してしまう。そう思って、うちのジャリボーイズと妻と行ってきた。

川村記念美術館


常設展と企画展を子どものペース(恐ろしく速い)に合わせて観た。本当はゆっくり味わいたかったけど、作品に興味がないジャリボーイは僕の手を引っ張ってどんどん進んでいく。きっと美術館のことを立体迷路だと思っているのかもしれない。犬に引っ張られながら散歩をしている人をたまに見るが、こういう感じなのだろうか。

途中、ルノワールの絵の前で「これ学校の廊下で見たことある」と言っていた。小学校の廊下には、いろんな絵の大きいコピーが展示してあるのだ。「この絵は本物なんだよ。近づいてよくみると、絵の具のでこぼこまで見えるよ」と言うと「学校のも本物だよ」と言っていた。「それではこの絵をよく見て、今度学校に行った時に廊下にある絵とどう違うか見ておいで」と言ったら頷いていた。

その後、お待ちかねの庭園へ。

🌲 🌲 🌲

相変わらず綺麗な遊歩道だった。道のそばに大きいキノコが生えてて子どもたちが『これ食べたら大きくなれるかな』と言っていた。きっとマリオブラザーズの見過ぎだと思う。

蜘蛛の巣に大きめの蜘蛛を見つけると「この蜘蛛やば!」と言いながら、蜘蛛の巣が繋がっている木の枝をぶんぶん揺すって、「全然落ちない、やば!」と言っていた。やばいのはきっとジャリボーイだと思う。

* * *


美術館を出た後、せっかくここまで来たのだからと、千葉市美術館へ行った。
1日に映画を2本みると記憶が混ざってわけがわからなくなってしまうけど、美術館はハシゴしてもはっきり別の記憶として残るから不思議だ。

『Nerhol 水平線を捲る』と『金川晋吾 知らないうちにはじまっていて、いつ終わるのかわからない』
Spiraea cantoniensis / Nerhol
Interview / Mr. Isao Pastelin / Nerhol
これはNerholでは無く昔の写真家(名前忘れた)
Nerhol
髪を何枚も重ねて彫刻刀で切られた作品は立体感があり水の波紋のようだった
Nerhol
美術館一階の一部屋は大量の紙が敷き詰められていて圧巻だった。
金川晋吾さんの『知らないうちにはじまっていて、いつ終わるのかわからない』
ワークショップに参加したかったけどジャリボーイの力強い反対により参加できず。


美術館に行ったときには、一番良かった作品はどれだった?と子どもに聞くようにしている。
今回は「庭!」と言っていた。
それもそのはず、子どもたちはほとんど作品を観ていないから。まあ小学生ならこんな感じだろう。

この日観たものが記憶の片隅にでも残って、将来何かのタイミングで思い出すことがあるだろう。そういえばあの美術館行ったなとか、これ観たことあるな、とか。そういう体験の記憶が、思いがけない時に子どもたちを助けてくれたり、人生を豊かにしていってくれると良いのだけど。僕の場合はそうだから。


応援したい場所はまだまだある。ジャリボーイズが付き合ってくれるうちに、これからも出かけよう。

おまけ:うちのカレンダーについてるけろけろけろっぴいをどうぞ

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