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Vol,1|ブレンディッドラーニングを"旅"をしながら考える。

みなさんこんにちは、ケンイチローです。

最近、コロナの影響で旅行や外出が制限されてるので、自宅や近所で旅をしながら生活をするようにしています。
一つ一つの出来事に立ち止まりFocusすることで、これまで見過ごしていた事に彩りを付ける。
そんな感覚を楽しんでいます。
ほんの少しですが、幸福感や活力につながっているんだとコロナ禍では感じる今日この頃です。

さて、今回は、企業内で行っている“研修”についてお話ししたいと思います。


■読んで欲しい方
 組織のHRや人財開発の仕事をされている方
 ワークプレイスが分散化した中で、研修を有効なものにしたいと課題意識を持っている方
 新しいことを組織の中で行う時に、調整事がうまくいかず悩んでいる方

 ■プログラム内容
 <Vol,1>
  1、ブレンディッドラーニングとは
  2、2020年実施したトレーニング内容の紹介
  3、Vol,1のまとめ
 <Vol,2>※有料付録付き
  4、新しいことを組織の中で進める上で工夫したポイント
  5、脱研修で、意欲を高めるポイント
  6、全体設計をするうえで行ったこと
  7、まとめ


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1、ブレンディッドラーニングとは
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ブレンディッドラーニングを導入する背景を整理すると、いろんな影響があると思います。
例えば新型コロナウィルスもその一つですが、様々な環境変化が起こり、さらに加速していると考えています。
その中で、学習環境の変化も起こっているのではないでしょうか。
リモートワークが急速に普及し、仕事の仕方だけではなく、学び方も変化しています。
例えば、ICT機器やネットワーク環境が整い、場所や時間を選ばずに良質なコンテンツにアクセスすることができます。
さらに、このVUCA時代の中で、学ぶ内容はすぐに更新され、常に働きながら、動きながら学び続ける必要性が高まったのではないかと思います。
そのような中で、集合研修、オンライン研修、自主学習(e-Learningなど)を組み合わせた、効果的な学習を促す設計をする、ブレンディッドラーニングが注目されています。

このブレンディッドラーニングで何を実現するのかを考えた際に、「個人が自律的かつ日常の仕事の中で学ぶことを通じて、学びの効果を最大化する」と定義できるのではないでしょうか。
ただの集合研修とe-Learningの組み合わせではなく、目的である「どのようにしたら学びの効果を高められるか?」について意図的・計画的、さらに全体的に設計をしていくことが求められると考えています。

ただ、自律的な学びと言っても非常に難しいテーマだと感じています。
これまでの日本型雇用システムで働いてきた多くの社員は、「自分から学ぶ」ことになれていないのが現状だといえます。
リクルートワークス研究所の調査で、自分の意志で仕事に関わる知識や技術の向上のために取り組みをしている割合は33.1%だったそうです。
やはり「学びは、会社から与えられるもの」という意識が強い傾向にあるといえるのではないでしょうか。
そのうえで、「自律的な学び」に至るまでには、会社主導の学びや、学びが意図的・計画的に起こるような仕掛けと工夫が必要だと考えています。

ブレンディッドラーニングの最終的に目指すべきところは、「自律的な学び」を通じて、学びを日常化することではあるものの、そのハードルは高く、目指す姿とのギャップが大きい。
そのため、まずは、「level,1学習の効率化」と「level,2経験学習への対応」を目的とした設計をする必要があると考えています。



|「level,1学びの効率化」を設計するポイント
学びの効率化をする際に最初に取り組むことの多い、e-Learningなどの事前学習を取り入れた反転学習があります。
「反転学習の設計?そんなの集合研修前に事前学習してもらったらいいんじゃないの?」
そう思われる方もいると思いますが、そう言わずに少し我慢して読んでみて下さい。

反転学習をデザインする際のポイントは、まず反転学習の目的を明確にし、それを行う上で考えられる阻害要因を潰す必要があると考えています。

反転学習の目的の例えとしては、「効果・効率的な学習を実現するだけではなく、受講者の意欲の向上を目的とする」としたときに、活用方法を間違うと受講者のモチベーションが下がる可能性もあると考えています。
例えば、事前学習と集合研修の接続がなく、反転させる意味を持たないことであるとか、事前学習が重たすぎて、受講者の動機が下がるなどです。
やはり、意味のある反転学習を設計する必要があるので、研修を実施する目的や、内容、研修後のゴール設定を踏まえた上で実施してもらうように進めなければなりません。



|「level,2経験学習への対応」を設計するポイント
日常の実践を通じた経験学習への対応として設計する基本的考えとしては、研修はあくまでOJTを補完する存在と捉えて、学び全体の設計をすることが重要だと考えています。
これからは、研修ありきの教育体系ではなく、一人ひとりや職場単位にあったプログラム構造をデザインする必要があります。
例えば、学習目的・ゴールをもとに、適切な場所・タイミングで、適切な情報と支援を提供することが重要ではないかと考えています。

経験学習を回す際に、いくつかの障壁があるといえます。


例えば、経験の壁として、「忙しくて実践する時間がない」や、「学習目的・ゴールが曖昧でモチベーションが上がらない」などがあったり、
内省の壁として、「忙しくて振り返る時間がない」や、「客観的に振り替えることができない」などがあります。
さらに、概念化の壁として、「振り返りから学びを得られず、同じ行動をとってしまう」や、「他の状況には応用できず、振り返りからの学びを活かせていない」なども挙げられると思います。

そのような壁を、研修だけでクリアすることはできないので、職場の参画を促し、周りのかかわりを増やすことが必要です。
組織が大きくなればなるほど、どの壁も受講者一人ひとり、壁の高さや種類が違うため、その人にあった(その職場にあった)取り組みが必要になるのではないでしょうか。


ここまでのお話しでお分かりだと思いますが、流行り言葉であるブレンディッド・ラーニングということを目的にすると、うまくいかないどころか逆効果になる可能性があるということがいえます。
この活動を通じて何を達成したいのかを明確にし、集合させた研修だけで完結させるのではなく、意図的・計画的・全体的な設計をする。
さらにできるのであれば、目標達成のKPIの設定とその効果測定を設計しフィジビリができる体制をつくることが、PDCAをスムーズに回すカギだと思います。




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2、2020年実施したトレーニング内容の紹介
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2020年に実施したトレーニング・プログラムをご紹介する前に、「学び全体のマップ」をご紹介いたします。

当社では、大きく分けて「人財開発領域」と「組織開発領域」で分けて企画立案・運用を行っています。
「人財開発領域」については、企業内大学のユニバーシティの中で必修科目や選択科目、キャリア形成支援、自己啓発、次世代リーダー育成の活動を行い、「組織開発領域」 では、DEIの活動をメインに、1on1の浸透や、テクノロジーを使ったアクティブな社内勉強会を実現するゼミ、本の運用を通じて知識や感情を社員間でリレーをし、コミュニケーションを活性化させる知の循環PJなどを行っています。

一つのトレーニングを企画する際に、人財開発領域と組織開発領域の活動をじっくり確認し、関連する(関連するかもしれない)活動と交互作用効果が出るようにストーリーをつくることにしています。
例えば、ユニバーシティの必修科目であるリーダー・トレーニングの企画の際に、その受講者であるリーダーが今後どのようなキャリアを描きイメージするかは、トレーニングの効果に影響がありそうだという仮説のもと、キャリア形成支援・トレーニングのプログラムとの関連性を持たせるように再設計するなどです。



では、具体的にどのような研修を行っているかをご説明します。

2020年に実施した研修のコンセプトは、まさに「脱、受け身研修」としました。
集合時のインプット時間を減らして、フィールドワークやメンバー同士のディスカッションに重きをおき、受講者同士のディスカッションパートを約65%で設計できました。
基本的には、全てオンラインとし、集合する研修は3回、そして初回研修の前には知識インプットをe-Learningで実施します。
初回研修とFUP1、FUP1とFUP2の間、FUP2が終わった後に、実践トレーニングとメンバー同士での振り返りディスカッションをするプログラムで約半年間をかけてトレーニングをしたわけです。
また、研修前後に、受講者の直属のマネジャーと研修面談を実施してもらい、期待や目標、課題をすり合わせする盛りだくさんのプログラムを設計したわけです。

2020年は、全てオンライン・トレーニングに振り切り、その中で、自律的な学びを追求する。
そのような取り組みだけではなく、トレーニング方法を工夫をして、受講対象者を2倍にするという取り組みを実施していました。

まとめると、コストをやりくりするために学習の効率化をはかり、フィールド・ワークやディスカッションに重きを置いて経験学習への対応をはかった。
その先に自律的・継続的な学びに、つながるプログラムになった。そう、まとめられるのではないでしょうか。


Vol1,は、ここで終了です。
Vol2,の内容は以下の通りとなります。
  4、新しいことを組織の中で進める上で工夫したポイント
  5、脱研修で、意欲を高めるポイント
  6、全体設計をするうえで行ったこと
  7、まとめ


次回もお楽しみに。


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